「スティーグ・ラーソン」の長篇ミステリー作品『ミレニアム2 火と戯れる女(原題:Flickan som lekte med elden)』を読みました。
![ミレニアム2 火と戯れる女(原題:Flickan som lekte med elden)](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/53/fd7ee67343fc1cff2b35fc9e6c2815e8.jpg)
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』に続き「スティーグ・ラーソン」作品です。
-----story-------------
〈上〉
女性調査員「リスベット」にたたきのめされた後見人の「ビュルマン」は復讐を誓い、彼女を憎む人物に連絡を取る。
そして彼女を拉致する計画が動き始めた。
その頃「ミカエル」らはジャーナリストの「ダグ」と恋人「ミア」が進める人身売買と強制売春の調査をもとに、『ミレニアム』の特集号と書籍の刊行を決定する。
「ダグ」の調査では背後に「ザラ」という謎の人物がいるようだ。
「リスベット」も独自に「ザラ」を追うが、彼女の拉致を図る者たちに襲撃された!
〈下〉
「リスベット」は襲撃者たちを撃退した。
だが「ダグ」と「ミア」が殺され、現場で「リスベット」の指紋がついた拳銃が発見された。
さらに意外な人物の死体も見つかり、彼女は連続殺人の容疑者として指名手配される。
「リスベット」が犯人と思えない「ミカエル」は彼女と連絡を取り、事件の調査を進める。
やがて「リスベット」は、ある重大な情報をつかんだ。
そして「ミカエル」は「ザラ」の正体を知るが……「リスベット」の衝撃的な過去が明かされる激動の第2部。
-----------------------
30カ国以上で翻訳され、全世界で800万部以上を売り上げたベストセラー作品、、、
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』が愉しめたので、続篇を読みました。
〈上〉
■プロローグ
■第一部 変則的な方程式 十二月十六日~十二月十八日
■第二部 ロシアより愛をこめて 一月十日~三月二十日
■第三部 不合理な方程式 三月二十三日~三月二十九日
■訳者あとがき ヘレンハルメ美穂
〈下〉
■第三部 不合理な方程式(承前) 三月二十九日~四月三日
■第四部 ターミネーター・モード 三月二十四日~四月八日
■解説 北上次郎
本作品は、「リスベット・サランデル」が主役… 頭脳明晰で抜群の情報収集能力と映像記憶能力を備え、身長150cm、体重40kgの体躯からは信じられない格闘技力を持ち、超一流のハッカーとしてのスキルがあるが、社会性が著しく欠如しており一人前の成人として生活ができなとの烙印を押され後見人が付いている等々の強烈な個性を持つ女性、、、
読み進めるうちに、その魅力に惹きつけられて… どんどん「リスベット」に感情移入してしまい、「リスベット」を好きになってしまう作品でしたね。
物語は、前作で大金を手に入れた「リスベット」が長い海外旅行に出ているエピソードから始まります、、、
世界を巡る旅に出て、カリブ海の小国グレナダで過ごした後、再びスウェーデンに戻った「リスベット」ですが、「リスベット」への復讐を目論む後見人「ニルス・エリック・ビュルマン」の行動から思わぬ事件に巻き込まれます。
『ミレニアム』の特集号に記事が採用予定だったジャーナリスト「ダグ」とその恋人「ミア」が自宅で銃殺され、その後「ビュルマン」も自宅で銃殺されていたことが発覚し、その容疑者として「リスベット」は指名手配され、「リスベット」は警察から追われる羽目に、、、
「リスベット」の犯行とは信じられない「ミカエル・ブルムクヴィスト」や「ドラガン・アルマンスキー」は彼女を救おうとして行動を開始します… 思いがけない殺人と予想できない展開、そしてこれまで謎のベールに包まれていた「リスベット」の衝撃的な過去が明らかになります。
「リスベット」の過去を知り、彼女の際立った能力や個性の成り立ちが明らかになることにより、彼女が感じた閉塞感や孤独感が伝わってくるとともに、彼女の強さに憧れや羨望を感じましたね… 益々「リスベット」のことが好きになりました。
「ザラ」の正体は、そんな感じかなぁ… と思いましたが、「金髪の巨人」の正体には驚きましたね、、、
面白かったので、上下巻で1,000ページ強という長篇にも関わらず、集中力を持続して読めましたね。
特に中盤以降の「リスベット」が「ザラ」と「金髪の巨人」に挑む展開は愉しめましたね。
続篇も読みますよ!
