環太平洋の両面調整尖頭器の存在を俯瞰する
図 石刃から両面加工尖頭器への変遷
日本列島に於いては
新潟県の信濃川流域において
両面加工尖頭器は
その加工法の変遷経過が見えていて
25000年前後に開発されていたようだ
図 石器の変遷
両面加工技法は
尖頭器が先ず作られて
次に有茎尖頭器、投げ槍の穂先とされている
続いて石鏃が作られるようになる
石鏃が作られるようになるまでには
土器の開発が行われていた
図 オーストラリアからの出土
オーストラリアでは両面加工尖頭器が出ているようなのであるが
単独にそれだけが出ているので、周りにもそれに類する石器は出ていないので
何故これがあるのか理解出来ないようである
年代的にも議論がされていて、確定していないようである
図 ティンカユの両面加工石器
またマレーシアのティンカユで図のような両面加工尖頭器が出ている
これも同様に単独の出土で周囲との関係が取れていなくて
謎とされている
これらのものは25000年前後の日本列島の両面加工尖頭器に
類似した加工法で作られているように見える。
オーストラリアでは同時に局部磨製石斧が出ていて
これは日本列島の38000年前の磨製石斧と似たものになる
これについても年代が確定できていない
図
アメリカ大陸では
クーパーズフエリーにおいて両面加工石器が出ている
ここでは20000年前頃の日本列島から出でている有茎尖頭器と同様なものが出ている
土器も石鏃も出ていないので年代はそれに適合するようだ
20000年前後の両面加工石器は世界的に日本列島の特別な石器とされていることから
これら各地の石器は日本列島から運ばれていったものと考えても良いかも知れない
図はお借りして補足しています
引用します
参考となる文献 旧石器時代