祖母に会う

先日、何年かぶりに祖母に会いに行った。
祖母は日置川町の老人ホームに居るのだ。
姉も同行してくれた。行く前にバナナカステラとどら焼きを買っていった。
墓参りを済まし、昼食をとり、老人ホームに行くとちょうど昼食の最中だった。
会うなり食っているのもかかわらず、笑いだして口の中の物を吹き出す。
入れ歯も落ちた。
おじいちゃんにそっくりになってきたと言って大笑いしだして食事にならない。
しかたないので姉に任してロビーで待つことにした。
しばらくすると、食事を終えた祖母が車椅子でやってきた。
何を言っているのかほとんど判らなくなっているので姉が通訳をしてくれた。
とりあえず持ってきたカステラを袋ごと渡した。はじめて祖母に物をあげた。
祖母はバナナカステラを１つ取りだし開けようとする。しかし開けることができない。
姉が見かねて開けてあげた。そして少しちぎって口に入れてやった。
そしたら涙を流しながら、こんなん食べたかったと言う。
たくさん袋に入っているので、職員さんがきて預かろうとしたが、しっかり持って離さない。
よっぽど嬉しかったのだろう。お茶を口に入れて飲み込ませてあげた。熱いというので姉が冷たいのを買ってきた。
満足いったらしく、眠たくなったと言って部屋に戻っていった。
今度会うときもバナナカステラを持っていってやろう。
そしてそのうち彼女ができたら会わせてやろう。たぶん喜ぶだろう。
９０歳越えているのでいっそ１００歳以上生きてください。