対アメリカ戦、この試合を総括して言うならば、パワー・プレイ対精密プレイと言えるでしょう。これをちょっと横から見てみると、ワンバック/モーガン対宮間/鮫島との駆け引きと見る事も出来るでしょう。勿論、総力戦である事に変りは無いのですが、互いにチームの良さを引き出すという面では、その点が鍵になっていたという意味です。試合を観ていた人なら殆どの人がそう思った筈ではないでしょうか。
この試合、久し振りに安藤梢さんが復帰して前二試合とは異った勢いを感じられました。前半は「なでしこ」有利に試合運びが出来ていたのですが、今一つ決定力に欠け得点には繋がりませんでした。これは如何にアメリカが「なでしこ」を研究・分析していたのかが窺われる側面です。その中にあっても梢さんの動きは『これで右ひざに違和感を感じていたの』と思わせる程のものでした。完全復活とは言えないのかもしれませんが、もう大丈夫でしょう。これから期待通りの活躍をしてくれるでしょう。「なでしこ」にはなくてはならない人なのですから。
0-0で終った前半戦。後半戦はまた思い切った選手起用を考え出してきました。⑥坂口、③岩清水、⑭田中、そして⑪大野に加え⑦安藤さんまで下げて菅澤・高瀬・川澄・宇津木・伊藤を投入してきたのですから。奈穂ちゃんは解るのですが、監督の思惑が理解に苦しみました。後半戦のアメリカの作戦も有ったのですが、メンバー入れ代わりの後の攻撃は正にパワー・ゲーム。何度も危ういシーンの連続。それでもよく凌いでくれましたよね。控えの選手と言えども、アメリカの攻撃に対応出来るという証明を見せてくれた様にも思えました。何とも心強い可能性を見た様な気になったものです。
試合が動いたのはその後半38分、宮間の正確なコーナー・キックからでした。なんと梢さんと替った高瀬愛美が、DFの後ろへ戻りながらのヘッディング・シュートを決めたのでした。ちょっとばかり意外な人が得点したので驚きましたが、これも試合の流れなのか・・という気持ちにさせられました。それにしてもあれは、本当に見事なシュートでした。と同時に、宮間の狙いどころの良さに改めて感心させられた事も事実です。宮間あやの『閃きと精度』にはいつも驚かされます。成る程、キャプテンに成るだけの事は有りますね。以前にも書きましたが、「なでしこ」に必要な軸としてはやはり宮間・鮫島・大野・川澄、そして梢さんである事がこのアメリカ戦ではっきりと証明されたと思います。なにしろお局さん(澤)が居なくてもこれだけの試合が出来るのですから。
それにしても全く解らないのは、どうして佐々木監督は永里を使い続けるのか・・・という事です。今回のアメリカ戦に於いても、FWの入れ替えなら梢さんではなく永里を下げるべきであったものを。それが正しい選択であった筈です。初めから安藤=川澄のツー・トップであったらならば、もう少し楽な試合運びとなり、得点も挙げられた筈です。これはこれからの「なでしこ」の課題というより、佐々木監督の監督としてのの課題と言えます。
まあ取り敢えず優勝決定戦にコマを進められたのですから、7日(水)にはワールドカップに続いての優勝を期待するばかりです。おそらくは前回同様ドイツが相手となるでしょう。このドイツには去年勝っているので、験の良い相手と言えるでしょう。勿論色々と研究されている筈なので楽勝ムードとは言えませんが、何とか頑張って勝って欲しいものです。なにしろ4分け21敗(ワールド・カップのPK戦は引き分け扱い)のアメリカに勝ったのですから。今の「なでしこ」は相当力を付けている事に異いは無いのです。 「なでしこ」 頑張れ !!!
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