正男氏の息子ハンソル氏、暗殺警戒し留学断念=中国警告、厳戒のマカオへ戻る-英紙
2017年02月20日 05:34 発信地:ボスニア・ヘルツェゴビナ AFP
【2月20日 時事通信社】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏暗殺に絡み、英紙メール・オン・サンデー(電子版)は19日、正男氏の息子ハンソル氏(21)が事件前、中国当局に北朝鮮工作員による暗殺の危険性を警告され、昨年9月からの英オックスフォード大学大学院への進学が一度は決まりながら、諦めていたと伝えた。中国筋は同紙に対し「中国が不機嫌になるのは困るから正恩はあえて中国で暗殺はしない。しかし、英国は危険だ」と述べた。
ハンソル氏は2013年、ボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナルスクールを卒業。フランス屈指のエリート校、パリ政治学院に合格し、パリ郊外で3年間、政治学を学んだようだ。メール紙によると、恋人ソニアさんと共に、昨年9月からオックスフォードに進学するはずだった。
しかし、ちょうど合格通知と同じころ、中国の治安当局から、正男氏とハンソル氏の暗殺を、正恩氏が企てている恐れがあると知らされた。中国やマカオを離れれば北朝鮮が暗殺団を送り込んでくると父子に警告したという。
英国留学を断念したハンソル氏は18日時点で、母親や妹(18)と一緒にマカオの厳戒下の集合住宅で暮らしている。近隣住民は、正男氏暗殺の少なくとも3カ月前から、武装警官が警備を強化していたと証言した。