露外務省、マドゥロ大統領の出国にロシアが反対したとのポンペオ国務長官の発言を否定。

ロシア外務省のザハロワ報道官は1日、ポンペオ米国務長官が4月30日にCNNテレビで、
ベネズエラのマドゥロ大統領がキューバへの出国を試みたがロシアが反対したと主張したことに
ついて、CNNテレビに事実と異なっていると伝えた。
CNNテレビはザハロワ報道官のコメントとして「米国は全力でベネズエラ軍の士気喪失を試み、
情報戦争の一部としてフェイクを使用した」と報じた。
ポンペオ国務長官は4月30日、CNNのインタビューで、マドゥロ大統領が飛行機でベネズエラ
からの出国を試みたが、ロシア当局が反対したと主張した。
ポンペオ氏によると、米国はマドゥロ大統領がキューバへ逃亡する準備をしていたとする情報を
持っている。
この発言を受けてマドゥロ大統領は、ポンペオ氏を軽薄だと非難した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ロシアがマドゥロ大統領が退陣して困る訳。新政権になると、ロシアが投資は大損害を被る。
ロシアの巨額投資が危機 ベネズエラ情勢混迷で
【モスクワ】ベネズエラに多額の投資を行っているロシアは、トランプ米政権がベネズエラの
野党党首を暫定大統領として正式に認めたことを巡り、政治危機をあおっているとして非難した。
ロシア政府の報道官、ディミトリ・ペスコフ氏は記者団に対し「そのような介入は許容できず、
一層の悪影響をもたらす」と述べた。
ベネズエラでは23日、国民議会のフアン・グアイド議長が暫定大統領に就任すると宣言。
米国のほか、複数の中南米諸国もこれを支持した。一方、先の選挙で勝利したと主張する
ニコラス・マドゥロ氏は大統領職にとどまる意向を表明。米国とは断交すると主張した。
ペスコフ氏によると、ベネズエラから事態の沈静化に向けた支援の要請は受けていないとしている。
ベネズエラはロシアの主要パートナー国だ。ロシアは同国に巨額の投資を行い、マドゥロ政権を
支えてきた。マドゥロ氏が昨年12月にロシアを訪問した際も、ウラジーミル・プーチン大統領は
全面的に支援する旨をマドゥロ氏に伝えている。
1857年から国交があるロシアとベネズエラだが、近年では石油・ガス田を中心に、
貿易・経済の投資案件を共同で手掛けている。ロシア国営石油大手のロスネフチとベネズエラ
国営石油会社PDVSAは、ベネズエラで5件の石油プロジェクトを進めており、ロシアのタス通信が
連邦税関サービスのデータを基に報じたところによると、総生産量は年間900万トンと、
ベネズエラの産油量全体の7%に相当する規模だ。
税関サービスの統計によると、2018年1-9月における両国の貿易は7940万ドルと、
前年同期比でおよそ2倍に増えている。ロシアの対ベネズエラへ投資額は合計で41億ドル
(約4500億円)以上に上る。だがベネズエラ情勢が混迷を深めていることで、ロシアは巨額の
投資が報われないリスクに直面している。
マドゥロ政権が失脚し、グアイド政権が正式に発足した場合、ロシアがベネズエラとの関係を
絶つかは不明。ペスコフ報道官は、ロシアは「ベネズエラとの良好な関係を維持し、改善して
いくことに関心がある」とコメントしている。