6日付け「South China Morning Post」に、香港動物愛護協会(SPCA:愛護動物協會 Society for the Prevention of Cruelty to Animals (HK) )のキャンペーン記事が掲載されました。キャンペーンは、香港をアジア初の「No-Kill City」にしようというもの。捨てられた健康なペットを“処分”する代わりに、ペットの新しい家を探させるなど、飼い主の義務を強化しようという試みです。
SPCAでは同キャンペーンの一環として先週、メンバーに宛てて“犬からの手紙”を送ったそうです。
'I became your best friend . . . how could you?'
(South China Morning Post 2002.04.06 Hong Kong)
アメリカ人ライターの“代筆”による手紙は「How could you?(どうしてそんな事できるの)」と題し、SPCAメンバー約2千名にEメールで発送されました。
現在、香港でSPCAが薬殺しているペットは年間1万頭余り、政府の手によるものは更にそれを上回る2万頭に上ります。私は、そもそもペットを捨てるような人間を罰金や規則で縛る事の有効性については疑問ですし、SPCAのメンバーでもありません。このような「お涙ちょうだい」で訴える方法には異論がありますが、以下に、手紙の内容を含む同記事の原文と、その日本語訳を付記します。
“犬天国”と言われる南Y島には、それはそれは沢山の犬がいます。の~んびり、幸せそうに暮らしている犬たちの多くは、かつて他の地域で飼われていて、捨てられた犬たちです。
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'I became your best friend . . . how could you?'
「一番の友達になったのに...どうして?」
【サウス・チャイナ・モーニング・ポスト 2002年4月6日】
A letter "written" by an abandoned dog to his owner before being put down has been sent to SPCA members as part of the campaign to stop pets being left.
香港動物愛護協会(SPCA)ではこのほど、ペット放置阻止キャンペーンの一環として、同協会メンバーに宛て、飼い主に捨てられた犬が、獣医の手で処分される直前に“書いた”手紙を送った。
The piece, entitled How could you? by American writer Jim Willis, was e-mailed to about 2,000 SPCA members last week.
アメリカ人ライター、ジム・ウィリス氏の作によるこの手紙は「How could you?(どうしてそんな事できるの?)」と題し、先週SPCAメンバー2千名余りにEメールで送られたものだ。
Written from the dog's perspective, it says: "When I was a puppy, I entertained you with my antics and made you laugh . . . I became your best friend."
手紙は"犬の立場で”書かれたもので、このような書き出しで始まる:
However, the owner eventually loses his affection for the dog, and takes it to a vet to be put down.
しかし飼い主はやがて犬への愛情をなくし、薬殺するため獣医に連れて行く。
"She [the vet] placed me on the table and rubbed my ears, and told me not to worry . . . she expertly slid the hypodermic needle into my vein. As I felt the sting and the cool liquid coursing through my body, I lay down sleepily, looked into her kind eyes and murmured 'how could you'?
"Perhaps because she understood my dogspeak, she said, 'I'm so sorry'."
Dr Margaret Bradley, the SPCA's chief veterinary surgeon, told a similar tale, from real life. She said she always apologised to animals on the operating table before putting them down.
協会の獣医責任者マーガレット・ブラドレー医師は、実際の経験から似たような話をしてくれた。彼女は動物たちを薬殺する前に、手術台に乗せられた彼らにいつも謝るのだという。
"I look into their eyes and say 'I'm sorry' and tell them I do not want to do it and I do it just because we do not have any other option," she said.
「私は動物たちの眼をみつめて“ごめんね”と言うのです。“私だってこんな事はしたくない、でもやらなくちゃいけないの。他に方法がないのよ”って」
SPCAでは同キャンペーンの一環として先週、メンバーに宛てて“犬からの手紙”を送ったそうです。
(South China Morning Post 2002.04.06 Hong Kong)
アメリカ人ライターの“代筆”による手紙は「How could you?(どうしてそんな事できるの)」と題し、SPCAメンバー約2千名にEメールで発送されました。
現在、香港でSPCAが薬殺しているペットは年間1万頭余り、政府の手によるものは更にそれを上回る2万頭に上ります。私は、そもそもペットを捨てるような人間を罰金や規則で縛る事の有効性については疑問ですし、SPCAのメンバーでもありません。このような「お涙ちょうだい」で訴える方法には異論がありますが、以下に、手紙の内容を含む同記事の原文と、その日本語訳を付記します。
“犬天国”と言われる南Y島には、それはそれは沢山の犬がいます。の~んびり、幸せそうに暮らしている犬たちの多くは、かつて他の地域で飼われていて、捨てられた犬たちです。
'I became your best friend . . . how could you?'
「一番の友達になったのに...どうして?」
【サウス・チャイナ・モーニング・ポスト 2002年4月6日】
A letter "written" by an abandoned dog to his owner before being put down has been sent to SPCA members as part of the campaign to stop pets being left.
香港動物愛護協会(SPCA)ではこのほど、ペット放置阻止キャンペーンの一環として、同協会メンバーに宛て、飼い主に捨てられた犬が、獣医の手で処分される直前に“書いた”手紙を送った。
The piece, entitled How could you? by American writer Jim Willis, was e-mailed to about 2,000 SPCA members last week.
アメリカ人ライター、ジム・ウィリス氏の作によるこの手紙は「How could you?(どうしてそんな事できるの?)」と題し、先週SPCAメンバー2千名余りにEメールで送られたものだ。
Written from the dog's perspective, it says: "When I was a puppy, I entertained you with my antics and made you laugh . . . I became your best friend."
手紙は"犬の立場で”書かれたもので、このような書き出しで始まる:
- 「僕がまだ小っちゃかった頃、
よくおどけてみせては、
パパを笑わせていたね。
僕は、パパの一番の友達だった」
However, the owner eventually loses his affection for the dog, and takes it to a vet to be put down.
しかし飼い主はやがて犬への愛情をなくし、薬殺するため獣医に連れて行く。
"She [the vet] placed me on the table and rubbed my ears, and told me not to worry . . . she expertly slid the hypodermic needle into my vein. As I felt the sting and the cool liquid coursing through my body, I lay down sleepily, looked into her kind eyes and murmured 'how could you'?
- 「女の人(獣医)は僕を台の上に乗せると、
僕の耳をなでて、
心配しないように言った。
彼女は慣れた手付きで
注射器の針を静脈にすべりこませた。
チクッとした瞬間、
冷たい液体が体の中に流れ込んできた。
眠くなって来た僕は横たわり
優しそうな彼女の眼をみつめ
こう呟いた。
“どうしてそんな事できるの?”
"Perhaps because she understood my dogspeak, she said, 'I'm so sorry'."
- 「彼女は犬の言葉がわかったみたいで、
僕に“ごめんね”と言った」
Dr Margaret Bradley, the SPCA's chief veterinary surgeon, told a similar tale, from real life. She said she always apologised to animals on the operating table before putting them down.
協会の獣医責任者マーガレット・ブラドレー医師は、実際の経験から似たような話をしてくれた。彼女は動物たちを薬殺する前に、手術台に乗せられた彼らにいつも謝るのだという。
"I look into their eyes and say 'I'm sorry' and tell them I do not want to do it and I do it just because we do not have any other option," she said.
「私は動物たちの眼をみつめて“ごめんね”と言うのです。“私だってこんな事はしたくない、でもやらなくちゃいけないの。他に方法がないのよ”って」