華字メディア・日本新華僑報網は9月30日、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で中止になった

企画展「表現の不自由展・その後」をめぐる騒動を取り上げ、「日韓関係が再認識できる」と伝えた。

今年8月1日に始まった同企画展では、慰安婦を象徴する少女像など一部の展示に抗議や「ガソリンを

持っていく」などの脅迫が寄せられたため3日で展示を中止した。展示内容をめぐっては、愛知県の

大村秀章知事と名古屋市の河村たかし市長が意見の対立を見せた。「あいちトリエンナーレ」の

実行委員会と不自由展の実行委は9月30日、展示再開で合意。一方、文化庁は同月26日に

「手続きの問題」を理由に「あいちトリエンナーレ」への補助金を不交付としていた。



記事はこうした背景を紹介した上で、「今回の騒動が物議を醸したことは、韓国の慰安婦問題に対する

日本の態度を体現している」と指摘。「日本政府は慰安婦問題について、『すでに謝罪し、賠償し、

決着した。なぜ韓国人はまだ絡んでくるのか』と考えている」とし、「問題は、日本は侵略戦争の

加害者として、被害者の感情を理解しないままでは、一度の謝罪、一度の賠償で徹底的に解決する

ことはできないということ。これはまさに、“戦争後遺症”の複雑さだ。日本は一度また一度と謝罪し、

一度また一度と賠償していく必要がある。歴史の和解には行動と忍耐力が必要だ」と主張した。



さらに、「今回の騒動は苦難の中にある日韓関係に負の影響をもたらすもの」とし、「訪日韓国人

観光客は大幅に減少している。銃声のない貿易戦を戦い、双方の経済交流は深刻な損失を被っている。

韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄し、日米韓の“準軍事同盟”に亀裂を入れた。

韓国は日本と主権を争う独島(日本名:竹島)でも頻繁に動きを見せている」などと紹介。

「この“文化事件”の歴史問題化は、日韓の草の根交流をも損なうものだ」と論じた。

一方で、安倍昭恵夫人と韓国の金正淑(キム・ジョンスク)夫人がハグや手つなぎなど、親密な様子が

伝えられたことにも言及し、「これは間違いなく、外界により感性に訴えるシグナルを発した。

それは、日韓関係がどれほど動揺しても深い交流は必要であること。そして、互いの核心的な利益を

把握すること、両国関係を東アジアの関係、ひいてはアジア太平洋地域の中で考え、戦略的に高度な

処理を行う必要があるということだ」と論じた。