「高木彬光」の長篇ミステリ作品『刺青殺人事件(しせいさつじんじけん) 新装版』を読みました。
「高木彬光」の作品は、、少年の頃に読んだSF作品『ハスキル人』以来なので約40年振りですね。
-----story-------------
野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。
艶美な姿に魅了された元軍医「松下研三」は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。
それは胴体のない密室殺人だった――。
謎が謎を呼ぶ事件を解決するため、怜悧にして華麗なる名探偵「神津恭介」が立ち上がる!
「江戸川乱歩」が絶賛したデビュー作であると同時に、「神津恭介」の初登場作。
満を持しての復刊!
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『東西ミステリーベスト100』の日本編で第32位ランクインしている作品… 1947年(昭和22年)に「江戸川乱歩」に絶賛され、翌1948年(昭和23年)に刊行された「高木彬光」のデビュー作品『刺青殺人事件』に、デビューにいたるまでを綴ったエッセイや、最近発見された初期の未発表短編『闇に開く窓』を収録した一冊です。
■刺青殺人事件
・第一章 恐ろしきトルソ
・第二章 マダム・セルパン
・第三章 刺青競艶会の女王
・第四章 三すくみの呪い
・第五章 憑かれた人々
・第六章 胴体のない死体
・第七章 完全犯罪
・第八章 刺青の女をめぐる男たち
・第九章 詰むや詰まざるや
・第十章 大蛇丸と綱手姫
・第十一章 土蔵の中の死体
・第十二章 地雷也還る
・第十三章 皮を剥がれた死体
・第十四章 殺人事件覚書
・第十五章 神津恭介登場
・第十六章 蛞蝓の足跡
・第十七章 非ユークリッド幾何学
・第十八章 華麗なる寄せ
・第十九章 地獄の前のラブシーン
・第二十章 心理の密室
■岩谷選書版の後記より
■新稿の序
■カッパ・ノベルズ版あとがき
■探偵小説の作り方
■「探偵作家になるまで」より 第三章 占われ記
■闇に開く窓
■天空に描くラビリンス―高木彬光小論 芦辺拓
■解題―衝撃のデビュー作 山前譲
1946年(昭和21年)8月20日、「松下研三」は、東亜医大の「早川博士」に誘われて江戸彫勇会の刺青競艶会を見学に来た… 「研三」は、そこで中学時代の先輩である「最上久」と再会する、、、
その競艶会の場を圧倒したのは、背中に見事な大蛇丸の刺青を持つ「野村絹枝」で、土建屋をしている「久」の兄「竹蔵」の愛人であった… 「絹枝」の魅力に惹かれ、後日彼女を訪ねた「研三」は、背中の刺青の由来を聞かされる。
彼女の父「彫安」は、大蛇丸・綱出姫・自雷也の三すくみを、彼女と双子の妹の「珠枝」、兄「常太郎」の3人に彫り分けたのだという… 三すくみを1人の体に彫ると、3匹が争いあって死んでしまうため、タブーとされているのだ、、、
不安に感じる「絹枝」との約束で、下北沢の彼女の自宅を訪ねた「研三」は、たまたまやって来た「早川博士」とともに、内側から鍵のかかった浴室で彼女の死体を発見する… 死体は首と両手両足だけで、胴体はなかった。
その後、「絹枝」の愛人の「最上竹蔵」も死体で発見される… 拳銃自殺のようにも見えるが、他殺の可能性も否定できない、、、
捜査が難航する中、「絹枝」の兄「常太郎」を捜し当てた「研三」だが、事件の核心を知っているらしい「常太郎」の「しばらく自分に任せて欲しい」との言葉を信じて待っているうちに、彼も全身に彫った刺青を皮ごと剥がされて殺されてしまった… 責任を感じる「研三」の前に、一高時代の友人で、「「神津」の前に「神津」なく、「神津」ののちに「神津」なし」と激賞されるほどの天才「神津恭介」と再会し、彼に謎を解き明かすよう依頼する。
面白かったー 終戦から間もない頃の昭和の雰囲気も好きですね、、、
中盤までは、ややゆったりした展開ですが… 「神津恭介」が登場してからはスピード感が一気にアップして、終盤は一気に読めましたね。
密室のトリックも愉しめましたが… 双子モノにはありがちな入れ替えトリックにも刺青を使うことで新鮮な工夫があったし、殺害場所を誤解させることで、胴体のない死体の理由やアリバイ崩しも合理的な理由が説明されていることも好感が持てました、、、
第2、第3の殺害の理由やトリックも合理的だったしね… 機会があれば、他の作品も読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「松下研三」
東大医学部法医学教室の研究員。
「神津恭介(かみづ きょうすけ)」
研三の一高時代の友人。一高時代に整数論の大論文を書き上げた天才。
「最上久(もがみ ひさし)」
研三の中学時代の先輩。
「最上竹蔵(もがみ たけぞう)」
久の兄。土建屋「最上組」の社長。
「野村絹枝」
竹蔵の愛人。大蛇丸の刺青を持つ。
「彫安(ほりやす)」
絹枝の父。刺青師。
「野村常太郎」
絹枝の兄。刺青師。
「野村珠枝」
絹枝の双子の妹。
「稲沢義雄」
「最上組」の支配人。
「早川平四郎」
東亜医大の医学博士。最上兄弟の叔父。刺青の研究家。
「松下英一郎」
研三の兄。警視庁捜査一課長。
「高木彬光」の作品は、、少年の頃に読んだSF作品『ハスキル人』以来なので約40年振りですね。
-----story-------------
野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。
艶美な姿に魅了された元軍医「松下研三」は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。
それは胴体のない密室殺人だった――。
謎が謎を呼ぶ事件を解決するため、怜悧にして華麗なる名探偵「神津恭介」が立ち上がる!
