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<新型肺炎・武漢肺炎>新型ウイルス 封鎖から1か月 先行きの見えない街。 中国 武漢

2020-02-23 14:01:35 | 医療・疾病・疫病・パンデミック・新型コロナウイルス

新型ウイルス 封鎖から1か月 先行きの見えない街 中国 武漢

2020年2月23日 7時28分   NHKニュース

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200223/k10012297631000.html

 

新型コロナウイルスの感染が広がっている中国で状況が最も深刻な湖北省武漢では、

事実上、街が封鎖される措置がとられてから23日で1か月になります。住民は外出を

厳しく制限されるなど不自由な生活が続き、先行きへの不安が広がっています。

 

中国の保健当局によりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、これまでに

7万6000人を超え、死亡した人は2345人に上っています。

 

これまでに2万人余りが症状が回復して退院した一方、状況が最も深刻な湖北省では

依然として2500人近くが重体となっています。

 

湖北省武漢では感染拡大を抑え込むため、空港や駅、高速道路などが閉鎖され、

事実上、街が封鎖される措置がとられてから23日で1か月になります。

住民は外出を厳しく制限され、不自由な生活を強いられているほか、一部の食料品は

手に入りづらく、価格も高騰しているということです。

 

中国のほかの地域では新型コロナウイルスの影響で停滞していた企業活動が徐々に

再開する動きも出ていますが、湖北省では企業活動の再開が来月11日まで延期され、

住民の間では不自由な生活に加え仕事もできないことから、先行きへの不安が広がって

います。

 

感染患者は退院後も14日間隔離

湖北省武漢の当局は、新型コロナウイルスに感染した患者について、22日から、症状が

回復して退院したあとも14日間、当局が指定した場所に隔離して経過を観察すると

発表しました。

 

中国では四川省成都で、新型コロナウイルスの感染者が、退院したあと自宅で隔離

されていましたが、10日後に再びウイルスの陽性反応が出たケースがあったため、

対策を徹底するねらいがあるとみられます。

 

まん延抑えられた可能性も。 中国研究機関

中国で感染が広がる新型コロナウイルスをめぐって、中国の研究機関がウイルスの

遺伝情報を解析した結果、感染源は湖北省武漢にある海鮮市場ではないとしたうえで、

先月初めのウイルスの拡散時期に幅広く注意喚起が行われていれば、世界的なウイルスの

まん延は抑えられた可能性があると指摘しています。

 

これは、中国・雲南省にある政府系の研究機関、「中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園」

が、中国の大学などとの共同研究の結果としてホームページ上で公表したものです。

 

それによりますと、この研究機関などが12の国に拡散した93の新型コロナウイルスの

遺伝情報について解析したところ、当初、感染源であるとされた湖北省武漢の海鮮市場で

見つかったウイルスはほかの場所から入ってきたもので、それが市場の外に急速に

拡散していったことが分かったということです。

さらに、患者の発病時期などから類推しても、海鮮市場がウイルスの発生源ではないと

証明づけられるとしています。

 

また、研究では、これまでに、去年12月8日と1月6日の2度にわたってウイルスが

幅広く拡散した時期があったということです。

このうち、12月8日の拡散時期から判断すると、ウイルスは12月初めか、早ければ11月下旬

には、すでにヒトからヒトへの感染が始まっていた可能性があると指摘しています。

 

また、1月6日の拡散時期に幅広く注意喚起が行われていれば、先月中旬以降の世界的な

ウイルスのまん延は抑えられた可能性があると指摘しています。

 

「団地から出ることができなくなった」

武漢に住む人たちは、感染拡大を防ぐため、当局の規制で行動が制限され、不自由な

生活を強いられています。

 

このうち、武漢中心部のマンションに50代の両親と暮らす30歳の女性は外出について、

「3、4日前から突然厳しくなり、団地から出ることができなくなった。すべての団地

から外に出ることができなくなった」と話しています。

通常、交通量が多い自宅の前を通る片側4車線の道路も通行する車などはほとんどなく、

「3、4日前、自宅から数百メートル離れたスーパーに父と行ったが、警察が巡回していて

道には誰もいなかった」と話していました。

団地の中には食品などを扱う商店があり、21日、店の様子を見たところ、卵などは

あったものの、店内の棚には商品がほとんどなく、「在庫がとても少なく、インスタント

ラーメンなどはなくなっていた」と話していました。

 

団地内では徹底した消毒が行われているということで、「団地では以前より多く、

エレベーターは2時間に1度消毒している。団地内の道路、ゴミ箱、植え込みなども

消毒している」と話していました。

 

現在、食料などは団地の住民でまとめて購入するよう規制されていますが、女性は

数日前にスーパーに行き、食料を買いだめしたということで、自宅の冷蔵庫の中は

白菜などの野菜で埋まっている状態です。

 