以下、主な登場人物です。
≪主要人物≫
「ミカエル・ブルムクヴィスト (Mikael Blomkvist)」
雑誌『ミレニアム』のジャーナリスト兼発行責任者兼共同経営者。
1960年1月18日生まれの43歳(開始当初)。
フルネームはカール・ミカエル・ブルムクヴィスト。
23歳の時に、世間を騒がせていた連続銀行強盗グループの正体を暴き、一躍花形記者となり、タブロイド紙に“名探偵カッレくん”のあだ名を付けられた。
第一部では、大物実業家ハンス=エリック・ヴェンネルストレムの不正を暴きながらも名誉毀損で有罪判決を下され、『ミレニアム』から身を引くが、ハリエット失踪事件の謎を追う一環で、編集部に戻る。
また、その調査の資料をリスベットがハッキングしたことをきっかけに、リスベットとの親交を持つようになる。
「リスベット・サランデル (Lisbeth Salander)」
1978年4月30日(ワルプルギスの夜祭りの日)24歳(開始当初)。
身長154cm、体重42kg。
ミルトン・セキュリティーのフリーの調査員。
情報収集能力に長けており、調査対象の人物の秘密を暴き出す能力がずば抜けて高い。感情表現が乏しい。
髪を極端に短く刈り、鼻と眉にピアスを付け、左の肩甲骨から腰の当たりにかけてドラゴンのタトゥーを、首には長さ2cmのスズメバチのタトゥーを、左の二の腕と足首の周りに帯状のタトゥーを施している。
赤毛の髪を黒に染めている。遠目に見たら痩せぎすの少年と見紛うほど、拒食症のように痩せた青白い肌をしている。
中学校を中退し、高校には進学していないが、映像記録能力と文章能力が大変優れている。
またコンピューターの知識にも優れ、ハッキング能力も高く、スウェーデン語でスズメバチを意味する“ワスプ”という名ではハッカー仲間から畏敬の念を抱かれているほど。
質問されても何も答えずに黙っているため、責任能力がない精神異常者の烙印を押され、後見人を付けられるようになる。
過去の虐待のトラウマを負っている影響で、敵対した人物に容赦なく制裁を加える攻撃的な面を持つ。
父はソ連時代のKGB元工作員、母は元娼婦という複雑な出自を持つ。
幼少時は悲惨な環境の下で暮らし、母が父の家庭内暴力で心身ともに重傷を負ったことをきっかけに、父への殺害を行ったことで精神病院に隔離された過去を持つ。
母は第一部後半で亡くなっている。
原作に名前のみ、映画未登場のカミラという双子の妹がいる。
ミカエルに対し、今まで誰にも抱いたことのない感情を抱き、困惑しながらも恋をしてしまったのだと気づく。
バイセクシュアルである。
≪『ミレニアム』関係者≫
「エリカ・ベルジェ」
『ミレニアム』編集長兼共同経営者。
母親はスウェーデン人、父親はスウェーデン在住のベルギー人の、上流階級出身者。
ミカエルとはジャーナリスト養成学校で出会って以来、断続的に肉体関係を続けている。既婚者だが、ミカエルとの仲は夫も周知の事実。
ジャーナリスト養成学校を出た後、テレビ局に入社し、テレビ映えする容姿を持ち、省庁に知り合いが多く、人脈も広いため、仕事を続けていれば管理職のポストも夢ではなかったはずだが、全てを投げ打ってミカエルと共に『ミレニアム』を創刊した。
