チリ大統領、APECとCOP25開催断念を発表
チリのセバスティアン・ピニェラ大統領。同国の首都サンティアゴにて(2019年10月26日撮影、資料写真)
【10月31日 AFP】チリのセバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領は30日、来月同国で
予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と再来月の国連(UN)の気候変動枠組み
条約第25回締約国会議(COP25)の開催を断念すると発表した。チリでは抗議デモによる混乱が
10日以上続きこれまでに少なくとも20人が死亡、社会秩序の回復が難しくなっていた。
ピニェラ氏は「良識」に基づき、APECとCOP25の主催を取り止める決定を指示したと説明した。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、11月16~17日に開催予定だったAPEC
首脳会議で、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と会合し「第1段階」の合意を目指す見通しだと
表明していた。実現すれば、2大経済大国の間で1年半続いている貿易戦争の一部が終結するはずだった。
ホワイトハウス(White House)のホーガン・ギドリー(Hogan Gidley)報道官は、「第1段階」の
合意内容を同じ時間枠で最終的にまとめることに期待感を示した。
APECはチリの決定を支持すると表明する一方、年内の別の場所での開催見通しについては言及せず、
来年2020年の首脳会議はマレーシアで開催予定と述べるにとどまった。
今年のAPEC首脳会議には、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も参加する
見通しだった。
また同国で12月2~13日に開催予定だったCOP25には、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ
(Greta Thunberg)さんら2万5000人の参加が見込まれていた。