痩せてしまった中国の土壌、日本のように肥やすには50年はかかる? いや、50年かけても無理かも=中国メディア
2018-01-25 09:28 Searchina
中国メディア・今日頭条は23日、「わが国の土壌に含まれる有機質の割合が日本に追いつくには、少なくとも50年は必要だ」と
する記事を掲載した。
記事は、「有機質の含有量は、土壌の肥沃さを示す重要な指標だ。有機質は土壌の養分の主な供給源であり、作物の生長を促すほか、
土壌の汚染除去に役立つ。日本のリンゴ園における有機質の含有率は6.8%に達するとのことだが、これは非常に驚異的な数字だ。
一方、中国国内の果樹園の有機質含有量は概ね1%以下である。1%あればなかなかのものであり、2%となるとほんの1つまみ
程度なのだ」と紹介した。
また、「毎年作物を育てるなかで、土壌の負荷を適切に保ちつつ、十分な有機肥料を加える、園内に草を生やす、
一定の降水量がある、落葉や落果を土にかえすといった条件で、その土壌の有機質含有量は0.1%増える。
すなわち、今の含有率が1%であれば、6.8%まで持っていくのに50年あまりかかるということだ」とし、
日本と中国の「差」の大きさについて解説している。
そのうえで「日本の果樹園の土壌管理は、伝統的な農業の時代、化学肥料による農業の時代を経て、有機農業の時代に入っている。
1950年代から試みが始まっていた日本の有機農業が持つ最も顕著な特徴は、高品質の追求を目標とし、合理的な負荷を守って
土壌が極度に痩せるのを防ぐと同時に、牧畜業の兼業などにより十分な有機肥料を確保し、施肥を行うことだ」と説明した。
一方で、中国の果樹園は現在化学肥料農業から有機農業への過渡期にあり、多くの果樹園が盲目的に高い生産量を追求し、
単一の科学肥料を大量に使用して、土壌を極端に痩せさせてしまっていると指摘。さらに、冬になると落ち葉や剪定した枝をみんな
燃料として燃やしてしまうために、土壌の養分補給がほとんど行われない状況であるとした。「これではどんなに管理レベルを
高めたとしても、いい果物はできない。50年かけても、きっと日本に追いつけないだろう」と論じている。
記事は、「現在、食品の安全が中国の大きな問題になっており、自ずと外国企業にビジネスチャンスをもたらしている。
この現実を直視し、日本の土壌管理に学び、環境保護農業の開発を強化するところから始めなければならない。
そうすれば、農民の増収と食品の安全確保を促し、中国の農業と農民の両方を『笑顔』にすることにできるかもしれない」と結んだ。