強制連行で企業責任を初認定---福岡地裁

日本国内では昨年、政府責任を認めた一審判決はありましたが（国は控訴）、企業責任は初。ワハハハハハハハハハハハハハ、ざまあみやがれ三井鉱山。
　
中国人強制連行、企業責任を初認定
（読売　速報社会欄　15:03）
http://www.yomiuri.co.jp/04/20020426it05.htm

第２次大戦中に中国から強制連行され、福岡県内の炭鉱で働かされたとして、中国人１５人が、国と三井鉱山（本社・東京）に計３億４５００万円の損害賠償と日中両国の新聞への謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決が２６日、福岡地裁で言い渡された。 木村元昭裁判長は「強制連行と強制労働は、国と三井鉱山が共同して計画し、実行した」と述べ、三井鉱山に１億６５００万円の賠償を命じた。国については「国家賠償法の施行前で、不法行為に基づく賠償責任を負うことはできない」と判断した。戦後補償裁判で企業に賠償を命じたのは初めて。他の７地・高裁で係争中の中国人強制連行訴訟に影響を与えそうだ。 原告は張五奎さん（７８）らで、終戦まで福岡県大牟田市、田川市の三井鉱山の炭鉱で働いた。現在、河北省や北京市に住み、７０、８０歳代。 木村裁判長は、「三井鉱山は脅迫や暴力を使って強制連行し、過酷な待遇の下で強制労働を実施した。その態様は非常に悪質」と認定した。 三井鉱山側が「不法行為で被害に遭っても２０年たてば、損害賠償請求権がなくなる」と民法の除斥期間の適用を主張していた点について、判決は「正義公平の理念に著しく反する」と指摘、原告１人当たり１１００万円の支払いを命じた。また、日中平和友好条約などで中国人個人の損害賠償請求権が中国政府によって放棄されたかどうかについて、木村裁判長は「直ちに放棄されたと認めることはできない」と判断した。 しかし、国の責任については、「（戦前、国の行為で個人に損害が生じても国に賠償義務はないとする）国家無答責の法理が基本的制度として確立していた」として退けた。さらに、「原告らを直接管理していたのは三井鉱山で、国は三井鉱山を通じて間接的に関与したと言わざるを得ない」と判断した。 謝罪広告については、「理由がない」として棄却した。 中国や韓国などの人々が、日本政府や企業に賠償などを求めた戦後補償裁判は約７０件起こされ、国に賠償を命じたのは３件のみで、企業にはなかった。中国人強制連行訴訟では、戦後１３年間逃亡生活を送った中国人劉連仁さん（故人）について、東京地裁が昨年７月、除斥期間を適用せず、国に賠償を命じた。

「苦しみは忘れない」強制連行、半世紀ぶり悲願の救済
（読売　速報社会欄　14:38）
http://www.yomiuri.co.jp/04/20020426ic11.htm

強制連行された人たちの叫びが司法に届いた。被告企業「三井鉱山」に賠償を命じた２６日の福岡地裁判決は、国側の責任は認めなかったものの、約４万人が家族と引き離され、２割近い人々が祖国に帰らないまま亡くなるという悲劇に救済の道を開いた。「やっと願いが通じた」「亡くなった仲間に報告できる」。原告たちは半世紀にも及ぶ苦悩に思いをはせ、喜びをかみしめた。 原告の張五奎（ちょうごけい）さん（７８）と杜宗仁（とうしゅうじん）さん（７２）は緊張した面もちで判決に聴き入ったが、隣に座った弁護士から企業側の賠償が認められたことを聞かされると、一転、表情をほころばせた。 張さんは河北省の農家に生まれた。１６歳の時、日本兵に銃で脅され、福岡県大牟田市の三井三池炭鉱に連行された。帰国までの約２年半は１日も休まず、重労働を強いられたという。 現場監督が話す日本語が理解できないでいると、棒や作業道具で何度も殴られた。「ツルハシ」「シャベル」といった記憶の断片が、今も胸を締め付ける。 張さんは５６年ぶりに踏んだ福岡の地で、「強制連行の事実は、絶対に忘れることはない」と訴えていた。