【社説】北の「南侵」「世襲」「人権」を教科書で教えたくない韓国政府
2018/02/06 11:03 朝鮮日報
2020年から中学・高校で使用される歴史教科書について、韓国政府が取りまとめた執筆基準試案の内容が明らかになったが、
その中で「北朝鮮による6・25(朝鮮戦争)南侵」や「北朝鮮の世襲体制」「北朝鮮の人権」などの用語が全てなくなっていたことが
分かった。「6・25南侵」や「北朝鮮の人権」などの用語は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の2007年から10年以上にわたり執筆
基準に記載されていた。大韓民国が進むべき方向を「自由民主主義」から「自由」を削除し「民主主義」とのみ規定した与党改憲案の
波紋が広がる中、今回新たに教科書の問題まで浮上したのだ。
現行の教科書執筆基準には「6・25戦争については北朝鮮による違法南侵を明確にする」と記載されている。
ところが韓国教育部(省に相当)が教育課程評価院を通じて現在作成作業中の新教科書試案には「6・25戦争の背景と展開の過程を見る」
としか書かれておらず、誰が戦争を起こしたかはあいまいなままだ。旧ソ連の極秘文書が公開された時点で、それまで明確でなかった
北朝鮮による南侵を見直そうとするいわゆる「修正主義史観」は全てその根拠を失ったはずだ。ところが他でもない韓国国内で
北朝鮮の南侵を隠そうとする勢力が再び動き出している。
すでに現行の一部教科書でも6・25戦争の責任はあいまいに記載されているが、今度は執筆基準までそのような形に変えようというのだ。
このままだと韓国の子供たちは6・25戦争を誰が始めたのかさえ知らなくなるだろう。教育部はさらに「世界史的な奇跡」である
大韓民国の経済成長を「政経癒着」によるものと規定し、韓国の農村を発展させ世界に広がりつつある「セマウル運動」も最初から
教科書に入れないことにした。
これらの試案を作成した研究チームは歴史学の大学教授や教師など20人からなるそうだが、その中には国定教科書に強く反対した
人物もいるようだ。彼らがあれほどまで執拗(しつよう)かつ暴力的な手段で国定教科書に反対する運動を続けた理由は、左翼偏向の
教科書を使って他人の家の子供たちを洗脳するためだったのだ。