「クリステル・マルム」
『ミレニアム』アートディレクター兼共同経営者。
少々露出症の気がある同性愛者(ゲイ)。
「ヤンネ・ダールマン」
『ミレニアム』編集補佐。
ヴェンネルストレム事件が始まった頃に入社した。
第一部で解雇される。
「ソニー・マグヌッソン」
『ミレニアム』広告営業担当者。
60歳。
リストラされ失業中だったところをエリカに拾われた。
「モニカ・ニルソン」
『ミレニアム』記者。
37歳。
専門は政治だが、他の多くの分野でも敏腕ぶりを発揮する。
皮肉屋。
「ヘンリー・コルテス」
『ミレニアム』見習い記者。
24歳。
大学でジャーナリズムを学び、卒業後すぐに「『ミレニアム』で働きたい」と訴え、常勤のフリー記者として雇われた。
「マーリン・エリクソン」
ダールマンの後任の編集補佐。
当初契約社員として雇われ、ヴェンネルストレム告発を通じて正社員に。
「ロッタ・カリム」
非常勤の記者。
≪ミカエルの周囲の人物≫
「モニカ・アブラハムソン」
ミカエルの元妻。
ミカエルとの結婚生活は約5年と短かったが、離婚後は友人関係を保っている。
現在は別の男性と再婚している。
「ペニラ・アブラハムソン」
ミカエルとモニカの娘。
16歳。
両親の離婚後は母親と暮らしている。ミカエルの意向で、ミカエルとはペニラ本人が会いたい時に会うようにしている。
「アニカ・ジャンニーニ」
ミカエルの3歳年下の妹。
イタリア系の夫との間に子どもが2人いる。
弁護士。
法学部卒業後、裁判所書記官となり、次いで次席検事として数年間働いた後、友人たちと法律事務所を開業した。
家族法を専門とし、女性の権利に詳しい弁護士として、テレビの討論番組などに登場する。
「グレーゲル・ベックマン」
エリカの夫。
芸術家。
エリカとミカエルの関係を容認している。
≪リスベットの周囲の人物≫
「ドラガン・アルマンスキー」
警備会社ミルトン・セキュリティーの社長。
56歳。
クロアチア生まれ。
父親はベラルーシ出身のアルメニア系ユダヤ人、母親はギリシャ人を先祖に持つボスニアのイスラム教徒。
妻はフィンランド人。
1970年代に経理担当として入社、顧客の会社の不正経理を見破り、不正会計のエキスパートとしてミルトン社の発展を担い、遂に社長に就任した。
「ホルゲル・パルムグレン」
弁護士。
リスベットの後見人。
問題児や社会に適応できない者の世話を引き受けている。
精神障害があると断定されかけていたリスベットを救い、友情に近い関係性を築いた。
アルマンスキーに紹介し、リスベットがミルトン社で働くきっかけを作った。
脳出血で倒れ重体となる。
「ニルス・エリック・ビュルマン」
弁護士。
パルムグレンが脳卒中で倒れたことでリスベットの後任の後見人になった。
リスベットを精神異常者だと決めつけ自分の意のままになると思い、暴力を振るいレイプするが、彼女から脅迫と暴行を受けた上、体に「私はサディストの豚、恥知らず、レイプ犯です」という入れ墨を入れられるという凄惨な報復に遭い、逆らえなくなる。
第二部では、復讐のためリスベットの過去を調べ上げ、拉致誘拐を計画する。
しかし、後に謀殺された。
「プレイグ」
