ファーウェイとZTEの製品、政府調達から排除
政府は、各府省庁や自衛隊などが使用する情報通信機器から、安全保障上の懸念が指摘される
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品を事実上、排除する方針を固めた。
10日にも各府省が申し合わせ、政府機関の調達の内規を改める。機密漏えいやサイバー攻撃を防ぐ
狙いがある。
米国は8月に成立させた「国防権限法」により、政府機関や政府との取引企業で2社の機器やサービスの
利用を禁じた。米政府は、2社の携帯電話や半導体にはウイルスなどが仕込まれ、中国による不正傍受や
サイバー攻撃に利用されているとして、日本を含む同盟国に利用の自粛を要請していた。
これを踏まえ、日本政府は、国の安全保障の脅威になると判断した企業の製品やサービスは、
購入しない仕組みとする。中国を過度に刺激しないよう2社を名指ししない方向だが、
「現段階でファーウェイとZTEの2社は排除対象」(政府関係者)となる。国内企業の製品でも、
2社の部品を使っていれば排除対象とする方向だ。
現在、政府関係機関で「2社の携帯電話や半導体などが使われている可能性はある」(政府筋)という。
各府省庁は申し合わせを踏まえ、通信回線やパソコンなどの政府調達に関する内規を改める。
具体的には、技術力など価格以外の要素も含めて落札者を決める総合評価方式の入札などを実施し、
判断基準に、国の安全保障に関する「リスクの低減」を盛り込む方向で検討している。価格で判断する
一般競争入札はおこなわない。
一方、防衛産業や電力などの重要インフラ(社会資本)の民間企業でも、2社の製品が普及すれば、
サイバー攻撃が行われた場合の被害は大きくなる。
このため、政府は将来的に、米国や豪州と連携し、中国以外の国から通信機器や半導体などの部品を
調達できるよう、新たな部品供給網(サプライチェーン)を整備する構想も描いている。
米国のほか、豪州とニュージーランドも、次世代通信規格「5G」の通信網の整備からファーウェイなどを
事実上、排除する方針を示している。
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