スウェーデン警察が中国人観光客に乱暴な対応、中国人側にも落ち度?
2018年9月17日(月) 20時30分 Record china
ストックホルム
2018年9月17日、「スウェーデンを訪れた中国人観光客の一家3人が、現地の警察官から乱暴な扱いを受けた」とする
報道が中国国内で物議を醸している。
中国メディアの環球網が、15日付の記事で伝えたのは以下のような内容だ。
中国人の曽(ズン)さんと両親の3人は今月2日未明、ストックホルム市内の宿泊施設に到着した。チェックインが
中国メディアの環球網が、15日付の記事で伝えたのは以下のような内容だ。
中国人の曽(ズン)さんと両親の3人は今月2日未明、ストックホルム市内の宿泊施設に到着した。チェックインが
可能になるまでまだ時間があったため、両親の体調を心配してロビーの椅子で休憩したいと伝えたところ、
「すぐに出て行け」と言われ、警察に通報された。
曽さんは警察官に両親が服用している薬について説明し、両親だけでもホテルのロビーに留まらせてほしいと訴えた。
だが警察官は曽さんの父親を椅子の上から抱えあげてホテルの外に放り投げるなどし、最終的には3人を警察車両に載せ、
数十キロ離れた墓地に置き捨てにしたという。
曽さんから連絡を受けた現地の中国大使館と中国外交部は、スウェーデン側に厳正な申し入れを行った。
また中国大使館はスウェーデンへの旅行者に対し注意を喚起したという。
一方、中国メディアの澎湃新聞の16日付の記事によると、スウェーデン紙アフトンブラーデットは、宿泊施設の
責任者の話として「中国人観光客3人は部屋を予約する際に日付を間違えた。3人が未明に到着した時、部屋は全て
埋まっていた。スタッフが3人に立ち去るよう求めたが、3人は同意せず言い争いになった。そのためスタッフが警察に
通報した」などと伝えているという。
海外で問題起こす中国人、「ビッグベビー」とやゆ―中国メディア
配信日時:2018年9月18日(火) 10時10分 Record china
2018年9月17日、網易は、スウェーデンで中国人観光客がトラブルを起こし、中国のネット上から「ビッグベビー」
などの批判が飛び出す一方で、現地の中国大使館が明らかにした実際の状況を紹介した。
記事は「中国人観光客一家3人がスウェーデンで粗暴な扱いを受け、ネットユーザーから激しい憤慨の声が出た。
しかし、その後拡散した動画によって『ホテルで一泊追加するのにお金を払おうとせず、狭いロビーに居座って
ホテルの営業に大きな影響を与えた』と伝えられると、中国国内のネットユーザーはほぼ一辺倒にこの中国人観光客に
ついて『ビッグベビー』『中国人の恥さらし』などと非難し始めた」とした。
そして、この一件について、スウェーデンにある中国大使館は「当該中国人とその家族はもともと、
9月1日に現地ホテルにチェックインするつもりだった。しかし、中国人は予約を取り間違えており、実際には
2日のチェックインとなっていた」と説明。1日深夜にホテルに到着したものの部屋は予約でいっぱいだったため、
中国人は「使用料は払うので、1階のバーにあるソファで時間を過ごさせて欲しい」と頼むも、ホテル側は同意
しなかったと伝えている。
また同大使館領事部の関係者によると、トラブル時に中国人一家とホテルとの間で掴み合いのケンカには至っておらず、
過激な威嚇するような言葉も使われなかったという。
一方で、中国人客がその場で感情を高ぶらせて大声で交渉した可能性は排除しなかったとのことだ。
関係者はさらに「トラブルを仲裁しようとした警察官のやり方は非常に粗暴であり、スウェーデン側に真相の
究明を求めているが、発生から10日以上経過しているにもかかわらず、いまだに返事が得られない」と伝えている。
中国人がスウェーデンで「侮辱」受けた事件の真相、中国メディアの3つの過ち―米華字メディア
2018年9月19日(水) 12時10分 Record china
2018年9月18日、米華字メディア・多維新聞は、中国人観光客がスウェーデンでホテルや警察官とトラブルを
起こしたことについて、中国の政府系メディアが世論のミスリードを招く偏向報道を行っていたと批判する記事を
掲載した。以下はその概要。
中国人観光客3人がストックホルムでホテルと警察から「粗暴な扱い」を受けたと自称している問題が、
連日両国民の関心を集めている。トラブルは中国政府系メディア・環球時報が率先して報じ、多くの政府系メディアが
転載して中国のネット上で大きな波紋を呼び起こした。その後、中国外交部や駐スウェーデン中国大使館も
スウェーデン政府に対し警察官の「非人道的扱い」への抗議、中国人客への謝罪要求といった圧力をかけた。
しかし、当時の現場の動画が数多く公開され、現地メディアの報道が出てくると、世論は当初の中国メディアによる
報道内容の客観性に疑問を持ち始めた。主な情報源であり、世論の先導者でもある中国政府系メディアが報道の
手法や理念上で大きなミスを犯し、客観的に世論をミスリードしたことは残念であり、一部ネットユーザーからは
激しい非難が出ている。
まず、当初の報道で環球時報は全面的な裏取りをすることなく、一方的に中国人観光客の話を信用した。これは明らかに
報道の原則を逸脱するものだ。
次に、報道や評論に特定の立場を設け、民意を煽った嫌いがある。最初の報道ではタイトルから本文に至るまで
事実の一面性のみを伝え、センセーショナルな表現を連ねた。しかも、事件本体から逸脱して、単純な民事紛争を
両国の外交問題にまで昇華させた。
最後に、中国政府系メディアは「人道」と「規則」の境界をあいまいにし、スウェーデン側の「無礼」や「粗暴」を
再三強調する一方、中国人客がルールに反してホテルのロビーに滞留し、警察との交渉に失敗すると転倒した
ふりをして大声で泣き叫ぶといった行為に出たことを「理性を失った中での挙動」で片づけた。
このような報道では、トラブル発生の原因を探る助けにはならない。
より重要なのは、世論からの批判を浴びた中国政府系メディアが自らの問題を反省することなくトラブルを
煽り立て続け、自己弁護に走ったことだ。これは一部中国政府系メディアが本来持つべき慎重な姿勢に欠け、
基本的なニュース報道のルールに反していることを示している。同時に、報道者は中国の世論環境の複雑性を
見くびっている。彼らは、このような明らかに欠陥のある報道がひとたび公衆の目に触れたらどんな反応が起こるのか、
そしてメディアの威信にどれほどのダメージが及ぶかを予想できないのかもしれない。