五輪特製スマホ、イラン選手に配られず 韓国との外交問題に
2018.02.09 Fri posted at 13:02 JST CNN
ドバイ(CNNMoney) 韓国の平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕を控え、各国の出場選手に配られたサムスン電子の
特製スマートフォンを巡ってイランと韓国の間で外交問題が持ち上がった。
特製版の「ギャラクシー・ノート8」は、大会主催者を通じて平昌五輪の出場選手に無料で配布された。
ところがイラン・オリンピック委員会広報のアブドラヒ氏によると、同国の選手団には「制裁」を理由に、韓国到着時に
スマートフォンが配られなかったという。
しかしサムスンの製品はイランでも広く普及しており、国際制裁の対象にはなっていない。
イラン国営メディアなどの報道によれば、イランは韓国大使を呼んで謝罪を要求。サムスンがイラン国内で事業展開する上で、
重大な悪影響を及ぼす恐れがあると通告した。
イランの選手4人はその後、スマートフォンを受け取ることができたという。「問題は、イラン人選手が平等に扱われなかったことに
ある。これは大会の精神に反する」とアブドラヒ氏は訴える。
国際オリンピック委員会(IOC)は8日に発表した声明で、特製スマートフォンは大会に出場する全選手に提供すると強調。
競技の日程などに関する重要な情報も同スマートフォンに記録されていると説明した。
イランの選手についてはスマートフォンを持ち帰ることを認めるものの、北朝鮮の選手に対しては「平昌の滞在中にのみ使用するよう」
求めているという。
ソーシャルメディアでは、イラン人選手の処遇に対する怒りの投稿が相次ぎ、「イラン全土で韓国製品を禁止すべきだ」といった声も
上がっている。
イラン政府系のファルス通信は、「サムスンのスポーツマンらしくない不誠実な行動」に抗議して、サムスンの広告掲載を
取りやめたと発表した。
イラン外務省、韓国大使を呼び出し
2018年02月08日20時17分 ParsToday
韓国企業のサムスンが道徳に反する行動を取ったことを受けて、テヘラン駐在の韓国大使が、イラン外務省に呼び出されました。
キム・ソンホ韓国大使
ニュースによりますと、国際オリンピック委員会の責任者とサムスンは、国際的な制裁により、ピョンチャン冬季オリンピックに
参加するイランの選手を、北朝鮮の選手とともに、サムスンによるスマートフォン配布の対象から除外すると決定しました。
イランの選手たち
イランのガーセミー報道官は、8日木曜、テヘラン駐在のキム・ソンホ韓国大使は、イラン外務省のアジア太平洋担当局長による
呼び出しを受けたと伝えました。
ガーセミー報道官はまた、「この中で、道徳とオリンピックの精神に反するこの行動へのイラン外務省の抗議が、韓国大使に
伝えられた」としました。
さらに、「サムスンはこの行動に対する謝罪を発表しなければ、このことはサムスンとイランの商業関係に影響を及ぼすだろう」と
強調しました。
ガーセミー報道官によりますと、キム大使は、韓国の外務省と政府、サムスンの関係者と繰り返し連絡を取っており、
韓国政府やサムスンの関係者の表明によれば、この誤解が生じたことについては、関与していないと述べたということです。