「江戸川乱歩」が絶賛したデビュー作であると同時に、「神津恭介」の初登場作。
満を持しての復刊!
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『東西ミステリーベスト100』の日本編で第32位ランクインしている作品… 1947年(昭和22年)に「江戸川乱歩」に絶賛され、翌1948年(昭和23年)に刊行された「高木彬光」のデビュー作品『刺青殺人事件』に、デビューにいたるまでを綴ったエッセイや、最近発見された初期の未発表短編『闇に開く窓』を収録した一冊です。
■刺青殺人事件
・第一章 恐ろしきトルソ
・第二章 マダム・セルパン
・第三章 刺青競艶会の女王
・第四章 三すくみの呪い
・第五章 憑かれた人々
・第六章 胴体のない死体
・第七章 完全犯罪
・第八章 刺青の女をめぐる男たち
・第九章 詰むや詰まざるや
・第十章 大蛇丸と綱手姫
・第十一章 土蔵の中の死体
・第十二章 地雷也還る
・第十三章 皮を剥がれた死体
・第十四章 殺人事件覚書
・第十五章 神津恭介登場
・第十六章 蛞蝓の足跡
・第十七章 非ユークリッド幾何学
・第十八章 華麗なる寄せ
・第十九章 地獄の前のラブシーン
・第二十章 心理の密室
■岩谷選書版の後記より
■新稿の序
■カッパ・ノベルズ版あとがき
■探偵小説の作り方
■「探偵作家になるまで」より 第三章 占われ記
■闇に開く窓
■天空に描くラビリンス―高木彬光小論 芦辺拓
■解題―衝撃のデビュー作 山前譲
1946年(昭和21年)8月20日、「松下研三」は、東亜医大の「早川博士」に誘われて江戸彫勇会の刺青競艶会を見学に来た… 「研三」は、そこで中学時代の先輩である「最上久」と再会する、、、
その競艶会の場を圧倒したのは、背中に見事な大蛇丸の刺青を持つ「野村絹枝」で、土建屋をしている「久」の兄「竹蔵」の愛人であった… 「絹枝」の魅力に惹かれ、後日彼女を訪ねた「研三」は、背中の刺青の由来を聞かされる。
彼女の父「彫安」は、大蛇丸・綱出姫・自雷也の三すくみを、彼女と双子の妹の「珠枝」、兄「常太郎」の3人に彫り分けたのだという… 三すくみを1人の体に彫ると、3匹が争いあって死んでしまうため、タブーとされているのだ、、、
不安に感じる「絹枝」との約束で、下北沢の彼女の自宅を訪ねた「研三」は、たまたまやって来た「早川博士」とともに、内側から鍵のかかった浴室で彼女の死体を発見する… 死体は首と両手両足だけで、胴体はなかった。
その後、「絹枝」の愛人の「最上竹蔵」も死体で発見される… 拳銃自殺のようにも見えるが、他殺の可能性も否定できない、、、
捜査が難航する中、「絹枝」の兄「常太郎」を捜し当てた「研三」だが、事件の核心を知っているらしい「常太郎」の「しばらく自分に任せて欲しい」との言葉を信じて待っているうちに、彼も全身に彫った刺青を皮ごと剥がされて殺されてしまった… 責任を感じる「研三」の前に、一高時代の友人で、「「神津」の前に「神津」なく、「神津」ののちに「神津」なし」と激賞されるほどの天才「神津恭介」と再会し、彼に謎を解き明かすよう依頼する。
面白かったー 終戦から間もない頃の昭和の雰囲気も好きですね、、、
中盤までは、ややゆったりした展開ですが… 「神津恭介」が登場してからはスピード感が一気にアップして、終盤は一気に読めましたね。
密室のトリックも愉しめましたが… 双子モノにはありがちな入れ替えトリックにも刺青を使うことで新鮮な工夫があったし、殺害場所を誤解させることで、胴体のない死体の理由やアリバイ崩しも合理的な理由が説明されていることも好感が持てました、、、
第2、第3の殺害の理由やトリックも合理的だったしね… 機会があれば、他の作品も読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「松下研三」
東大医学部法医学教室の研究員。
「神津恭介(かみづ きょうすけ)」
研三の一高時代の友人。一高時代に整数論の大論文を書き上げた天才。
「最上久(もがみ ひさし)」
研三の中学時代の先輩。
「最上竹蔵(もがみ たけぞう)」
久の兄。土建屋「最上組」の社長。
「野村絹枝」
竹蔵の愛人。大蛇丸の刺青を持つ。
「彫安(ほりやす)」
絹枝の父。刺青師。
「野村常太郎」
絹枝の兄。刺青師。
「野村珠枝」
絹枝の双子の妹。
「稲沢義雄」
「最上組」の支配人。
「早川平四郎」
東亜医大の医学博士。最上兄弟の叔父。刺青の研究家。
「松下英一郎」
研三の兄。警視庁捜査一課長。
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