土器に作られた波状口縁から、何が読み取れるのだろうか
縄文人の何らかの観念が表出されているものとする人も居るようだ。
縄紋土器に特異的に作られていることから、ここを読み取ることが縄文人を理解する鍵となる。
縄文人が表現しているものそれは何なのか
これまでその内容についての言及は何処かにあるのだろうか。
引用ーーー加曽利B2式土器 西根遺跡 補修孔付き5単位波状口縁土器
縄文土器学習 140 ーーー
この土器は破損してからも、補修して大切に使われていた、という様子。
そうなのか、5を聖なる数とするのか、5日区切りの暦とすれば、 5単位の波状口縁ということは この時既に72候の暦の時代になっていたのだろうか。
写真はお借りしました
引用ーーーーーー
「 波状口縁」は「編む文化」でジグザグ線で現れていた「雲」(訂正・平衡)の立体表現になります。後に「沸き立つ雲」まで表現は進んでいきます。そうすると、「土器の誕生」と哲学的「概念の誕生」は分けて考えることが必要なようです。
「尖底」からは「土器の誕生」が推察され、
「 波状口縁」は「概念の誕生」が読み取れるのです。
ーーーーーー
⑥ 煮炊きする器・深鉢
口が大きく開き、丈の高い器、「深鉢」は、最古の段階以来、縄文土器に最も主要な器種である。その用途の第一は、食料の煮炊きであって、火をあびて赤変し、すすで汚れていることも多い。時には、焦げ付きや煮汁が炭化して黒くこびりついていることもある。ただし、火にかけたあとの無い大型の深鉢の役割の一つは、水の蓄えであったろう。口を平らに仕上げず、突起を設け、或いは起伏をつけた「波状口縁」に仕上げたものが多いのは、縄文土器の特徴の一つである。
ーーーーーー
花見川流域を歩く HANAMIGAWA RYUIKI wo ARUKU
このブログでは、千葉県北西部の小河川花見川の流域を散歩して、感じたことを記録しています。
2019年5月31日金曜日
加曽利B2式土器 西根遺跡 補修孔付き5単位波状口縁土器
縄文土器学習 140
++++そうなのか 5ということは 72候の暦の時代なのか
西根遺跡出土加曽利B2式土器の観察を行っています。この記事では補修孔付き5単位波状口縁土器を観察します。
1 377番土器
377番土器 (千葉県教育委員会所蔵)
・5単位の波状口縁土器です。
377番土器 部分拡大 (千葉県教育委員会所蔵)
・横走沈線で区画視された部分に沈線で矢羽状線文が描かれています。
377番土器報告書掲載写真
西根遺跡発掘調査報告書から引用
377番土器挿図
西根遺跡発掘調査報告書から引用
377番土器観察表
西根遺跡発掘調査報告書から引用
2 発掘調査報告書における377番土器の記載
「377は5単位の波状口縁で、胴部中位の横走の沈線区画内に矢羽状線文を充填する。施文は下位から上位に向かって行われている。無文部は丁寧なミガキがなされる。口縁部に補修孔がみられる。」
西根遺跡発掘調査報告書から引用
3 377番土器内部
377番土器内部 (千葉県教育委員会所蔵)
補修孔
・波状口縁の凹んだ付近に補修孔1点が観察できます。土器内面から孔を丁寧に掘っています。孔は正円に近い形状です。
・波状口縁の凹んだ付近は力学的に弱い部分で、この部分に入ったヒビが拡大しないように2つの補修孔を開け紐で結んだものと想像します。
4 メモ
・第4集中地点出土、口径29.0cm、底径10.4cm、器高29.0cm、容量3.9リットルの5単位波状口縁精製深鉢です。残存率は70%です。
・被熱を受けています。
・補修孔があることからヒビが入ってからも丁寧に扱われたことがわかります。またヒビが入ってからは、少なくとも補修孔より上まで液体を満たしたことはないと想像します。
投稿者 araki minoru 時刻: 17:04