リスベットより3歳年上の親友。
身長189cm、体重152kg。
“疫病神”と呼ばれるハッカー。
正常な社会生活ができないため、障害年金を受け取って生活している。
「ミミ(ミリアム・ウー)」
リスベットの親友。
レズビアン。
時々肉体関係を持つ。
「トリニティ」
プレイグの仲間。
相棒ボブ・ザ・ドッグと仕事をこなす。
電話の盗聴やEメールの監視をする。
≪第2部、第3部重要人物≫
「ダグ・スヴェンソン」
フリージャーナリスト。
少女売春組織を取材し『ミレニアム』に寄稿と出版を予定していたが、惨殺される。
「ミア・ベルイマン」
犯罪学、ジェンダー学の博士課程。
売春する少女に関する博士論文を執筆したが、惨殺される。
「アンデルス・シヴァルナンダン」
エルスタヴィーケン・リハビリテーションホームでのパルムグレンの主治医。
「アンデルス・ヨナソン」
サールグレングレンスカ大学病院外傷科長。
リスベットの手術をした。
「アレクサンデル・ザラチェンコ」、スウェーデン名「カール・アクセル・ボディーン」
リスベット、ニーダーマンの父親で犯罪組織の黒幕。
元ソ連のKGBスパイ。
「ロナルド・ニーダーマン」、「金髪の巨人」
ザラの息子で、リスベットの兄。
「グンナル・ビョルク」
公安警察官。買春客。
「ペール=オーケ・サンドストレム」
フリーライター。買春客。
売春斡旋マフィアの手先。
「イリーナ・P」
売春婦。
「ハリエット・ヴァンゲル」
リカルドの孫娘。
ゴットフリードの娘。
マルティンの妹。
実の親から育児放棄をされ、兄・マルティンと共に、子どもがいなかったヘンリックが世話をした。
1966年9月、16歳の時にヘーデビー島から失踪する。
父と兄の性的虐待に耐え兼ね、ゴットフリードを水の事故に見せかけ殺害した後、マルティンから逃れるために亡命していた。
生存が確認されてからは、オーストラリアで築き上げた企業グループを長男に任せ帰国。
地に堕ちた信用を回復させるために、新たにヴァンゲル・グループ会長の座に就任し、『ミレニアム』の共同経営者に名を連ねる。
![ミレニアム2 火と戯れる女(原題:Flickan som lekte med elden)](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/53/fd7ee67343fc1cff2b35fc9e6c2815e8.jpg)
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』に続き「スティーグ・ラーソン」作品です。
-----story-------------
〈上〉
女性調査員「リスベット」にたたきのめされた後見人の「ビュルマン」は復讐を誓い、彼女を憎む人物に連絡を取る。
そして彼女を拉致する計画が動き始めた。
その頃「ミカエル」らはジャーナリストの「ダグ」と恋人「ミア」が進める人身売買と強制売春の調査をもとに、『ミレニアム』の特集号と書籍の刊行を決定する。
「ダグ」の調査では背後に「ザラ」という謎の人物がいるようだ。
「リスベット」も独自に「ザラ」を追うが、彼女の拉致を図る者たちに襲撃された!
