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一帯一路を牽制、マハティール氏の老獪な中国戦略

2018-08-24 11:17:00 | 中共日本浸透工作・中共浸透工作・一帯一路・中国経済侵略

「新植民地主義望まぬ」 訪中のマハティール首相が中国を牽制 友好的な対中政策継続も強調

2018.8.20 22:28   産経新聞


【北京)中国を訪問しているマレーシアのマハティール首相は20日、北京で習近平国家主席らと会談した。

マハティール氏は李克強首相との会談後の共同記者会見で、中国が進める経済圏構想「一帯一路」の関連事業中止を

念頭に「われわれの財政上の問題について、中国側の理解を得られると信じている」と述べた。


 マハティール氏は5月に首相に返り咲いて以降、ナジブ前首相=収賄罪などで起訴=が進めた総事業費

約200億ドル(約2兆2千億円)の「東海岸鉄道」(ECRL)など中国主導のインフラ計画を相次いで中止。

対中依存を深め、負債を増加させたとして前政権への批判を強めてきた。20日の記者会見でマハティール氏は

「新たな植民地主義は望まない。貧しい国が豊かな国と競うのは困難だ」と述べ、中国を牽制(けんせい)した。

 

 一方、中国はマレーシアの最大の貿易相手国であり、本格的な関係悪化を避ける必要もある。マハティール氏は

共同記者会見で、自らの政権が「友好的な対中政策」を継続することを強調した。


 中国側としても、米国との貿易摩擦が激化する中で周辺国と波風を立てることは極力避けたいのが本音だ。

李氏は、マハティール氏の訪中によって「(両国が)友好を継続する積極的なシグナルを世界に向けて発信できる」

と言明。マレーシアの農産物の輸入を大幅に増加させる意向を示すなど、両国が友好関係の継続を演出した。


 マハティール氏は18日、中国電子商取引最大手アリババ集団が拠点を置く浙江省杭州(こうしゅう)を訪問し

、自ら馬雲(ジャック・マー)会長にマレーシアとの協力強化を要請。さらに杭州から空路で直接北京に向かう

当初の予定を変更し、上海まで高速鉄道を利用する“パフォーマンス”も見せた。

 

一帯一路を牽制、マハティール氏の老獪な中国戦略

 2018年8月23日 / 13:50 /    REUTERS Clara Ferreira-Marques=「Reuters Breakingviews」のコラムニスト

[シンガポール 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - マレーシアのマハティール首相には、中国への妥協案が

あるようだ。中国の経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」ならぬ、データ量の単位である「一バイト一路」とでも

呼ぶべきものだ。

 

5月に再任されて以来初となる同首相の中国訪問は、北京や上海ではなく、電子商取引大手アリババ・グループ・

ホールディング(BABA.N)本社のある浙江省杭州から17日スタートした。ここでの訪問先には自国企業との

提携拡大を決めた自動車メーカー吉利汽車(ジーリー)(0175.HK)も含まれた。


これはインフラと引き換えにテクノロジーを得るために93歳の首相が描く賢明な戦略と言えるかもしれない。


地理的な近さや、ナジブ前首相との緊密な関係もあり、中国の習近平国家主席が推進するシルクロード経済圏構想

「一帯一路」にとって、マレーシアは重要なパーツとなっていた。


だがマハティール首相は、南シナ海とマラッカ海峡を結ぶ総事業規模200億ドル(約2兆2000億円)の

鉄道計画を白紙に戻す考えをちらつかせ、その前提を揺さぶっている。


そのレトリックのほとんどは、ただのポーズだ。6月に行われた初めての外遊先に、中国ではなく日本を選んだことも

同様だ。


訪中の内容を見れば、マレーシアと中国の和解がどのように進むのか、その輪郭をつかむことができる。


それは、マハティール首相が20日、北京での習主席との記者会見で語ったように「新たな植民地主義」を

避けるために大規模プロジェクトの費用削減を進める、というだけではなく、衰え始めた3000億ドル規模の

自国経済にテクノロジーによる押上げを図るというものだ。


マレーシアが得るものは明らかだ。輸出品の大半がサプライチェーンの中流に位置する同国は、隣国タイや

急成長するベトナムに遅れを取っている。また、不平等問題に対処するため、賃金や生産性の引き上げも急務だ。


第2・四半期のマレーシアの経済成長率は4・5%と、2016年第4・四半期以来の低い水準に沈んだ。

アリババや、国内自動車メーカーのプロトンに出資する吉利汽車などの中国企業は、同国経済テコ入れの助けと

なるだろう。鉄道や道路建設の費用負担が軽減され、観光客の増加が続けば、なおさらだ。


中国側にも利点はある。電子商取引などを立ち上げ、東南アジアに事業拡大するためには、マレーシアは格好の場所だ。

吉利汽車がプロトンの海外展開を後押しすることで、同社はローエンドの自動車市場に訴求しやすくなるだろう。


政治的なリスクは、まだ残っている。例えば、政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」を

巡る不正資金流用疑惑の中心人物とされ、逃亡中の資本家ジョー・ロウ氏の件だ。

米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、マレーシア政府はロウ氏が中国に潜伏していると確信している。


とはいえ、現段階において、マハティール首相は正しい路線を歩き出している。

*筆者はです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

 


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