米パリ協定離脱、世界中から批判 仏大統領「地球を再び偉大に」
2017年06月02日 10:41 AFP
ドナルド・トランプ米大統領が「パリ協定」からの離脱を表明したことを受けて、緑にライトアップされたパリ市庁舎
(2017年6月1日撮影)
【6月2日 AFP】(更新、写真追加)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が地球温暖化対策の国際枠組み
「パリ協定(Paris Agreement)」からの離脱を表明したことに対し、世界中から批判の声が上がった。
欧州の経済大国であるドイツ、フランス、イタリアの3か国は共同声明を発表し、「米国の決定を遺憾に思う」として
トランプ氏の離脱決定を批判。さらに、パリ協定は「私たちの地球と社会、経済にとって不可欠なものである」とし、
トランプ氏が求める再交渉には応じない意向を示した。
欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は
トランプ氏の決定を「深刻な誤り」だと非難。
同委員会のミゲル・アリアスカニェテ(Miguel Arias Canete)委員(気候行動・エネルギー担当)は、
気候変動対策において欧州が「国際的な指導力」を発揮し続けていくと誓った。
ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は「遺憾」を表明し、「私たちの世界を守る」気候変動対策を
継続していく必要があると訴えた。
フランス大統領府によれば、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領はトランプ氏に電話を掛け、
パリ協定で「再交渉できるものはない」と伝えたという。
マクロン大統領はテレビ演説も行い、トランプ氏は「自国と私たちの地球にとって間違いを犯した」と批判。
トランプ氏の選挙スローガン「米国を再び偉大にする」をもじって「地球を再び偉大にする」と呼び掛けた。
カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相もトランプ氏に電話し、「失望している」と直接伝えた。
キャサリン・マッケナ(Catherine McKenna)環境・気候変動相は、同国で9月にEU、中国と気候変動対策に関する
会合を開催すると発表した。
環境NGO「気候行動ネットワーク(Climate Action Network)」は、米国の離脱は「トランプ政権が現実と国際社会
の両方と完全に対立していることの表れだ」と非難した。