複数の軍当局者がNBCに語ったところでは、空爆には米領グアムのアンダーセン空軍基地に配備されているB1爆撃機を使用。戦
闘機による護衛と電子戦機や空中給油機の支援の下、北朝鮮国内にある約24カ所のミサイル基地や実験場、関連施設などを攻撃
するとしている。
米空軍は5月末から今月8日にかけて、B1爆撃機をグアムから朝鮮半島上空などに飛ばす予行演習を計11回にわたって実施して
いる。うち数回は航空自衛隊と韓国空軍の戦闘機がB1を護衛する共同訓練を行った。
B1爆撃機は、爆弾や射程千キロ以上の長距離空対地ミサイル(JASSM-ER)などの通常兵器を最大約60トン搭載することがで
きる。グアムには現在、6機のB1が配備されている。
北「グアムに4発」、防衛相「存立危機事態も」
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、金絡謙(キムラクキョム)朝鮮人民軍戦略軍司令官が「米国に厳重な警告を送るため」として、
中長距離弾道ミサイル「火星12」4発を米グアム島周辺に同時発射することを慎重に検討していると発表したと報じた。
小野寺防衛相は、北朝鮮が米軍基地のあるグアムに向けてミサイルを発射した場合、集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事
態」に当たりうるとの見方を示した。
10日午前の衆院安全保障委員会の閉会中審査で答弁した。
小野寺氏は「(日本の防衛力と米国の打撃力の)両方があって日本の抑止力が高まることを考えると、米側の打撃力が欠如すること
は日本の存立の危機にあたる可能性がないとも言えない」と述べた。さらに、「具体的な想定での話をする状況ではない。総合的な事
態を勘案する中で、どの事態と判断するかは政府全体で共有していきたい」とも指摘した。
朝鮮中央通信によると、ミサイルが発射されれば、日本の島根、広島、高知県上空を通過する。小野寺氏は日本政府の対応につい
て、「一義的には海上自衛隊のイージス艦で日本全体を守れるよう努力している。日本全国が安心できるような体制を構築していく」と
述べた。
日本のミサイル防衛は、イージス艦に搭載された迎撃ミサイル「SM3」で撃ち漏らした場合、地上の地対空誘導弾「PAC3」が撃ち落
とす態勢を取っている。
これに関連し、菅官房長官は10日午前の記者会見で、「地域や国際社会の安全保障に対する明らかな挑発行為であり、断じて容認
できない。(北朝鮮には)国際社会が繰り返している強い警告と非難を真摯(しんし)に受け止め、さらなる挑発行動の自制を強く求めた
い」と強調した。そのうえで、「高度な警戒監視態勢を維持し、緊張感を持って平和と安全の確保に万全を期していきたい」と述べた。