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南米の香港? キューバの反政府デモで死者、100人以上拘束の情報も / 茂木外相、キューバ訪問中止 大規模抗議デモ理由か

2021-07-19 14:01:25 | 戦争・内戦・紛争・クーデター・軍事介入・衝突・暴動・デモ

キューバの反政府デモで死者、100人以上拘束の情報も

2021年7月15日 11時30分    朝日新聞 サンパウロ=岡田玄、ワシントン=高野遼

 

Al Jazeera English

 

 異例の反政府デモがあったキューバの内務省は13日、市民を複数拘束し、1人が死亡したと発表した。

反政府グループは行方不明者が100人を超すとしている。同日にはまた、首都ハバナなどでインターネット

接続が制限された。

 

 内務省は、ハバナ郊外で暴徒となった複数の市民を拘束したとし、この際、住民の男性(36)が死亡

したと発表した。一方、政府を批判するグループがツイッターに投稿した情報では、13日正午までに

130人が拘束されるなどして行方不明になったという。また、スペイン紙ABCは、同紙のハバナ支局に

勤務するキューバ人記者が12日に逮捕されたと報じた。

 

 現地からの情報によると、ハバナ中心部や内陸部などで13日、インターネットやSNSが使えなくなった。

一部地域では12日から接続できず、11日の反政府デモで多くの人が集まった場所が多いという。

各国のネット接続状況を監視する団体も、キューバ国内で12日から、国営通信会社のサーバーが機能せず、

フェイスブックやインスタグラムなどSNSへの接続が制限されたと報告した。インターネット上の検閲を

回避する仮想の専用回線VPNを設定すれば、接続できたという。

 

 SNSには11日のデモ関連とされる動画が多く投稿されている。警察官や私服警察官とみられる男たちが

デモに参加した市民を殴る動画や、「デモ後に行方がわからなくなった子どもを捜している母親たち」と

名付けられた、警察署前に集まった女性たちの動画などだ。情報の共有を阻もうとキューバ政府が

インターネット接続を遮断した可能性がある。

 

 一党支配するキューバ共産党は12日、党中央委員会政治局が会議を開いた。引退したラウル・カストロ

前党第1書記も出席したと政府系メディアが報じた。会議では11日のデモについて「米国によって組織

され、資金提供を受けた反革命分子による挑発行為」と分析したという。国営メディアは、デモに

「数百人が参加した」と報道しており、全国各地で数千人が参加したと報道する外国メディアと大きく

開きがある。

 

 一方、キューバのデモについてバイデン米大統領は12日の記者会見で「米国は普遍的な権利を主張する

キューバの人々を強く支持する。キューバ政府には、人々の声を封じ込める行動や暴力を控えるよう

求める」と述べた。

 

 また国務省のプライス報道官は13日の会見で「キューバ政府はインターネット遮断や暴力、ジャーナ

リストや活動家らの恣意(しい)的な拘束などの抑圧的な方法によって人々の声を封じ込めようとして

いる」と強い懸念を表明。平和的なデモによって拘束された人々を釈放するよう求めた。

 

 

米国の裏庭、カリブ海で相次ぐ異変 キューバ反政府デモ、バイデン政権板挟み ハイチ大統領暗殺、進展見極め

2021年7月17日 05時59分    東京新聞

【ニューヨーク】カリブ海の島国キューバとハイチで相次いだ異変が、バイデン米政権を悩ませている。

キューバとは20日で国交回復6年となるが、反政府デモの発生を巡り、米国内の対キューバ政府強硬派

と融和派との板挟みに。ハイチでは大統領暗殺後の権力の行方を見極めながら、混乱回避に向けた支援が

求められている。


◆選挙にらみ「失敗国家」の制裁緩和に難色


 「残念ながら失敗国家だ」。米メディアによると、バイデン大統領は15日の記者会見で、大規模デモ

が起きたキューバについてこう述べた。11日のデモ以来、参加者への支持を繰り返す一方、同国政府を

極めて強く非難した形だ。

 バイデン氏はキューバと2015年7月に国交を回復したオバマ政権時の副大統領。昨年の大統領選

では経済制裁を強化したトランプ前大統領の路線を「キューバの人々に害を与えた」と否定していたが、

就任後半年の今も関係改善への動きはない。「失敗国家」と呼んだこの日も、米国からキューバへの送金

規制の緩和に難色を示した。

 背景には、国内の対キューバ強硬派への配慮があるとされる。バイデン氏は大統領選の大票田フロリダ

州で敗北。米メディアによると、共和党陣営が「バイデンは社会主義者だ」とする情報を流し、母国の

社会主義体制を嫌うキューバ系の票がトランプ氏に流れたのが敗因の一つとなった。


 来年には中間選挙がある。キューバの経済難に端を発した今回のデモを受け、制裁緩和に動けば共産

独裁政権寄りと見られるのは必至。半面、融和的な公約に反するトランプ路線の維持も声高に主張でき

ない状況だ。

◆捜査支援も事件の背景は不明

 一方、バイデン政権がキューバとともに「注意深く監視している」(国土安全保障省)と警戒するのが

ハイチだ。モイーズ大統領暗殺後の混乱で不法移民の急増などを懸念する。


 米国は地域最貧国ハイチへの最大の支援国。20世紀前半には米軍が占領した歴史もあり、米国内には

約100万人のハイチ系住民がいる。バイデン政権は事件後、ハイチ側の要請に応じる形で専門家チーム

を現地に派遣し、情報収集や捜査支援を始めた。

 

 だが、事件の背景や動機はなお不明。次期指導者はジョゼフ暫定首相と事件直前に首相指名を受けて

いたアンリ氏、上院議長ランベール氏の誰になるか混沌としている。米国としては「政治的主導権の

行方は明確ではない」(サキ大統領報道官)と深入りを避けながら、捜査と権力移行の進展を見極めて

いる。

 

茂木外相、キューバ訪問中止 大規模抗議デモ理由か