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『貧乏だけど贅沢』 沢木耕太郎

2016年10月21日 20時06分00秒 | ■読書
「沢木耕太郎」の旅をテーマした対談集『貧乏だけど贅沢』を読みました。


危機の宰相テロルの決算若き実力者たち 現代を疾走する12人に続き「沢木耕太郎」作品です。

-----story-------------
旅について語り尽くす10人との対話
人はなぜ旅をするのか?
「井上陽水」「阿川弘之」「群ようこ」「高倉健」など、全地球を駆けめぐる豪華な面々との優雅なるダイアローグ

いきなり空港へ行ってから、そこで初めて目的地を選び、切符を買うと語る「井上陽水」
「群ようこ」のアメリカ初体験は下着モニターだった。
「高倉健」が理想とする死に場所とは……。
人はなぜ旅をするのか。
なぜ旅に惹かれるのか。
常に考え続ける著者が、旅における「贅沢な時間」をめぐって10人と語り尽くした対談集成。
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なぜ旅に出るのか、なぜ旅を続けるのか、そしていかにして旅を終わらせるか… 「沢木耕太郎」が旅をテーマに、旅好きの豪華な面々(10人)と旅における貧乏と贅沢について語り尽くした対談集です。

 ■森の少女とカジノの男(井上陽水)
 ■贅沢な旅(阿川弘之)
 ■十年の後に(此経啓助)
 ■死に場所を見つける(高倉健)
 ■旅を生き、旅を書く(高田宏)
 ■出発の年齢(山口文憲)
 ■終わりなき旅の途上で(今福龍太)
 ■だから旅はやめられない(群ようこ)
 ■ラテンの悦楽(八木啓代)
 ■博奕的人生(田村光昭)
 ■あとがき
 ■文庫本のためのあとがき
 ■解説 此経啓助


旅をテーマにした対談… 愉しく読めましたね、、、

成田空港に到着してから目的地を決めちゃう豪快さと、
ドイツの森で迷って助けられた一軒家で少女と巡り合うという繊細な夢をあわせ持つ「井上陽水」との対談、

豪華客船の旅を愛する「阿川弘之」との対談、

『深夜特急』絡みの会話が愉しめる「此経啓助」「高田宏」との対談、

26歳で旅に出ることの適齢期説を二人で自己正当化する「山口文憲」との対談、

ハワイやポルトガルが好きで意気投合し、映画への想いを語る「高倉健」との対談、

哲学的でムズカシイ内容の多い「今福龍太」との対談、

下着モニタとして渡米したのが初の海外体験というエピソードを始め、
約70ページという収録作品中最長の対談にも拘わらず全く飽きさせない「群ようこ」との対談、

ラテン論… キューバ(の中華思想)賛辞で盛り上がる「八木啓代」との対談、

麻雀、バカラ等の博打論とマカオ好きで盛り上がる「田村光昭」との対談、

それぞれ、旅に関する視点や考え方に違いがあって面白かったです。

相手の良さを引き出す「沢木耕太郎」のインタヴュアーとしての本領を発揮している作品でしたね、、、

本作品の魅力にひとつは対談の中で「沢木耕太郎」が自らの旅に対する思いや好みを話すところかな… 特にハワイ好きで、ハワイにおける完璧な一日を紹介していることは興味深かったですね。

【「沢木耕太郎」のハワイにおける完璧な一日】
 ~「山口文憲」「群ようこ」との対談より~

 ●コンドミニアムかアパートを1カ月くらい借りる
 ●8時頃に起床してレストランでパンケーキを食べる
 ●水着を入れたビニールバッグを持ってハワイ大学へ行く
 ●ハワイ大学の図書館で本を読みながらうたた寝
 ●12時になるとハワイ大学の学生食堂で昼食
 ●ハワイ大学の図書館へ戻り1~2時間本を読む
 ●アラモアナ公園のトイレで着替えてビーチで1~2時間泳ぐ
 ●16時くらいにアラモアナ・ショッピングセンタで食料品を買いアパートへ戻る
 ●キッチンで夕食の下ごしらえを済ませる
 ●アラワイ運河の土手を軽くジョギング
 ●ビールを飲みながら夕食を調理
 ●野球かフットボールかバスケを見ながら夕食
 ●22時くらいにバーで一杯飲んでから帰って寝る

イイなぁ… そんな旅行をしてみたいな、、、

と言っても、1カ月も休めないもんなぁ… 憧れちゃうなぁ。

自分にとって旅って何なのかな、若い頃なら行けたのかな… ホントに『深夜特急』を再読したくなりました。



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