〈下〉
「リスベット」は襲撃者たちを撃退した。
だが「ダグ」と「ミア」が殺され、現場で「リスベット」の指紋がついた拳銃が発見された。
さらに意外な人物の死体も見つかり、彼女は連続殺人の容疑者として指名手配される。
「リスベット」が犯人と思えない「ミカエル」は彼女と連絡を取り、事件の調査を進める。
やがて「リスベット」は、ある重大な情報をつかんだ。
そして「ミカエル」は「ザラ」の正体を知るが……「リスベット」の衝撃的な過去が明かされる激動の第2部。
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30カ国以上で翻訳され、全世界で800万部以上を売り上げたベストセラー作品、、、
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』が愉しめたので、続篇を読みました。
〈上〉
■プロローグ
■第一部 変則的な方程式 十二月十六日~十二月十八日
■第二部 ロシアより愛をこめて 一月十日~三月二十日
■第三部 不合理な方程式 三月二十三日~三月二十九日
■訳者あとがき ヘレンハルメ美穂
〈下〉
■第三部 不合理な方程式(承前) 三月二十九日~四月三日
■第四部 ターミネーター・モード 三月二十四日~四月八日
■解説 北上次郎
本作品は、「リスベット・サランデル」が主役… 頭脳明晰で抜群の情報収集能力と映像記憶能力を備え、身長150cm、体重40kgの体躯からは信じられない格闘技力を持ち、超一流のハッカーとしてのスキルがあるが、社会性が著しく欠如しており一人前の成人として生活ができなとの烙印を押され後見人が付いている等々の強烈な個性を持つ女性、、、
読み進めるうちに、その魅力に惹きつけられて… どんどん「リスベット」に感情移入してしまい、「リスベット」を好きになってしまう作品でしたね。
物語は、前作で大金を手に入れた「リスベット」が長い海外旅行に出ているエピソードから始まります、、、
世界を巡る旅に出て、カリブ海の小国グレナダで過ごした後、再びスウェーデンに戻った「リスベット」ですが、「リスベット」への復讐を目論む後見人「ニルス・エリック・ビュルマン」の行動から思わぬ事件に巻き込まれます。
『ミレニアム』の特集号に記事が採用予定だったジャーナリスト「ダグ」とその恋人「ミア」が自宅で銃殺され、その後「ビュルマン」も自宅で銃殺されていたことが発覚し、その容疑者として「リスベット」は指名手配され、「リスベット」は警察から追われる羽目に、、、
「リスベット」の犯行とは信じられない「ミカエル・ブルムクヴィスト」や「ドラガン・アルマンスキー」は彼女を救おうとして行動を開始します… 思いがけない殺人と予想できない展開、そしてこれまで謎のベールに包まれていた「リスベット」の衝撃的な過去が明らかになります。
「リスベット」の過去を知り、彼女の際立った能力や個性の成り立ちが明らかになることにより、彼女が感じた閉塞感や孤独感が伝わってくるとともに、彼女の強さに憧れや羨望を感じましたね… 益々「リスベット」のことが好きになりました。
「ザラ」の正体は、そんな感じかなぁ… と思いましたが、「金髪の巨人」の正体には驚きましたね、、、
面白かったので、上下巻で1,000ページ強という長篇にも関わらず、集中力を持続して読めましたね。
特に中盤以降の「リスベット」が「ザラ」と「金髪の巨人」に挑む展開は愉しめましたね。
続篇も読みますよ!
以下、主な登場人物です。
≪主要人物≫
「ミカエル・ブルムクヴィスト (Mikael Blomkvist)」
雑誌『ミレニアム』のジャーナリスト兼発行責任者兼共同経営者。
1960年1月18日生まれの43歳(開始当初)。
フルネームはカール・ミカエル・ブルムクヴィスト。
23歳の時に、世間を騒がせていた連続銀行強盗グループの正体を暴き、一躍花形記者となり、タブロイド紙に“名探偵カッレくん”のあだ名を付けられた。
