新型のコロナウイルス 分離 培養に成功 国立感染症研究所
2020年1月31日 18時33分 NHKニュース
中国で感染拡大が続く新型のコロナウイルスについて、国立感染症研究所は患者の
サンプルからウイルスそのものを分離し、培養することに成功したと発表しました。
国立感染症研究所は31日夜記者会見を開き、日本国内で感染が確認された患者の
サンプルから新型コロナウイルスを分離し、培養することに成功したと発表しました。
ウイルスは電子顕微鏡の画像では、ゆがんだ円形のまわりに王冠のような突起があると
いったコロナウイルスに典型的な特徴が見られます。
一方、遺伝子の配列は、中国でとられたウイルスと99.9%同じで、現時点では、感染力や
病原性に関わる大きな変異はみられないとしています。
研究所ではこれまでに中国から提供された遺伝子のデータをもとに、ウイルスを
検査するキットを作って配布しましたが、今後、分離したウイルスを使って
より短時間で検出できる検査方法の開発を進めたいとしています。
さらに研究所では、治療薬やワクチンの開発も進めるほか、ウイルスを国内外の
研究機関にも配布して、研究に役立ててもらうとしています。
研究所の脇田隆字所長は「海外からウイルスを提供してもらうには手続きなどで
時間がかかるためウイルスが分離できた意義は大きい。他の研究機関と連携しながら
検査法や治療薬の開発を早急に進めたい」と話しています。
ウイルスの分離にはこれまでに、中国やオーストラリアの研究所も成功しています。