EMERALD WEB≪拝啓 福澤諭吉さま≫

政治・経済・生活・商品情報などさまざまな話題で情報を発信してます。

「大して安くない」いきなり!ステーキ、いきなり深刻な客離れ…値上げ連発で行く意味消失

2018-12-07 09:05:46 | 食べ物・食の安全

「大して安くない」いきなり!ステーキ、いきなり深刻な客離れ…値上げ連発で行く意味消失


飽きられ始めているのか、「いきなり!ステーキ」の集客力に陰りが見えている。

 運営会社のペッパーフードサービスによると、8月の「いきなり!ステーキ」既存店客数は前年同月比

0.9%増と、わずかな増加率にとどまった。客単価が落ち込んだため、売上高は2.8%減となっている。

「いきなり!ステーキ」といえば、行列ができるステーキ店として知られ、多くのメディアでも紹介される

人気店だ。しかし、ここにきて集客力の衰えが目立っている。

 客数に異変が起きたのは今年4月だ。前月の3月は13.9%増、2月は12.7%増と大幅に伸びていた。

それ以前では30%以上の増加率を叩き出すことも珍しくなく、2017年12月期通期は23.9%増と大幅な

伸びを見せていた。

ところが、4月は一転して1.5%減とマイナスに陥った。それ以降も減少が続き、5月が9.0%減、6月が9.6%

減、7月が9.4%減と4カ月連続でマイナスとなっている。しかも、悪いことに5〜7月のマイナス幅は

いずれも9%台と決して小さくはない。

 5〜7月が大幅な減少となったのは、まず値上げの影響が考えられる。

5月16日から、「国産牛サーロインステーキ」の1グラム当たりの価格を10円(税別、以下同)から11円に、

「国産牛リブロースステーキ」も10円から11円に値上げした。それぞれ値上げ率は10%にもなる。

一部店舗では販売していない商品ではあるが、販売店舗の利用客がそれを嫌って利用しなくなっていった

ことが考えられる。

「いきなり!ステーキ」は、手頃な価格でステーキを食べられることで人気を博した。立ち食い形式を

採用しているため、狭い敷地に多くの来店客を収容することができ、高い回転率を実現することができる。

これにより家賃比率を抑え、その分を食材の原価に充てることができ、高品質のステーキを低価格で

提供することが可能となった。

立って食べなくてはならないという不便はあるものの、おいしいステーキを低価格で食べられるメリットが

それを超越し、行列ができるほどの人気店となっていった。

 しかし、最近は「大して安くない」といった声を耳にすることも少なくない。「いきなり!ステーキ」は、

立て続けに値上げを実施している。それにより商品の価格が高騰しており、たとえば、全店舗で販売している

「リブロースステーキ」(現在、1グラム当たり6.9円)の1グラム当たりの価格は、昨年7月より前と比べ

0.4円高くなっている。

同じく全店販売の「ヒレステーキ」(同9円)は昨年3月に値上げし、0.5円高くなった。このほかにも

いくつか値上げしており、値頃感は急速に低下している。

大量出店の勢いは維持

 依然として続く肉ブームのなかで、おいしいステーキを提供する店が増えていることも

「いきなり!ステーキ」の競争優位性を低下させる要因となっている。

日本フードサービス協会によると、17年の飲食店売上高は前年比で3.1%増えたが、そのなかでも特に

「焼き肉」カテゴリーの伸長が著しく、7.8%増と大幅な伸びを示している。近年は、大小さまざまな企業が

肉料理を提供する飲食店を出店しており、「いきなり!ステーキ」を取り巻く環境は厳しさを増している。

舌の肥えた利用客が離れていったり、「いきなり!ステーキ」を選択肢から除外する消費者が増えて

いったりしたのではないか。

「いきなり!ステーキ」のブームが一巡したことも大きいだろう。今年4〜7月の客数がマイナスとなったのは、

反動減による影響がある。昨年4〜7月の対前年同月比増加率はいずれの月も20%超と大きく上振れていた。

昨年3月以前はマイナスの月も多く、昨年4月から急激に客数が増えていったことがわかる。

 昨年4〜7月において客数が大幅に増えたのは、話題性のあるキャンペーンやイベントがあったことが大きい。

食べた肉のグラム数を記録できる「肉マイレージカード」の発行枚数が100万枚に達したことを記念し、

同年4月10日〜5月9日に総額100万円のプレゼントキャンペーンを実施したほか、同年5月にペッパーフード

サービスが東証マザーズから東証2部へ市場変更し、そのわずか3カ月後の同年8月には東証1部に昇格する

ことが話題となった。こうしたことで「いきなり!ステーキ」に関心が集まり、客数が大幅に増加した。

今年4〜7月の客数が大幅に減ったのは、こうしたブームが去ったことも影響したと考えられるだろう。

 もっとも、「いきなり!ステーキ」の業績は決して悪いわけではない。むしろ絶好調といっていい。

直近の18年1〜6月期の同事業売上高は、前年同期比2.1倍の234億円と大幅な増収を達成した。

わずか半年で98店も新規出店し、店舗数が284店に拡大している。店舗数の拡大が業績に大きく寄与した

かたちだ。

 新規出店では特にフランチャイズ(FC)店の出店が目立った。国内では、4割に当たる約40店が

FC店での出店だ。

業績不振に陥ったラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングスがフランチャイジーとなって、

昨年12月に傘下のラーメン店「幸楽苑」の店舗を転換するかたちで「いきなり!ステーキ」の

1号店を出店した。同社は、その後も同様にFC店を次々と出店している。

また、CDやゲームソフトを販売するワンダーコーポレーションも今年6月に「いきなり!ステーキ」を

出店している。このようにして、FC店が一気に増えていった。

 各社は勢いのある「いきなり!ステーキ」をFC展開することで新たな収益源を確立することができ、

ペッパーフードサービスとしては効率的に規模を拡大することができる。一方で、ペッパーフードサービスは

直営店も大量出店している。こうして出店を進めたことにより、「いきなり!ステーキ」事業は大幅な

増収となった。

 ペッパーフードサービスの業績も好調だ。18年1〜6月期の連結決算は、売上高が前年比81.5%増の

279億円、営業利益は同24.1%増の14億円だった。「いきなり!ステーキ」事業が伸びたほか、

低価格ステーキ店「ペッパーランチ」を運営する事業も伸長しており、大幅な増収増益となっている。

 とはいえ、客数減は一時的なものではない可能性も十分ある。こうした好業績に隠れてしまいがちだが、

「いきなり!ステーキ」の客離れは深刻な事態であるととらえなければならないはずだ。こうした事態を

投資家も懸念しているのか、4月10日に7000円つけていた同社の株価が、9月末には4015円にまで

低下している。今後の客数の動向をより注視する必要があるといえるだろう。

2018.10.11   Business Journal

 
人気ブログランキング