第一部では、大物実業家ハンス=エリック・ヴェンネルストレムの不正を暴きながらも名誉毀損で有罪判決を下され、『ミレニアム』から身を引くが、ハリエット失踪事件の謎を追う一環で、編集部に戻る。
また、その調査の資料をリスベットがハッキングしたことをきっかけに、リスベットとの親交を持つようになる。
「リスベット・サランデル (Lisbeth Salander)」
1978年4月30日(ワルプルギスの夜祭りの日)24歳(開始当初)。
身長154cm、体重42kg。
ミルトン・セキュリティーのフリーの調査員。
情報収集能力に長けており、調査対象の人物の秘密を暴き出す能力がずば抜けて高い。感情表現が乏しい。
髪を極端に短く刈り、鼻と眉にピアスを付け、左の肩甲骨から腰の当たりにかけてドラゴンのタトゥーを、首には長さ2cmのスズメバチのタトゥーを、左の二の腕と足首の周りに帯状のタトゥーを施している。
赤毛の髪を黒に染めている。遠目に見たら痩せぎすの少年と見紛うほど、拒食症のように痩せた青白い肌をしている。
中学校を中退し、高校には進学していないが、映像記録能力と文章能力が大変優れている。
またコンピューターの知識にも優れ、ハッキング能力も高く、スウェーデン語でスズメバチを意味する“ワスプ”という名ではハッカー仲間から畏敬の念を抱かれているほど。
質問されても何も答えずに黙っているため、責任能力がない精神異常者の烙印を押され、後見人を付けられるようになる。
過去の虐待のトラウマを負っている影響で、敵対した人物に容赦なく制裁を加える攻撃的な面を持つ。
父はソ連時代のKGB元工作員、母は元娼婦という複雑な出自を持つ。
幼少時は悲惨な環境の下で暮らし、母が父の家庭内暴力で心身ともに重傷を負ったことをきっかけに、父への殺害を行ったことで精神病院に隔離された過去を持つ。
母は第一部後半で亡くなっている。
原作に名前のみ、映画未登場のカミラという双子の妹がいる。
ミカエルに対し、今まで誰にも抱いたことのない感情を抱き、困惑しながらも恋をしてしまったのだと気づく。
バイセクシュアルである。
≪『ミレニアム』関係者≫
「エリカ・ベルジェ」
『ミレニアム』編集長兼共同経営者。
母親はスウェーデン人、父親はスウェーデン在住のベルギー人の、上流階級出身者。
ミカエルとはジャーナリスト養成学校で出会って以来、断続的に肉体関係を続けている。既婚者だが、ミカエルとの仲は夫も周知の事実。
ジャーナリスト養成学校を出た後、テレビ局に入社し、テレビ映えする容姿を持ち、省庁に知り合いが多く、人脈も広いため、仕事を続けていれば管理職のポストも夢ではなかったはずだが、全てを投げ打ってミカエルと共に『ミレニアム』を創刊した。
「クリステル・マルム」
『ミレニアム』アートディレクター兼共同経営者。
少々露出症の気がある同性愛者(ゲイ)。
「ヤンネ・ダールマン」
『ミレニアム』編集補佐。
ヴェンネルストレム事件が始まった頃に入社した。
第一部で解雇される。
「ソニー・マグヌッソン」
『ミレニアム』広告営業担当者。
60歳。
リストラされ失業中だったところをエリカに拾われた。
「モニカ・ニルソン」
『ミレニアム』記者。
37歳。
専門は政治だが、他の多くの分野でも敏腕ぶりを発揮する。
皮肉屋。
「ヘンリー・コルテス」
『ミレニアム』見習い記者。
24歳。
大学でジャーナリズムを学び、卒業後すぐに「『ミレニアム』で働きたい」と訴え、常勤のフリー記者として雇われた。
「マーリン・エリクソン」
ダールマンの後任の編集補佐。
当初契約社員として雇われ、ヴェンネルストレム告発を通じて正社員に。
「ロッタ・カリム」
非常勤の記者。
≪ミカエルの周囲の人物≫
「モニカ・アブラハムソン」
ミカエルの元妻。
ミカエルとの結婚生活は約5年と短かったが、離婚後は友人関係を保っている。
現在は別の男性と再婚している。
「ペニラ・アブラハムソン」
ミカエルとモニカの娘。
16歳。
両親の離婚後は母親と暮らしている。ミカエルの意向で、ミカエルとはペニラ本人が会いたい時に会うようにしている。
