フォックス淳子@香港、ニュースオタク...の筈なのに、最近ちっともニュースを追えない、自分のせいなんですが、ちょっと悲しい。部屋に、まだ開いてもいない過去の新聞が山積みで、ますます悲しい。
[china 2534]
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そうだ、石田さんもちょうど事故直後、香港にいらっしゃいましたね。
この後しばらくは、話が二転三転しておりました。大体、こんな感じです:
・最初は機長が入院していたせいか、副操縦士から機長への「着陸は諦めて機首を上げるか、旋回しろ」と言う指示にも関わらず、機長がそれを無視(これは日本の新聞各紙にも出ましたね)
・また、イタリア人の機長と台湾人の副操縦士との間での英語によるコミュニケーションに問題があったらしい事
・この時点ではまだ「MD-11型機が着陸できる横風の限度いっぱいで、着陸強行」という事でした
・ほぼ同時(事故翌日の23日)に、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙が、台風下の強行着陸に対する疑問を掲げる記事を出しています。恐らくこれを見て出したと思われる記事が、同日の産経新聞のインターネット版速報(そして多分その日の夕刊)に出ていますので、もしご興味がありましたら、図書館などで探してみて下さい
“香港空港 中華航空機あお向け炎上 「ハブ空港疑問符 台風下なぜ着陸強行”
・2日後の24日の香港の朝刊は、副操縦士の証言をもとに、一斉に、イタリア人機長を極悪人扱いに
・ところがその日の午後、「某台湾航空当局者」によると、実は、副操縦士が機長に「風速に関する間違ったデータを伝えた」という、機長極悪人説を真っ向から否定する説が緊急浮上
・この辺りでどうも、「まだ話もはっきりしないうちから機長や副操縦士の人為的ミスのせいにするなどもっての他」という事で、パイロット組合などに一斉に箝口令が敷かれたようです
・そうこうするうちに、ボーイング社幹部を含めた調査団がアメリカから到着
で、結局どうなったかと言うと、これがどうなった訳でもありませんで、どっちみち本格的事故原因究明には非常に時間がかかる事もあり、まだまだはっきりした話は出ておりませんが、やはり、
1 MD
2 中華航空(および台湾当局)
3 香港空港当局
三者お互いのメンツがかかっているため、真相解明は紛糾するのではないかと思われます。
ただ、MD-11機が横風に弱い事や事故が多い事は、事故後数日の間、香港でも随分報道されたように思います。
また、現在の香港国際空港の立地条件や、台風下、空港を閉鎖しなかった事に問題があるのではないか、との疑問も、上で挙げたサウスチャイナと産経の記事中、指摘されていました。
香港では台風が来ると、風速、雨量などで段階的に警報が発令されるのですが、この事故が起きた時は「暴風警報シグナル8」、つまり風速が63km/時以上になった時に発令されるもので、これが出ると、企業・官公庁の一部なども休みになります(もっとも日系企業の日本人社員は出社しているようですが)
これに対して香港の空港当局はその後、空港の気象観測システムは最先端技術を導入している事や、(着陸はともかく)離陸には却って横風が強い方が好都合、等々、様々な例を挙げて、たとえ台風でも空港を閉鎖する必要ナシ、との結論を出しております。
この結論にももっともな点が多々あるのですが、もういい加減長くなってしまいましたのでちょっと割愛して、「オチ」を付けますと:
折しも先週木曜日、事故時の台風と同じように、直前までは余り大した事にならないであろうと思われていた熱帯低気圧であったにも関わらず、急に超大型台風に変貌、シグナル8どころか10という、もっとスゴいヤツが来たんです。
これが香港を直撃しまして、1日中エラい騒ぎだったんですが、この時もなお、空港は「とりあえず開けて」いました。また、エアポートエクスプレスなど、空港への足も一応確保されていました。
しかし、飛行機の離発着は、各エアラインのパイロットの判断に任され、離発着とも、「一機足りとも」飛ばなかった、チャンチャン...てな結果に終わった次第でございます。そりゃそうだよなあ...
