中露へ警戒相次ぐ ミュンヘン安保会議
米国は中国と貿易摩擦をめぐる協議を継続中だ。さらに安全保障への懸念から通信大手の華為技術
(ファーウェイ)の排除を欧州諸国にも強く働きかけるなどし、中国が反発している。
また米国は、ロシアに対して新型の地上発射型巡航ミサイルの配備をINF条約違反として破棄を通告。
欧州では軍拡競争への不安も出ている。
今回の会議は多国間協調の国際秩序が揺らぎ、米中露の3大国がせめぎ合う状況への対応を中心議題に
据えている。15日の議論では参加した欧州の閣僚らからはロシアや中国による脅威への批判が上がった。
ドイツのショルツ財務相は巨大経済圏構想「一帯一路」などで途上国に過大な債務を負わせる中国に
対して「透明性」を要求。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は華為による
通信インフラ投資を「多くの同盟国が懸念している」とし、「中国にも欧米がともに対処することが必要」
と訴えた。
一方、ウィリアムソン英国防相はロシアについて、1989年の東西冷戦終結から「30年経過しても
脅威のままだ」と懸念を表明。
ドイツのフォンデアライエン国防相はNATOが一致してロシアのINF条約違反を批難したことを
評価した上、今後の対応でも「共同で対処することが重要だ」と強調した。
米副大統領、NATO諸国の「潜在的敵国」からの武器購入をけん制
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ペンス米副大統領はミュンヘン安全保障会議で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国による潜在的な
敵国からの武器購入を米国は容認しないと述べた。会議はドイツで現地時間15日、開幕した。
ペンス氏は「NATO同盟国が私たちの敵から武器を購入する時、私たちは腕を組んで立ち尽くさないと
明確にした」と述べた。
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河野大臣の第55回ミュンヘン安全保障会議出席(結果)
平成31年2月17日 外務省
2月15日から17日,河野太郎外務大臣は,第55回ミュンヘン安全保障会議に出席するために,ドイツ・
ミュンヘンを訪問したところ,概要は以下のとおりです。
1 第55回ミュンヘン安全保障会議(現地時間15日15時~16時30分(日本時間同日23時~16日0時30分))
河野大臣は,パネル・ディスカッション(「防衛協力」)に参加し,法の支配等の基本原則と国際秩序が
挑戦を受けている中,安全保障協力は国際秩序を守るための協調体制を構築するものと捉えられるべきで
あると訴えました。その上で,我が国は,「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを推進しており,
日本,米国,カナダ,豪州,ニュージーランド,ASEANに加え,仏や英国が参加しようとしている,
独も参加を真剣に検討していると紹介しました。また,北朝鮮の「瀬取り」対策を例に挙げ,欧州諸国も
参加する形でインド太平洋地域において防衛協力が進展しており,こうした取組を推進していきたいと
述べました。
2 各国関係者との意見交換
河野大臣はミュンヘン安全保障会議に出席したほか,15日に日韓外相会談,日・エジプト外相会談,
日・ラトビア外相会談,日・リトアニア外相会談,日独仏カナダ外相非公式夕食会,16日に日独外相会談,
日・スロベニア外相会談,日・スペイン外相会談,日・スロバキア外相会談,日露外相会談を実施しました。
【参考】第55回ミュンヘン安全保障会議の主な出席者
米国(ペンス副大統領,シャナハン国防長官代行),
独(メルケル首相,マース外相,フォン・デア・ライエン国防相),
英(ウィリアムソン国防相),
仏(ル・ドリアン外相,パルリ軍事相),
伊(トレンタ国防相),
加(フリーランド外相,サージャン国防相),
露(ラヴロフ外相),
中国(楊潔篪国務委員),
韓国(康京和外交部長官),
EU(モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表),
NATO(ストルテンベルグ事務総長),
IMF(ラガルド専務理事)
ほかが出席。
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ミュンヘン安全保障会議における日韓外相会談で「天皇謝罪」発言について
韓国外相は、河野外相より何も言及はなかったと、とぼけた発言しています。
【ミュンヘン共同】河野太郎外相は16日(日本時間17日)、韓国の康京和外相との15日の会談を巡り
、天皇陛下に元慰安婦への謝罪を求めた韓国の文喜相国会議長の発言に河野氏が言及しなかったとする
韓国外務省当局者のコメントに反論した。
「発言に大変驚き、残念に思うと申し上げた」と述べた。
訪問先のドイツ・ミュンヘンで記者団の質問に答えた。
同時に「しっかりこの件で対応してくださいと(求めた)。謝罪と撤回(が必要)と再三申し上げて
いるから、言わんとすることは理解いただいたと思う」と語った。