"Barry Lyndon"
先日、BS12で放映されていた『バリー・リンドン』を観ました。
-----story-------------
「キューブリック」ほど文学の映像化に長けた作家もいなかろう。
すべて原作に基きながら、それを読んで得られるイメージを遥かに凌駕したものを、彼の映画は突きつける。
本作などその最たるもの。
サッカレーのピカレスク・ロマンが原作だが、その写実主義を的確に具現化しながら、より19世紀的な(それも抑制された)ロマンチシズムを醸し、更に20世紀の意識の流れ的表現にまで昇華させる、演出、撮影、編集の三位一体に陶然とさせられる(加えて、古典曲の頭脳的な使用も特筆に価する)。
ナイーヴだが人好きのするアイルランド青年が、英国貴族として生きようと決意、迅速な日和見主義で成り上がる話だが、でくの坊役者「オニール」の没個性を逆手に取り、主人公のうすぼんやりした気性を巧妙に表現したのにも感心させられる。
そして語り尽くされた名手「J・オルコット」のローソク光のみの室内撮影はやはり凄い。
“頭は醒めているのに肉体は疼く”といった官能を、こうまで描けた映画はあるまい。
-----------------------
「スタンリー・キューブリック監督」の異色作… 18世紀後半のヨーロッパを舞台に、野望に燃える青年の立身出世と、晩年の悲惨な人生を描いた歴史ロマン作品です。
幼い頃、父親が決闘で命を落とした「レイモンド・バリー」… 青年に成長すると従姉の「ノーラ」と恋に落ちるが、恋のライバルである英国軍将校と決闘し、これに打ち勝つが警察沙汰になることを危惧する友人の助言に従い、故郷を離れ逃亡と放浪の旅に出ることになる、、、
故郷を離れた「バリー」は道中、一文無しになってしまい、一度は英国軍に入隊するが脱走、やがてプロシア軍に入隊したことが縁でオーストリア皇帝の息のかかった「シュヴァリエ・ド・バリバリ」という男に出会う… やがて意気統合したふたりは、賭博で儲けた金であてのない流れ者生活に浸っていった。
そんなある日、「バリー」はベルギーの豪華ホテルで富豪の貴婦人「レディー・リンドン」に出会い、わすか6時間後には彼女の心をすっかり射止めてしまう… こうして、「バリー」の豪華絢爛な貴族生活が始まることになるが………。
青年「バリー」の華麗な恋と冒険の日々、そして悲惨な晩年を豊かな映像美で描いた、壮大な歴史ドラマ… 大河ドラマでしたね、、、
「バリー」の野心に満ちた波乱万丈な人生… この先どうなっちゃうんだろう という思いを抱えながら魅入ってしまい、3時間強の時間を長く感じませんでしたね。
-----staff/cast-------------
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
製作総指揮:ヤン・ハーラン
共同製作:バーナード・ウィリアムズ
原作:ウィリアム・メイクピース・サッカレー
脚本:スタンリー・キューブリック
撮影:ジョン・オルコット
プロダクションデザイン:ケン・アダム
美術:ロイ・ウォーカー
衣装デザイン:ミレーナ・カノネロ
ウルラ=ブリット・ショダールンド
編集:トニー・ローソン
音楽:レナード・ローゼンマン
出演:
ライアン・オニール バリー・リンドン
マリサ・ベレンソン レディー・リンドン
パトリック・マギー シェバリエ
スティーヴン・バーコフ
マーレイ・メルヴィン
ハーディ・クリューガー
レナード・ロシター
アンドレ・モレル
先日、BS12で放映されていた『バリー・リンドン』を観ました。
-----story-------------
「キューブリック」ほど文学の映像化に長けた作家もいなかろう。
すべて原作に基きながら、それを読んで得られるイメージを遥かに凌駕したものを、彼の映画は突きつける。
本作などその最たるもの。
サッカレーのピカレスク・ロマンが原作だが、その写実主義を的確に具現化しながら、より19世紀的な(それも抑制された)ロマンチシズムを醸し、更に20世紀の意識の流れ的表現にまで昇華させる、演出、撮影、編集の三位一体に陶然とさせられる(加えて、古典曲の頭脳的な使用も特筆に価する)。
ナイーヴだが人好きのするアイルランド青年が、英国貴族として生きようと決意、迅速な日和見主義で成り上がる話だが、でくの坊役者「オニール」の没個性を逆手に取り、主人公のうすぼんやりした気性を巧妙に表現したのにも感心させられる。
そして語り尽くされた名手「J・オルコット」のローソク光のみの室内撮影はやはり凄い。
“頭は醒めているのに肉体は疼く”といった官能を、こうまで描けた映画はあるまい。
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「スタンリー・キューブリック監督」の異色作… 18世紀後半のヨーロッパを舞台に、野望に燃える青年の立身出世と、晩年の悲惨な人生を描いた歴史ロマン作品です。
幼い頃、父親が決闘で命を落とした「レイモンド・バリー」… 青年に成長すると従姉の「ノーラ」と恋に落ちるが、恋のライバルである英国軍将校と決闘し、これに打ち勝つが警察沙汰になることを危惧する友人の助言に従い、故郷を離れ逃亡と放浪の旅に出ることになる、、、
故郷を離れた「バリー」は道中、一文無しになってしまい、一度は英国軍に入隊するが脱走、やがてプロシア軍に入隊したことが縁でオーストリア皇帝の息のかかった「シュヴァリエ・ド・バリバリ」という男に出会う… やがて意気統合したふたりは、賭博で儲けた金であてのない流れ者生活に浸っていった。
そんなある日、「バリー」はベルギーの豪華ホテルで富豪の貴婦人「レディー・リンドン」に出会い、わすか6時間後には彼女の心をすっかり射止めてしまう… こうして、「バリー」の豪華絢爛な貴族生活が始まることになるが………。
青年「バリー」の華麗な恋と冒険の日々、そして悲惨な晩年を豊かな映像美で描いた、壮大な歴史ドラマ… 大河ドラマでしたね、、、
「バリー」の野心に満ちた波乱万丈な人生… この先どうなっちゃうんだろう という思いを抱えながら魅入ってしまい、3時間強の時間を長く感じませんでしたね。
-----staff/cast-------------
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
製作総指揮:ヤン・ハーラン
共同製作:バーナード・ウィリアムズ
原作:ウィリアム・メイクピース・サッカレー
脚本:スタンリー・キューブリック
撮影:ジョン・オルコット
プロダクションデザイン:ケン・アダム
美術:ロイ・ウォーカー
衣装デザイン:ミレーナ・カノネロ
ウルラ=ブリット・ショダールンド
編集:トニー・ローソン
音楽:レナード・ローゼンマン
出演:
ライアン・オニール バリー・リンドン
マリサ・ベレンソン レディー・リンドン
パトリック・マギー シェバリエ
スティーヴン・バーコフ
マーレイ・メルヴィン
ハーディ・クリューガー
レナード・ロシター
アンドレ・モレル
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