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【朝鮮日報社説】北朝鮮の核兵器も毒ガスも眼中にない文在寅氏

2017-02-27 16:21:14 | 韓国

【社説】北朝鮮の核兵器も毒ガスも眼中にない文在寅氏

 2017/02/27 10:16    朝鮮日報

 韓国における次の大統領選挙の有力候補者の中で、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は今なお支持率が最

も高いが、その文氏が国連安保理決議に反する可能性が高い発言をまたも繰り返した。文氏は今月22日、京畿道安城市で行われた

農業関係者との意見交換会で「次の政権で南北問題を必ず解決し、北朝鮮を通じて(米の在庫問題を)解決することが必要だ」と発言

し、韓国の米と北朝鮮の鉱物資源との交換に言及した。文氏は「われわれは米余り問題を解決でき、同時にレアアースを国際的な相

場よりも安く買い入れることができる」「これが最も根本的な解決策になる」などと訴えた。


 北朝鮮は2016年1月に4回目の核実験を行ったが、それから2カ月後の昨年3月、国連は2270号決議を採択し、これによって金や

チタンなど北朝鮮の鉱物資源やレアアースの取引が全面的に禁じられた。昨年9月に北朝鮮が5回目の核実験を行った後の昨年11

月に採択された2321号では、民間向けを含む石炭取引の総量や金額も厳しく規制された。中国政府がつい先日、北朝鮮からの石炭

輸入を中断したのもこの決議に基づくもので、国際社会の制裁は北朝鮮の現金収入を断ち切り、核兵器やミサイル開発をできなくする

のがその目的だ。このように国際社会が北朝鮮に対する制裁に取り組む中、文氏が北朝鮮からのレアアース輸入に言及した。文氏は

「南北問題を必ず解決して」という前提で発言したと弁解しているが、今大韓民国は北朝鮮の核開発やテロなどで非常事態にあること

から、文氏の発言は現状への認識があまりにも甘く、また無責任と言わざるを得ない。しかも文氏は次の大統領選挙に当選すれば、

開城工業団地や金剛山観光を直ちに再開する意向もすでに明らかにしている。もしこれらが本当に再開されれば、北朝鮮に年間2億

ドル(約224億円)の現金が転がり込むことになる。


 国連決議違反との批判を受けた文氏は、明確な説明は避けたまま「従北(北朝鮮に従う、の意)のレッテル貼りだ」などと的外れな反

論を行っている。文氏はこれとは別に、先日もやはり「南北関係が改善されれば」との前提付きながら「開城工団を従来の10倍規模に

まで拡大する」と発言している。北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、今回は化学兵器を使ったテロまで行った。これに対して中国が北朝

鮮からの石炭輸入を中断するなど、韓半島(朝鮮半島)を取り巻く情勢はこれまでになく激変している。文氏の発言が深刻な点は、われ

われを取り巻く一連の現状から顔を背け「大統領選挙で当選すれば」「直ちに」などと繰り返し言及している点だ。


 文氏は昨年12月「私はためらいなく言う。(米国よりも)北朝鮮を先に訪問する」と発言した。文氏は「事前にその必要性について米

国、日本、中国にも十分説明する」とは言ったものの、北朝鮮の核兵器問題もミサイル問題も全く解決されていない。そのため文氏の

発言が実行されれば、北朝鮮に一息つかせる余裕を与えるのは明らかだ。このように文氏は北朝鮮への宥和(ゆうわ)政策を主張して

はそれを弁解し、安全保障政策の批判には逆ギレするばかりだが、その間にも北朝鮮は次々と挑発行為を続けてきた。また国際社会

は北朝鮮が保有する化学兵器も核兵器に匹敵する脅威と考え始めている。ところが文氏は北朝鮮に対する制裁や圧力について国民

に一言も説明したことがないが、おそらく文氏は制裁について最初から関心などないのだろう。このような文氏の考え方こそまさに国際

社会の流れに逆行するものだ。これについて文氏は本当に何も感じていないのだろうか。