新藤 健一さんの記事。
2月1日発売の週刊金曜日に「日本の原子力研究支える日揮」という原稿を書いた。締切の関係であまり書くことができなかったのですが日揮は東海村や福島第一原発、さらには下北の核燃サイクルなど日本の原子力ビジネスの最大手であることがわかってきました。一部を紹介します。http://www.kinyobi.co.jp/
■政府が1民間企業に異例な対応はなぜ
アルジェリアで犠牲になった日本人9人の遺体が政府専用機で羽田に搬送された1月25日、官邸など霞が関には半旗が掲げられた。政府機の使用も異例だった。このとき日揮は被害者の氏名を公表しなかった。菅義偉官房長官は犠牲者の氏名を「政府の責任で」と断り、公表した。一民間会社に政府がこのように対応するのは前代未聞だ。最高顧問の新谷正法さんの死亡発表が最後になったことも奇怪な話だ。最高顧問が会う予定だった英BPの副社長も死亡した。
事件直前の1月14日、フランスはマリに軍事介入、イスラム武装勢力が占拠していた都市を制圧、同時に特殊部隊がニジェールのウラン工場を守るため配備された。2つの事件の背景には世界最大の仏原子力産業「アレバ」の存在がある。アレバは福島第一の事故処理を請け負う会社だ。アレバを経営する仏はウランが豊富に埋蔵するニェジェールやマリの利権を手放したくない。
日揮の事業はエンジニアリングだけではない。軍事コンサルタントとの提携や原子力ビジネスもしている。川名浩一社長が「ミリタリーゾーンという軍隊に守られた場所での仕事でしたから」と語っているように紛争地や戦場では、民間の軍事請負企業が絡んでいるのは普通だ。英BPは情報機関のMI6との関係が密接だ。
今回、日揮はアルジェの国営エネルギー会社ソナトラックと英BPが開発した天然ガス田開発プロジェクトを米ケロッグ・ブラウン&ルート(KBR)社と共同で受注した。この会社は民間軍事請負企業でもあるだけに今回の事件の闇は深い。
■東海村、福島第一原発、六ヶ所村
茨城県県大洗町の海岸から南西へ車で15分、木立に囲まれた丘陵地帯に「日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター」がある。面積は160万平方メートル、中央には湖がある。「大洗研究開発センター」はここでMOX(混合酸化物)燃料を使用した高速増殖炉「常陽」などの試験を通じてFBR(高速増殖炉)サイクルの実用化をめざしてきた。
一隅に4階建ての作業ビルに朱色の太文字で「日揮」とある。「日揮技術研究所」だ。脇に2階建ての研究棟が南北に3つ並ぶ。フエンスには「周辺監視区域、みだりに立ち入ること禁ず」のプレート。南隣には東芝と日立の共同出資する日本原燃の施設だ。これらの会社が日本の原子力研究を支えているわけだ。
実は東海村にある日本初の再処理施設は日揮が建設した。同社はこれまでウラン精錬、核燃料サイクル技術と放射性廃棄物の処理などを研究してきた。東海村の周辺には三菱グループなどの核燃料関連会社が数多くある。大洗にある「日揮技術研究所」もその一つだ。そのウランを日本はマリやニジェールから輸入している。また同社は福島第一原発に事務所を構えていた。最後に日本の核燃再処理工場がある六ヶ所村と日揮の関係をネットで検索すると
「現在、ホームページリニューアル中です」という表示がでる。http://www.a-plantech.co.jp/
アルジェリアの人質殺害事件で政府が日揮を特別扱いする理由はここにある。
=============================
日揮とは旧社名を日本揮発油㈱と言い、英文名称はJGC Corporation、
JGCはJapan Gasoline Companyの略。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/e2/c34277322d5a18899e6d8611c6a1af25.jpg)
2月1日発売の週刊金曜日に「日本の原子力研究支える日揮」という原稿を書いた。締切の関係であまり書くことができなかったのですが日揮は東海村や福島第一原発、さらには下北の核燃サイクルなど日本の原子力ビジネスの最大手であることがわかってきました。一部を紹介します。http://www.kinyobi.co.jp/
■政府が1民間企業に異例な対応はなぜ
アルジェリアで犠牲になった日本人9人の遺体が政府専用機で羽田に搬送された1月25日、官邸など霞が関には半旗が掲げられた。政府機の使用も異例だった。このとき日揮は被害者の氏名を公表しなかった。菅義偉官房長官は犠牲者の氏名を「政府の責任で」と断り、公表した。一民間会社に政府がこのように対応するのは前代未聞だ。最高顧問の新谷正法さんの死亡発表が最後になったことも奇怪な話だ。最高顧問が会う予定だった英BPの副社長も死亡した。
事件直前の1月14日、フランスはマリに軍事介入、イスラム武装勢力が占拠していた都市を制圧、同時に特殊部隊がニジェールのウラン工場を守るため配備された。2つの事件の背景には世界最大の仏原子力産業「アレバ」の存在がある。アレバは福島第一の事故処理を請け負う会社だ。アレバを経営する仏はウランが豊富に埋蔵するニェジェールやマリの利権を手放したくない。
日揮の事業はエンジニアリングだけではない。軍事コンサルタントとの提携や原子力ビジネスもしている。川名浩一社長が「ミリタリーゾーンという軍隊に守られた場所での仕事でしたから」と語っているように紛争地や戦場では、民間の軍事請負企業が絡んでいるのは普通だ。英BPは情報機関のMI6との関係が密接だ。
今回、日揮はアルジェの国営エネルギー会社ソナトラックと英BPが開発した天然ガス田開発プロジェクトを米ケロッグ・ブラウン&ルート(KBR)社と共同で受注した。この会社は民間軍事請負企業でもあるだけに今回の事件の闇は深い。
■東海村、福島第一原発、六ヶ所村
茨城県県大洗町の海岸から南西へ車で15分、木立に囲まれた丘陵地帯に「日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター」がある。面積は160万平方メートル、中央には湖がある。「大洗研究開発センター」はここでMOX(混合酸化物)燃料を使用した高速増殖炉「常陽」などの試験を通じてFBR(高速増殖炉)サイクルの実用化をめざしてきた。
一隅に4階建ての作業ビルに朱色の太文字で「日揮」とある。「日揮技術研究所」だ。脇に2階建ての研究棟が南北に3つ並ぶ。フエンスには「周辺監視区域、みだりに立ち入ること禁ず」のプレート。南隣には東芝と日立の共同出資する日本原燃の施設だ。これらの会社が日本の原子力研究を支えているわけだ。
実は東海村にある日本初の再処理施設は日揮が建設した。同社はこれまでウラン精錬、核燃料サイクル技術と放射性廃棄物の処理などを研究してきた。東海村の周辺には三菱グループなどの核燃料関連会社が数多くある。大洗にある「日揮技術研究所」もその一つだ。そのウランを日本はマリやニジェールから輸入している。また同社は福島第一原発に事務所を構えていた。最後に日本の核燃再処理工場がある六ヶ所村と日揮の関係をネットで検索すると
「現在、ホームページリニューアル中です」という表示がでる。http://www.a-plantech.co.jp/
アルジェリアの人質殺害事件で政府が日揮を特別扱いする理由はここにある。
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日揮とは旧社名を日本揮発油㈱と言い、英文名称はJGC Corporation、
JGCはJapan Gasoline Companyの略。
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