アフリカで壊滅的食害もたらした害虫、アジアで初確認 食料安保に警鐘
2018年8月9日 23:32 発信地:ニューデリー/インド AFP
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【8月9日 AFP】アフリカ各地で作物に壊滅的被害を与えた米大陸原産の害虫が、アジアに侵入していることが判明した。
インドの科学者らが9日、発表し、食料の安全保障が脅かされるとして警鐘を鳴らしている。
インド農業研究会議(ICAR)の科学者らは、同国南部カルナタカ(Karnataka)州のチッカラバラプラ
(Chikkaballapur)地域で調査を行い、70%以上のトウモロコシでツマジロクサヨトウ(学名:Spodoptera
frugiperda)を確認したと発表。アジアでこの害虫が発見されたのは初めて。
また、非営利団体の国際農業生物化学センター(CABI)によれば、トウモロコシの他、コメや綿花、
サトウキビなどの180超の植物種も食害を受ける恐れがあるという。
ツマジロクサヨトウによる食害は、2016年にアフリカで初めて検知されて以降、40を超えるアフリカ諸国に広がり、
トウモロコシに大規模な被害をもたらした。トウモロコシは、アフリカおよびアジアの広い地域で食料の安全保障に
欠かせない作物となっている。
ツマジロクサヨトウのインドへの到達は、検疫システムをかいくぐり、人の手によって運ばれたとみられている。
ただ成虫は卓越風に乗って一夜で数百キロ移動できることから、自然の力によって海を渡った可能性もある。
ウェブサイトに掲載した報告書でCABIは、「アジア地域は気候条件が合っている上、トウモロコシ栽培が
盛んなことから、他のアジア諸国に食害が拡散する恐れがある。迅速な行動が必要だ」と指摘した。