過去問分析講座編: 2017年度一般入試「空間表現・鉛筆デッサン」
早稲田建築AO入試/第二次選考と一般入試/空間表現・鉛筆デッサンは同じ(問題は異なる)鉛筆デッサンの実技試験です。筆記実技試験で鉛筆デッサンが出題されるのはご存じと思います。しかし実際に入試で描くのは大変ですよね。
▶また、あなたはこんな悩みがあるかもしれませんね。
何を描けば良いかわからないし、どうやって描くのかも分からない。
そもそもドローイング(デッサン)とは何かがわからない。
建築AOや一般入試で求められる鉛筆デッサンの技量のレベルが分からない。
何をどうやって描けば良いかわからない….
学科と違って勉強すればしただけすぐに結果がすぐに分かる訳ではないし…
正解がない建築AO入試や一般入試の”空間表現における鉛筆デッサン”だからこそ
しかし、どうやって優れた自分だけの心のなかにある価値観や世界観を描く方法が手に入れるのか?
それが問題ですよね。。。
そこで!最高の「あなただけの心をデッサンできる、鉛筆デッサンの描く最高の方法が欲しいというあなたに朗報です。
いまは一般入試の出願が始まりました。実際の空間表現入試の鉛筆デッサンは来月、二月の中盤に行われます。あと1ヶ月があなたに実際に残された時間ですね。
▶そこで、今日はどういうふうに自分の発想を視覚的に表現する解答にいたるかをアドバイスしましょう。
早稲田建築一般入試/空間表現・鉛筆デッサンの過去問を例にしてみましょう。
問題をよく読む➡何を要求されているか?よく考える➡大きなくくりでは”空間表現ですね”これは建築科ですので正論です。➡コアコンセプトつまり、自分のアイデアを考えるのです。➡そのアイデアや概念を絵にします。この時に空間を意識します。だいたいは正面から見た一点透視図法で描こうとするでしょう。画面の中に目の高さを描くことです、そこに消失点を決める。➡そこに前後の配置するものや人物を配置します。
また、自分の目線を高いところに設定する。(入試の解答用紙の上に出ます)そこから見下ろす俯瞰する(鳥の目線・Birds Eyeになります)上から見下ろす画面になりますね。
▶今回の過去問分析編講座/
出題者は舞台という左右と前後の奥行きを想像できるか?という点の創造的想像力をテストしてみたいのでしょう。ここで参考資料を入れておきますので、あなた自身でも必ず自分で考えて実際に鉛筆でデッサンしてください。ヒントや説明を聞いてあなたが理解できたと思わないように、あなたはこれらの知識を知らなかったのですよ….これらは私の人生で学んだ知識でありコンテンツです。美術の場合はただ知っているというのは何の役にも立ちません。あなたがその知識をもとに、どういう自分だけの内面的世界観を実際に描くことができるか?またはどういう立体表現できるかなので、解答は重要ではありません。あなたは世界でただ1人の人間であり唯一の個性です。だから人のまねや解答をまねしても猿まねにしかなりません。
私はここに添付するダンスに関しての作品は、過去の歴史に残る美術画家や彫刻家と舞踏という、身体表現の新しい時代を切り開いたマチス、ロダン、マースカニンハムという偉大な表現者の先達の作品を提示するだけです。早稲田建築科のこの問題を出題された先生もまた、21世紀の前半である現在において、新たな若い世代の新鮮な発想を期待して、舞台空間での身体表現の可能性をみたいと言うことは、音楽や演劇ならびにオペラ、映像表現できるマルチプルな建築空間への可能性へつなげてみたいという想いがあったのではないかと推測されます。
有名な”マチスのダンス”はパリの近代美術館にその超大型のデッサン作品とその完成作品が展示されています。マチスは長さ4メートルもの長い角柱の先に、高さが6メートかそれ以上もの白い紙に、コンテをつけて一筆で素描しているデッサンがあります。有名な写真(これは教会の下絵)があります。この絵はもとの構図は古典絵画にヒントを得ていますが、動的な構図を俯瞰で捕らえている革命的な構図と作品と云えます。
1.ロダンの有名な”ダンス”は彫刻が有名ですが、デッサンもイサドラ・ダンカンやニジンスキーといった世界的に有名な舞踏家からも、多くの優れた作品を書き残しています。これはアメリカの有名な前衛舞踏の道を切り開いた、マースカニンハムなども美術のジャンルではないけど新しい時代の身体表現芸術と云えます。
2.技術的には動く人を描くのはとても難しいと云えます。バレーの練習風景で有名なドガは何度も練習をみてその動きを、記憶に焼き付けています。ただ目の前の動きを追ってもなかなか描けません。一度、高校生ならクラブ活動の人を描いて試してください。
3.舞踏やダンスの踊手は手の先や、足の形と身体の動きや流れを熟知していますので、それを描くととても美しい形が自然と表現できます。美術表現技法では、素描やクロッキーという名前ですが、速写して描くので線がとてもリズミカルで躍動感が表現できます。必ずしも正確な形でなくともそういう動きやリズムや躍動感が表現できれば良いと云えます。
今回の問題をみても、ただ毎日理数系の学科だけを勉強していても合格点が取れないことが理解できましたでしょうか?建築家ではなく建築芸術家を輩出することを、早稲田建築科の教育目標にしていることが理念であると分かります。
デッサンの練習も合格に絶対必要な前提条件ですので、諦めずに何度も練習してみてください。
高橋 順一
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