自衛隊派遣基本計画（要旨）

自衛隊派遣基本計画（要旨）
（産経夕刊一面　2001.11.15　より）

　一、基本方針

九月十一日に米国において発生したテロ攻撃は、人類全体に対する許し難い行為。現在、世界の国々が力を合わせてこれに立ち向かっている。わが国としては、テロとの闘いを自らの問題と認識し、積極的かつ主体的に寄与するとの立場に立ち、憲法の範囲内でできる限りの支援、協力を行うことが重要。

　二、協力支援活動の実施に関する事項

▽協力支援活動の種類および内容
（１）補給（艦船による艦船用燃料等の補給）
（２）輸送（艦船による艦船用燃料等の輸送、航空機による人員、物品の輸送）
（３）その他

▽協力支援活動の実施区域の範囲
（１）艦船による補給および輸送
　（例）インド洋における洋上補給、ディエゴガルシア島とオーストラリアとの間等
（２）航空機による輸送
　（例）わが国とグアム島との間、わが国とインド洋に至るアジア地域の間等

▽協力支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊
（１）艦船による補給・輸送－補給艦および護衛艦の部隊
（２）航空機による輸送－輸送機および多用途支援機の部隊

▽派遣期間　六カ月から一年程度

▽物品の調達および諸外国の軍隊などへの譲与の実施に係る重要事項　政府は、艦船用燃料を調達し、これを米軍等に譲与。

　三、捜索救助活動の実施に関する事項

協力支援活動又は被災民救援活動を行う自衛隊の部隊等が遭難者を発見し、または、遭難者の捜索救助を米国等から依頼された場合には、協力支援活動又は被災民救援活動を実施する区域の範囲において捜索救助活動を実施。

　四、被災民救援活動の実施に関する事項

▽被災民救援活動に関する基本的事項　パキスタン国内の難民キャンプではＵＮＨＣＲをはじめとする機関等が救援活動を実施している。かかる状況を踏まえ、被災民救援活動を実施。なお、パキスタンにおける医療支援等については、パキスタンおよび国際機関等と協議・調整を行った上で、関係行政機関による実施を目指す。また、パキスタン以外のアフガニスタン周辺国における被災民救援のための措置については、今後の情勢の推移を見極めつつ対応

▽被災民救援活動の種類および内容　ＵＮＨＣＲからの要請に基づく生活関連物資のＵＮＨＣＲへの提供▽被災民救援活動の実施区域の主要な範囲　わが国とパキスタンの港との間

▽被災民救援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊　艦艇の部隊

▽派遣期間　二－三カ月程度