ノーベル賞・大村智氏開発の薬 新型コロナに“抑制効果”
2020年4月7日 火曜 午前6:24 FNN PRIME
ノーベル賞を受賞した大村智氏が開発した抗寄生虫薬が、新型コロナウイルスの抑制に
効果があることがわかった。
オーストラリアのモナシュ大学の研究チームは、寄生虫による感染症の治療薬として
使われる「イベルメクチン」を、試験管の中で新型コロナウイルスに投与したところ、
48時間以内にウイルスが増殖しなくなったと発表した。
イベルメクチンは、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授が
開発した抗寄生虫薬で、研究チームは今後、臨床試験を急ぐ方針。
図:インポーチン(IMP)のα/β1ヘテロ二量体(IMPα/β1)は細胞質内のコロナウイルス・カーゴタンパク質(coronavirus cargo protein)に結合し(①)、核膜孔複合体(Nuclear Pore Complex:NPC)を通って核内に輸送される(②)。核内で複合体は解離し(③)、宿主の抗ウイルス応答を抑制し、ウイルス感染を亢進する(④)。駆虫薬のイベルメクチンはIMPα/β1ヘテロダイマーに結合して不安定化し、IMPα/β1がウイルスタンパク質に結合するのを阻害し(⑤)、核に入るのを阻止する(⑥)。その結果、抗ウイルス応答が増強され、感染が阻止される(⑦)。(出典:The FDA-approved Drug Ivermectin inhibits the replication of SARS-CoV-2 in vitro. Antiviral Research, Available online 3 April 2020, 104787)
関節リウマチ薬を臨床試験 中外製薬、新型コロナ
2020.4.8 23:18 産経新聞
トシリズマブ(商品名アクテムラ)(中外製薬提供)
中外製薬は8日、新型コロナウイルスが引き起こす肺炎に対して、関節リウマチ
治療薬「アクテムラ」の臨床試験を国内で実施すると発表した。入院した重症患者を
対象に、有効性や安全性を確認する。臨床試験の詳細な内容や規模は今後決定する。
アクテムラは炎症を起こす仕組みを抑える効果がある薬で、中外製薬が開発し
2005年に販売を始めた。海外ではスイス製薬大手ロシュ社が販売しており、
日本以外で新型コロナウイルスによる肺炎に対し治験を行う。