ソニー、レコード国内生産を29年ぶり再開 人気再燃受け
ソニーが日本国内でアナログレコードの自社生産を29年ぶりに再開へ。
2017年06月29日 11時41分 IT media NEWS
ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は6月29日、日本国内でのアナログレコードの自社生産を29年ぶりに再開すると発表し
た。同社子会社のソニーDADCジャパンのディスク製造工場(静岡県)にレコード用のプレス機を導入し、2017年度中の生産、受注開
始を目指す。
アナログレコード用プレス機
SMEは今年2月、東京都内のレコーディングスタジオに、ラッカー盤に溝を刻むカッティングマシンを導入し、収録したその場で原盤
(マスター)を制作できる環境を整えた。自社でマスター制作からプレス製造までを一貫して行う。
同社は1989年、国内でのレコード自社生産を終了。29日現在、日本国内でアナログレコードを生産しているのは、
東洋化成(神奈川県横浜市)のみ。89年以降、ソニーはレコードを製造する場合、東洋化成や海外企業などに外注していた。
具体的な販売タイトルなどは未定。SME広報部によれば「おそらく当初はSMEに所属するアーティストのものがメインになるが、
いずれは外部レーベルからの受注生産も予定している」という。
「CD、ストリーミング配信に代わるサービスを狙うわけではなく、より幅広く音楽の楽しみ方を提供したいと、インフラを整えた」
(同社広報部)
近年、アナログレコードの人気が再燃。日本レコード協会によれば、2016年の国内生産枚数は79万9000枚と過去10年間で
最多に。10年間で最も落ち込んだ09年(10万2000枚)と比べると約8倍に増えた。
日本レコード協会の資料より
人気を受け、ソニーはアナログレコードをハイレゾ音源に変換するターンテーブルも発売している。