ただ、女性は、「野菜や肉、コメ、油といった基本的な食品は足りているが、質や価格は

以前と比べることはできない。今、買い物は住民がまとめて注文する方式だが、

買えるのは野菜や肉などだけで、調味料などは買うことができない」と、自由に食材

などを買うことができない状態が続いていると話していました。

女性は会社に行けない状況が続き、先行きに不安があるということで、「早くよく

なってほしい。3月になり、新たな感染者や死者が大幅に減って、湖北省の制限も

徐々に解除してほしい」と話していました。

 

「仕事ができず、給料も受けとれない」

武漢中心部の団地に暮らす30代の男性は、NHKの電話インタビューで、不自由な生活が

強いられている状況を語りました。

この中で男性は、「先月23日に封鎖が始まった当初は、外出して買い物をすることもでき

た。しかし、最近は団地ごとに厳格な封鎖が行われるようになり、団地の外には基本的に

外出できなくなった」と話していました。

また、買い物については、「ネットスーパーで買うことはできるが、かなり前もって

予約しないといけないし、配送にも時間がかかる。人脈を頼って野菜や生活用品の

まとめ買いをする人もいる」と話していました。

男性が22日、団地の内部で撮影した写真には、米や野菜などの食料の配送を呼びかける

貼り紙も見られます。男性は武漢市内で食品関連の仕事をしていますが、失業する

のではないか心配しているということで、「武漢の封鎖以降、仕事ができなくなり、

給料も受け取れなくなった。復職できる希望もなくなった」と話していました。

そして、「企業活動の再開が決まったとしても、多くの人たちが武漢に戻ってこない

ことが懸念される。どの業種も再開しても利益が得られず、大量のリストラが生まれる

だろうし、倒産するところもあるだろう」と話していました。

 

「医療従事者や施設が確実に不足」

中国版ツイッター、ウェイボー上では、湖北省武漢の人などが十分な治療を受けられて

いないと窮状を訴える声が相次いで投稿されています。

 

このうち、80代の親族の男性が新型コロナウイルスに感染して重篤な状態となり、

重症患者を受け入れる重点病院に転院させることを希望しているという女性が、

22日、NHKの電話インタビューに応じました。

女性は、「親族が転院できるように病院に連絡を取り続けているが、今のところ解決

する方法はなく、医療従事者や施設が確実に不足している。高齢の親族の命を

なんとかして救いたい。それだけが願いです」と訴えていました。

 

一方、ウェイボー上では、武漢では新型コロナウイルスの感染者だけではなく、別の

持病などを抱える人も病院で適切な治療を受けることができなくなっていると訴える声

も相次いでいます。

 

この中には、重い糖尿病を抱えた人が適切な治療を受けるために各地の病院に問い合わせた

ものの、入院できる病院がなく、人工透析もできないため、危険な状態になっている

などと助けを求める人もいました。

 

学校再開できず オンライン教育ニーズ高まる

新型コロナウイルスの感染が広がっている中国では、各地で学校再開のめどが立たない中、

インターネットを通じて生徒に授業を行うオンライン教育のニーズが高まっています。

このうち、中国各地でオンライン教育を手がける「精鋭教育集団」は、感染拡大が

最も深刻な湖北省武漢の小中学生などに対して、無料でオンライン授業を受けられる

サービスを今月1日から始め、これまでに延べ10万人近くが利用したということです。

このうち、ライブの授業では、教師たちが専用のアプリで現地の生徒たちとつないで

数学や国語などの授業を行い、生徒から質問もできるようになっています。

 

一方、受験を控えた中高生などの間では、教師と生徒が1対1で行う有料の授業にも

人気が高まっているということです。

 

武漢に住む高校1年生の鄭遠儀さんは、学校が再開しない中、週に1回ずつ数学と

英語のオンライン授業を受けていて、「成績が落ちたり、勉強についていけなく

なるのが心配です。先生は自分に合わせた問題を教えてくれるので、勉強の効率は

高まると思います」と話していました。

鄭さんは1か月以上外出していないということで、「友人が感染していないか心配です。

早く街を出歩いたり、学校に戻って同級生と会いたいです」と話していました。

 

「精鋭教育集団」の張煕CEOは、「受験を控えた中高生は試験が延期されるのか

どうかもわからず、非常に焦りを募らせています。オンライン教育は感染拡大が

続く中でもあらゆる学生が学習を進められ、学生や家族にとって大きな後押しになると

思います」と話していました。

 

中国では旧正月の「春節」の休みのあとも各地で学校の再開を延期する動きが相次ぎ、

いつ再開できるのか、めどが立たない状態が続いています。

 

中国政府は今月17日から全国の小中学生を対象に、授業の動画や教材を閲覧できる

サイトを開設したほか、各地の地元政府などがオンライン授業の取り組みを進めて

いますが、使いづらく、十分に学習の効果が上がらないといった指摘も出ています。

 


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