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Junko FOX
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そうだ、石田さんもちょうど事故直後、香港にいらっしゃいましたね。
この後しばらくは、話が二転三転しておりました。大体、こんな感じです:
・最初は機長が入院していたせいか、副操縦士から機長への「着陸は諦めて機首を上げるか、旋回しろ」と言う指示にも関わらず、機長がそれを無視(これは日本の新聞各紙にも出ましたね)
・また、イタリア人の機長と台湾人の副操縦士との間での英語によるコミュニケーションに問題があったらしい事
・この時点ではまだ「MD-11型機が着陸できる横風の限度いっぱいで、着陸強行」という事でした
・ほぼ同時(事故翌日の23日)に、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙が、台風下の強行着陸に対する疑問を掲げる記事を出しています。恐らくこれを見て出したと思われる記事が、同日の産経新聞のインターネット版速報(そして多分その日の夕刊)に出ていますので、もしご興味がありましたら、図書館などで探してみて下さい
“香港空港 中華航空機あお向け炎上 「ハブ空港疑問符 台風下なぜ着陸強行”
・2日後の24日の香港の朝刊は、副操縦士の証言をもとに、一斉に、イタリア人機長を極悪人扱いに
・ところがその日の午後、「某台湾航空当局者」によると、実は、副操縦士が機長に「風速に関する間違ったデータを伝えた」という、機長極悪人説を真っ向から否定する説が緊急浮上
・この辺りでどうも、「まだ話もはっきりしないうちから機長や副操縦士の人為的ミスのせいにするなどもっての他」という事で、パイロット組合などに一斉に箝口令が敷かれたようです
・そうこうするうちに、ボーイング社幹部を含めた調査団がアメリカから到着
で、結局どうなったかと言うと、これがどうなった訳でもありませんで、どっちみち本格的事故原因究明には非常に時間がかかる事もあり、まだまだはっきりした話は出ておりませんが、やはり、
1 MD
2 中華航空(および台湾当局)
3 香港空港当局
三者お互いのメンツがかかっているため、真相解明は紛糾するのではないかと思われます。
ただ、MD-11機が横風に弱い事や事故が多い事は、事故後数日の間、香港でも随分報道されたように思います。
また、現在の香港国際空港の立地条件や、台風下、空港を閉鎖しなかった事に問題があるのではないか、との疑問も、上で挙げたサウスチャイナと産経の記事中、指摘されていました。
香港では台風が来ると、風速、雨量などで段階的に警報が発令されるのですが、この事故が起きた時は「暴風警報シグナル8」、つまり風速が63km/時以上になった時に発令されるもので、これが出ると、企業・官公庁の一部なども休みになります(もっとも日系企業の日本人社員は出社しているようですが)
これに対して香港の空港当局はその後、空港の気象観測システムは最先端技術を導入している事や、(着陸はともかく)離陸には却って横風が強い方が好都合、等々、様々な例を挙げて、たとえ台風でも空港を閉鎖する必要ナシ、との結論を出しております。
この結論にももっともな点が多々あるのですが、もういい加減長くなってしまいましたのでちょっと割愛して、「オチ」を付けますと:
折しも先週木曜日、事故時の台風と同じように、直前までは余り大した事にならないであろうと思われていた熱帯低気圧であったにも関わらず、急に超大型台風に変貌、シグナル8どころか10という、もっとスゴいヤツが来たんです。
これが香港を直撃しまして、1日中エラい騒ぎだったんですが、この時もなお、空港は「とりあえず開けて」いました。また、エアポートエクスプレスなど、空港への足も一応確保されていました。
しかし、飛行機の離発着は、各エアラインのパイロットの判断に任され、離発着とも、「一機足りとも」飛ばなかった、チャンチャン...てな結果に終わった次第でございます。そりゃそうだよなあ...
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Junko FOX