中国「韓国大使が一帯一路に積極参加の意向」、韓国政府は否定
2019/05/30 11:16 朝鮮日報
中国外務省が28日、韓国の張夏成(チャン・ハソン)駐中大使ら7カ国の大使が習近平国家主席に
対し、中国政府の「一帯一路」構想に積極的に参加する意向を示したと発表し、韓国国内で論議を
呼んでいる。米国が中国通信設備大手、華為技術(ファーウェイ)に制裁を加えるなど米中の対立が
高まる中、韓国の駐中大使が米国の「インド太平洋戦略」と衝突する「一帯一路」に賛同する意向を
示したことになるからだ。しかし、韓国政府はすぐさま否定した。
張大使は同日、チャド、コロンビア、チェコ、スイス、ノルウェー、スウェーデンの大使と共に
北京の人民大会堂で習主席に信任状を奉呈した。習主席が歓談の席上、大使らに「一帯一路の建設に
同調してほしい」と述べると、一部大使がそれに応じたとされる。
この場面について、中国外務省は「(韓国など)外国の大使らが(今年4月に開かれた)第2回
一帯一路国際協力サミットフォーラムの成功を心から祝い、一帯一路建設に積極参加し、相互利益と
協力を拡大していくことを望むと述べた」と発表した。
しかし、韓国外交部(外務省)は29日、「中国側の発表は張大使以外の他の大使の歓談内容を
総括して説明したものだ」と説明した。張大使は一帯一路への参加意向を特に示さなかったことになる。
外交部関係者は「張大使と習主席の歓談は、両国関係をさらに発展させるために緊密に協力して
いこうという趣旨だった」と話した。
中国政府は3月末にも李洛淵(イ・ナギョン)首相が中国の李克強首相に「韓国は一帯一路の
共同建設に積極的に参加することを望んでいる」と発言したと発表した。しかし、韓国政府は
「そういう発言はしていない」と否定し、論議を呼んだ。
外交関係者からは「米国の誤解を避けるためにも、韓国政府が中国の一方的な発表方式に公式に
問題提起を行うべきだ」との指摘が聞かれる。
韓国外交部は一帯一路について、「韓国政府の『新南方・新北方政策』と各国・地域の構想の接点を
模索し、協力を推進していく」との立場を示した。