[上海 10日 ロイター] - 格付け会社フィッチは10日、今年に入ってから中国民間企業の
デフォルト(債務不履行)率が過去最高となっており、2020年も同様の傾向が続く可能性が
あると指摘した。
フィッチの発表によると、オンショアで債券を発行した中国の民間企業のうち、19年1─11月に
デフォルトを起こした比率は過去最高の4.9%となり、14年の0.6%から上昇した。
発行体数でも元本規模でもデフォルト債券の8割以上を民間企業が占めたという。
フィッチによると、中国企業が発行したオンショア債のデフォルト規模は今年1─11月に
元本ベースで総額994億元(141億2000万ドル)となった。
フィッチ・レーティングスの中国企業調査部門ディレクター、ジェニー・フアン氏はブリーフィングで、
民間企業のデフォルト率は「2020年にこの過去最高水準前後にとどまる」見通しだと明らかにした。
中国におけるデフォルトの拡大は、景気減速で債務返済と新規借り入れが困難になるなど、民間企業の
苦境を反映している。
フフホト市政府が所有するフフホト経済技術開発区の投資会社は9日、返済期限が6日に過ぎた
債務の返済手続きを進めていると発表した。
格付け会社ムーディーズによると、中国の地方政府は2018年時点で7兆6000億元の
財政赤字を抱えている。米中貿易戦争で痛んだ経済をてこ入れするために中央政府は減税と
財政支出の拡大に取り組んでおり、財政負担はさらに高まる可能性がある。
インダストリアル・セキュリティーズのアナリスト、フアン・ウェピン氏は週末のリポートで
「地方政府は依然、隠れた債務に相当な強い返済圧力を受けている」と指摘し、財政的に
脆弱な地方政府が所有する金融特別会社について強く警戒するよう投資家に呼び掛けた。
ロイターが入手した目論見書によると、フフホト経済技術開発区は16年、銀行融資の返済や
建設プロジェクトの資金手当て、資本の補充を目的に10億元相当の債券を私募方式で発行していた。
この企業のサイトによると、事業内容は不動産から水システム開発、インフラ建設と多岐にわたる。
政府系の上海証券報が今月9日報じたところでは、中国の銀行間精算機関は7日、
期限の6日までに同開発区から利息を全額は受け取っていないとする通知を出した。
発行体の幹部2人は返済期限を守らなかったことを確認した。
最近では北京方正集団と天津物産集団の国営2社も債券のデフォルトを起こしており、
国有企業の財務状態に懸念が広がった。
中国の債券市場ではこれまで、国有企業のデフォルトはかなり異例だった。ロイターの集計では、
今年これまでのデフォルト件数は民間企業が42件なのに対し、国有企業は6件だ。
一方、格付け会社フィッチによると、中国民間企業のデフォルト件数は今年、過去最多を記録している。
<参考>
城投債・・・地方債のようなもの。民間会社や政府とは別の団体が資金を集め、地方政府が元本、利息を保障している。地方政府の隠れ債務。
内モンゴル・フフホトの城投債の危機、デフォルトについては結構報じられています。
https://cn.reuters.com/article/china-urban-bond-default-1209-idCNKBS1YD0AW
http://www.xinhuanet.com/local/2018-12/26/c_1123907459.htm
http://www.eeo.com.cn/2019/1209/371455.shtml
http://www.nmg.xinhuanet.com/xwzx/cjtz/2019-12/10/c_1125329620.htm