独中関係の蜜月 習氏とメルケル氏、緊密連携で合意【写真・動画】
中国の習近平国家主席は1日後に控える20カ国・地域(G20)首脳会合に先立ち、5日にドイツのメルケル首相と会談した。
ロイター通信によると、今回の首脳会談は独中関係の「蜜月」となった。
独中両国は米国のトランプ政権との間で隙間風が吹くことを背景に、お互いに接近し、貿易や航空宇宙、テロ対策など多岐にわたる
分野で緊密に連携することで合意した。独中首脳共同会見で習氏は独中関係について「新たな段階に入りつつある」と述べた。
また、独中友好関係を象徴し、メルケル氏と習氏はベルリン動物園に貸与されたジャイアントパンダ2頭ののお披露目式に
立ち会った。共同通信が報じた。
習氏はパンダについて「両国人民の友好を担う新たな使者になってもらいたい」と発言。メルケル氏は「とっても素晴らしい外交官」と
パンダを名称した。
Panda diplomacy: Merkel and Xi present two pandas in Berlin
習氏「両国友好の使者に」 ドイツでパンダお披露目
2017.7.6 産経新聞
ドイツ訪問中の中国の習近平国家主席は5日、メルケル首相と共にベルリン動物園で、中国からドイツに貸し出されたパンダ2頭の
お披露目式に立ち会った。新華社電によると習氏は「両国人民の友好を担う新たな使者になってもらいたい」と発言。メルケル氏も「こ
れを機会に両国の交流が深まることを期待している」と話した。
両首脳はその後、ベルリンで両国の青少年チームによるサッカー親善試合を観戦。大のサッカー好きで知られる習氏は「中国はドイ
ツとサッカーの分野で全方位の交流、協力を強化したい」と述べ、サッカー大国ドイツの協力を得て中国サッカーの強化を図りたい意向
を示した。(ベルリン共同)
習氏「G20で中国は独の立場を支援」
2017年7月5日 22時06分 毎日新聞
【ベルリン中西啓介、北京・河津啓介】7、8日、ドイツのハンブルクで開かれる日米欧、新興国など主要20カ国・地域(G20)首脳
会議出席のため、訪独した中国の習近平国家主席は5日、ベルリンでメルケル独首相と会談した。
昨年、中国・杭州でのG20で議長を務めた習氏は「G20で中国はドイツの立場を支援したい」と述べ、自由貿易や地球温暖化対策で
トランプ米大統領との対立が鮮明化する中、これまでのG20の合意を維持するため、ドイツと連携する考えを示した。
地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」推進や反保護貿易主義で両国が一致していることは、メルケル氏にとって強い支持になって
いる。
メルケル氏は会談の冒頭「独中は世界情勢の不安定化を和らげることに貢献できる」と述べ、G20首脳会議を念頭に中国の役割に
期待感をにじませた。
ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、両首脳は経済協力の深化で一致。習氏には今回のG20で、中国が進める現代版
シルクロード経済圏構想「一帯一路」について各国の参加を促したい狙いがある。
メルケル氏は「ドイツは一帯一路の実現に貢献できる」と述べて協力を約束。
習氏は「中独関係は新たなスタートを切ろうとしている」と評価した。
首脳会談で、末期がんのためドイツ行きを希望しているとされる中国の民主活動家で、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏(61)の
処遇が話題になるか注目されたが、言及はなかった。
劉氏が入院する病院がある遼寧省瀋陽市司法局は5日、劉氏の家族の要請に応じ、近日中に米独の専門医が中国国内で
劉氏の治療に当たることを発表した。独中首脳会談の前に対応を公表することで、独側への配慮を示したものとみられる。
記者会見で習氏は「北朝鮮情勢も話題になった」と述べたが、詳細は触れなかった。