「アニカ・ジャンニーニ」
ミカエルの3歳年下の妹。
イタリア系の夫との間に子どもが2人いる。
弁護士。
法学部卒業後、裁判所書記官となり、次いで次席検事として数年間働いた後、友人たちと法律事務所を開業した。
家族法を専門とし、女性の権利に詳しい弁護士として、テレビの討論番組などに登場する。
「グレーゲル・ベックマン」
エリカの夫。
芸術家。
エリカとミカエルの関係を容認している。
≪リスベットの周囲の人物≫
「ドラガン・アルマンスキー」
警備会社ミルトン・セキュリティーの社長。
56歳。
クロアチア生まれ。
父親はベラルーシ出身のアルメニア系ユダヤ人、母親はギリシャ人を先祖に持つボスニアのイスラム教徒。
妻はフィンランド人。
1970年代に経理担当として入社、顧客の会社の不正経理を見破り、不正会計のエキスパートとしてミルトン社の発展を担い、遂に社長に就任した。
「ホルゲル・パルムグレン」
弁護士。
リスベットの後見人。
問題児や社会に適応できない者の世話を引き受けている。
精神障害があると断定されかけていたリスベットを救い、友情に近い関係性を築いた。
アルマンスキーに紹介し、リスベットがミルトン社で働くきっかけを作った。
脳出血で倒れ重体となる。
「ニルス・エリック・ビュルマン」
弁護士。
パルムグレンが脳卒中で倒れたことでリスベットの後任の後見人になった。
リスベットを精神異常者だと決めつけ自分の意のままになると思い、暴力を振るいレイプするが、彼女から脅迫と暴行を受けた上、体に「私はサディストの豚、恥知らず、レイプ犯です」という入れ墨を入れられるという凄惨な報復に遭い、逆らえなくなる。
第二部では、復讐のためリスベットの過去を調べ上げ、拉致誘拐を計画する。
しかし、後に謀殺された。
「プレイグ」
リスベットより3歳年上の親友。
身長189cm、体重152kg。
“疫病神”と呼ばれるハッカー。
正常な社会生活ができないため、障害年金を受け取って生活している。
「ミミ(ミリアム・ウー)」
リスベットの親友。
レズビアン。
時々肉体関係を持つ。
「トリニティ」
プレイグの仲間。
相棒ボブ・ザ・ドッグと仕事をこなす。
電話の盗聴やEメールの監視をする。
≪第2部、第3部重要人物≫
「ダグ・スヴェンソン」
フリージャーナリスト。
少女売春組織を取材し『ミレニアム』に寄稿と出版を予定していたが、惨殺される。
「ミア・ベルイマン」
犯罪学、ジェンダー学の博士課程。
売春する少女に関する博士論文を執筆したが、惨殺される。
「アンデルス・シヴァルナンダン」
エルスタヴィーケン・リハビリテーションホームでのパルムグレンの主治医。
「アンデルス・ヨナソン」
サールグレングレンスカ大学病院外傷科長。
リスベットの手術をした。
「アレクサンデル・ザラチェンコ」、スウェーデン名「カール・アクセル・ボディーン」
リスベット、ニーダーマンの父親で犯罪組織の黒幕。
元ソ連のKGBスパイ。
「ロナルド・ニーダーマン」、「金髪の巨人」
ザラの息子で、リスベットの兄。
「グンナル・ビョルク」
公安警察官。買春客。
「ペール=オーケ・サンドストレム」
フリーライター。買春客。
売春斡旋マフィアの手先。
「イリーナ・P」
売春婦。
「ハリエット・ヴァンゲル」
リカルドの孫娘。
ゴットフリードの娘。
マルティンの妹。
実の親から育児放棄をされ、兄・マルティンと共に、子どもがいなかったヘンリックが世話をした。
1966年9月、16歳の時にヘーデビー島から失踪する。
父と兄の性的虐待に耐え兼ね、ゴットフリードを水の事故に見せかけ殺害した後、マルティンから逃れるために亡命していた。
生存が確認されてからは、オーストラリアで築き上げた企業グループを長男に任せ帰国。
地に堕ちた信用を回復させるために、新たにヴァンゲル・グループ会長の座に就任し、『ミレニアム』の共同経営者に名を連ねる。
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