カナダ、中国軍と共同開発したワクチンが臨床試験へ 医師が懸念示す
2020年05月22日 11時50分 THE EPOCH TIMES
2018年7月23日、中国南部の広西壮族自治区、融安の病院で、ワクチン接種を受ける子ども。この年、中国企業が欠陥のあるDTaPワクチンを25万本以上出荷し、20万人以上の子どもが被害を受けたことが明らかになり、中国を震撼させた。
中国軍と共同開発された中共ウイルスの実験的ワクチンを、カナダ人が接種することに
ついて、懸念を表明している医師がいる。
カナダの国家研究評議会(National Research Council、NRC)は5月12日、中国の
CanSino Biologics社と、同社の新しいAd5-nCoVワクチンの共同臨床開発計画を発表した。
CanSinoは中国軍と共同でこのワクチンを開発した。
カナダ保健省は、ダルハウジー大学のカナダワクチン学センターで実施される初の
臨床試験を承認した。同社はすでに中国でこのワクチンの臨床試験を行っている。
トロントに拠点を置く医師で、「Concerned Ontario Doctors」の代表でもある
クルビンダー・ギル(Kulvinder Gill)博士は、カナダ人が中国で開発されたワクチンの
被験者となることを心配している。
「カナダは文字通り全世界で唯一、中国のSARS-CoV-2ワクチンのこの非倫理的で早すぎる
臨床試験の実験台として自国民を提供している国です。このワクチンは、すでに世界で
疑いをもたれている中国共産党の軍隊と共同で開発されたものです」とギル教授は言う。
SARS-CoV-2は中共ウイルスの学名で、新型コロナウイルスとしても知られ、COVID-19を
引き起こす。
カナダ政府は、COVID-19用ワクチンの量産ができるようにするために、4400万ドルを
投じてNRCのモントリオール施設を改良している。NRCは2013年からCanSinoと共同研究を
行っている。
ギル教授は、ワクチン開発のプロセスを急ぐべきではないと述べ、米国立アレルギー
感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ博士のコメントを引用した。
ファウチ博士はこのほど「警戒しなければならないのは、ワクチンは実際に感染の
悪影響を強める場合もあるため、逆効果になる可能性もあるということです」と述べた。
ギル教授によると、ワクチンの開発には通常、何年もかかるという。
「この中国共産党のワクチンの臨床試験は尋常ではない速さで進んでいます」と彼女は
言う。「一般的なワクチンの開発サイクルは約10~15年です。記録されている中で最も
短いワクチン開発サイクルは4年で、それはおたふく風邪のワクチンでした」
また、中国はワクチンに関しては前科があるとギル教授は指摘する。
彼女によると、中国では近年、いくつかの大規模なワクチンスキャンダルが起きている。
2018年には、何十万人もの子どもたちが欠陥のあるワクチンを注射された。
「私が話をした同僚や他のカナダ人のほとんどは、中国共産党と何らかの関係がある
ワクチンとは全く関わりたくないと言っています。今までの感染拡大への(中国共産党の)
対応全般に強い不信感があるからです」と彼女は言う。
大紀元の報道によると、中国政府は少なくとも数日間、中共ウイルスのヒトからヒトへの
感染に関する情報を隠蔽し、ウイルスについて警告しようとした内部告発者を懲罰したと
いう。
国家研究評議会は2014年、中国政府の支援を受けたハッカーによる激しいサイバー攻撃を
受け、数億ドルの損害を被った。
ギル教授は、合法的なインフォームド・コンセント(告知に基づく同意)では、
中国共産党がワクチン開発に関与していることを参加者に伝えるべきだと考えている。
しかし、彼女は共同開発が完全に中止されることを望んでいる。
「私たちの政府は、この危険な試みを放棄し、代わりに信頼と倫理と透明性の重要性を
理解している同盟国とのワクチンの試験に資金を提供することが重要です」
大紀元は国家研究評議会とカナダ保健省に連絡を取ったが、本記事執筆時点までに
コメントは得られなかった。
カナダワクチン学センターの広報担当者は、「私たちはまだ最終的な承認を待っており、詳細な研究情報をまもなくお伝えします」と話した。