簡単にいうと、自分がなりたい理想の人物になり、その人が主人公の映画のシナリオ/脚本を自分で考えて絵コンテ(様々な絵や写真と言葉)でストーリー(タイムライン)で一冊のデザインすることです。そういう意味で自分がなりたいセルフイメージを視覚表現として考えることであり、自分の心の中を覗き、自分と対話してマインドマップをデザインするデザイナーになるということです。
自分が考えたイメージを視覚化することで、他の人に言葉だけでは伝わらない個人的な感覚的で視覚的なイメージと時系列での流れが、初めての人にも心のなかにどのような世界観と自分の強味を持ち、いままでどういう考え方で世界を捉え、これから大学で何を学び、将来はどういうふうに生きて行こうとしているのか?という、ある意味抽象的な価値観や概念や建築という分野への取り組み姿勢や情熱が見たいと思われます。
幸いにも早稲田大学建築学科のAO入試は、自己表現としての 作文(左脳:言語情報処理)―【「文字・記号と論理分析+時間連鎖」】と、空間造形表現実技/デッサン(右脳:非言語情報処理)―「設問に対する建築から見た問題の解決提案に必要な独自な発想と空間表現力」の能力を考査する入学試験が行われます。これは、早稲田大学建築学科が創立以来の教育理念である、
左脳の「構造的な美」と右脳の「詩的な美」が統合した工学と芸術が統合した、総合芸術家の育成を目標としている理念を感じることができます。言語で思考を表しその意思・アイデアを図形と立体造形で独自な視覚表現能力を求めています。
すでに成功し世界的な名声を得た女性の建築芸術家(故)ザハ・ハデイットは、20世紀までの建築史では世界の誰も今まで見たことのない、独自な美術作品としても構造的にも極めて洗練された、美しい感性とセンスあふれる空間造形言語を持つ建築美学を確立しました。
つまり、人生とは世界でただ一人の存在であるあなた自身が、なりたい理想の自分像/アイデンテイテイ「他の人とはっきり区別される自分の個性」を、自分が好きで選んだ強味を活かす分野において、たった一度の人生を日々学び「自己成長」し、その仕事を通じて「社会貢献」する時間芸術なのです。
だから、人からやらされる仕事ではなく自分の夢を具体化してゆく人生のシナリオを生きる世界観がその人の信念であると思いますが、あなたはどう思いますか? 成功者の真似をするのではなく、自分自身であり続けるように生きることが悔いの無い人生行路だと思います。
高橋 順一