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4月貿易収支2カ月連続黒字、予想上回る-自動車の対米輸出増加

2018-05-22 07:45:34 | 日本経済・輸出入

4月貿易収支2カ月連続黒字、予想上回る-自動車の対米輸出増加

2018年5月21日 10:21 JST   Bloomberg

 

    ◆  貿易収支は前年同月比30.9%増の6260億円の黒字

    ◆  輸出は7.8%増の6兆8223億円、輸入は5.9%増の6兆1963億円

 

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、4月速報で2カ月連続の黒字となった。市場予想も上回った。財務省が21日発表した。


キーポイント

     ・貿易収支は前年同月比30.9%増の6260億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は4400億円の黒字)-

   前月は7970億円の黒字

      2月の貿易収支は確報で従来の黒字から1億円の赤字に下方修正

      ・輸出は7.8%増(予想は8.7%増)の6兆8223億円と17カ月連続の増加-前月は2.1%増

      ・ 輸出数量指数は4.6%増と2カ月連続の増加

      ・輸入は5.9%増(予想は9.8%増)の6兆1963億円と2カ月ぶり増加-前月は0.6%減

 

背景

  世界経済の回復を受け、輸出は堅調に推移している。政府の月例経済報告は輸出について、15カ月連続で「持ち直している」との

判断を維持。日本銀行は4月の展望リポートで輸出は「増加基調にある」と分析し、先行きも「海外経済の着実な成長を背景に、

基調として緩やかな増加を続ける」との見方を示した。

 

  米国が導入した鉄鋼・アルミニウム関税を契機とした米中貿易問題は、輸出を回復のエンジンとする日本経済に影を落とす。

同関税は日本も対象となり、除外を働き掛けてきたが、3月23日から適用されている。経済産業省は18日、対抗措置を準備していると

世界貿易機関(WTO)に通知した。

 

  JFEホールディングスの林田英治社長は15日の報道各社とのインタビューで、日本製以外に代替品のない高級鋼板は持続的に

注文があるとし、日本が直接的に大きな損害を受けることはないとの見方を示した。一方、中国などが報復的な政策を取った場合は

「世界経済のスローダウンにつながり、非常にリスクはある」と述べた。


エコノミストの見方

     野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、輸出が市場予想を下回ったことについて「グローバル景気の先行きに対して弱めの

結果を示唆する」との見方を示した。4-6月に輸出が持ち直すという見通しに変化はないという。対米黒字の増加については

トランプ政権の圧力が「引き続きリスク」と述べた。


    大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、自動車と半導体等製造装置が回復するなど、1-3月期の輸出の減速が

一時的だと確認できたと分析した。輸入も原油高を反映すれば、持ち直す可能性があるとみている。

 

詳細

   ・自動車輸出は15.3%増、米向けは10%増

      米国含め世界的に1500-2000ccのスポーツタイプ多目的車(SUV)中心に増加と財務省

   ・半導体等製造装置の輸出は18.2%増-中国向け液晶デバイス製造装置が伸びたと財務省

   ・船舶の輸出は38.3%、マルタ向けのタンカーが寄与と財務省

   ・対米黒字額は4.7%増-輸出4.3%増、輸入3.9%増

     米国向け鉄鋼の輸出は数量ベースで13.1%増、価格ベースで13.7%増