建築観とアート関係の学習/ドローイング演習ほか
1. 建築観の確認
これから建築という総合芸術分野での実技表現を伴う歩みで建築の専門家をめざす上でのあなたの建築観をもたなければなりません。明確な答えを語るにはまだ難しいと思いますが、今日は最初に問いかけたいと思います。
日本にはさまざまな工学部系を始め、芸術系の大学でも建築専攻がありそれぞれに独自の教育目標があり、そういう多くの考えを持つ前提であると思うが、簡単にいうと言葉だけでは全てを説明し創造する事ができないという事であり、”イメージ”を”かたち”にして建築法規を満たした“構造”にすることです。実際に都市空間でクライアント(発注者)の意向をくみとり、それをあなたが考える事を具体的に創造物する総合芸術分野だということなのです。
▶私が思うには「形」と「構造」と、「イメージ」を創造する事だと考えている。早稲田建築科が、【建築工学と建築芸術】という教育目標を伝統的に持つ意味がここにあります。
あなたは自身の考える言葉で、早稲田のAO入試までにこれから自分の頭とこころの中にある理想あるいは自分の価値観を探り言葉と、造形物でそれらを等身大で表現して行くようにしてください。造形表現や美術などアート系に関しては何でも聞いてください。
できるだけ、アーテイストである自分になる事を(芸術家である建築家のセルフイメージ)自身に問いかけてください。インプットだけだ昇華できませんので、学科だけでなく、身のまわりのものや自然物などのデッサンをしたり、過去問題を回答したり、さまざまな建築関係の本や建築家の講演、また展覧会や建築関係のギャラリーなどを実際に見学したりスケッチしたりしてアウトプットしてください。頭だけで考えず実際にそのような行動を通じ受け身ではないように願っています。
早稲田のドローイングでよいアイデアのあるデッサンの作品を描ける事をめざしましょう。日々の研究やスケッチもまた自己PR資料の大事なパーツ似なるからです。試験直前になって慌てて制作するのではなく、いまのうちから準備しておきましょう。
将来にわたり自分のこころの中にある建築イメージを表現することは必要な商売道具ですので、単に大学入試に必要だからではありませんので、その辺を意識を全て変えてください。受験生ではなく将来「世界に活躍する総合芸術家である建築家」であるアーテイストである自分という意識を持ちましょう。これは、前に話した”アインランドの「水源」”を読むと変わります。日本の伝統建築の素晴らしい技術や美学あるいは知恵は、最後の宮大工の故・西常一氏の「木のこころ、木のいのち」、「法隆寺を支えた木」や文学では谷崎潤一郎の「陰影礼賛」などから学んでください。
建築の形には外観と内観という意匠があり、構造はさまざまな天災にさらされてきた歴史を持つ我が国では、特に建築という公共空間における耐火や地震などの天災などを前提とした、建築物法規が創られて改善されてきた歴史を持ちます。
最後のイメージは、さまざまな無数の色や形、材質がありそれを扱う建築家は単に専門家であり職人であるのではなく、一つの公共の空間に創造物を創る仕事であり、それがとても長い間存在する事から責任もある総合芸術家の仕事です。そこに住まう人や利用する人々が楽しく快適に、平和に居心地がよく豊かな気持ちで過ごす事ができ、また画一的でないワクワクする空間や日常性と非日常性をどう調和させるのかが問われるわけです。
ここに出現するセルフイメージにおける自己対話は、今までに観たことのない独自な空間をどう発注者であるクライアントの意向をどう空間造形で創造表現するかというデザイナーの解釈があると思います。
2. 建築関連の入門書 雑誌のCASA建築特集号
・20世紀建築を創造した革命家であった建築家3人の建築を分かりやすく説明されて図版も多くお薦めします。
・日本伝統建築の基礎知識の世界観と特徴や説明が分かりやすく説明されて図版も多くお薦めします。
3. 早稲田建築科関連情報
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