バイト生活で13年ほど暮らしてきたのだが、32歳のころか、正社員として品川埠頭にある運送会社の引っ越し部門に就職して働きだした。
引っ越し作業というものは重労働であるが体を鍛えて金になるのである。
階段から階段へと冷蔵庫やら洗濯機などバンバン運んでいた。引っ越し先でいらなくなったというのでサンドバッグやダンベルなどを引き取って、会社の倉庫にぶら下げて、これまたガンガン稽古をしていたんだねぇ。
そのうちに引っ越しのアルバイトの若者が空手を教えてくださいというので、教え始めたのが空手の指導の始まりである。
それまでは一人で黙々と稽古に励んでいたのだが仲間が増えるとこれはこれで楽しくなってくるのである。
引っ越し会社では若いものと当時はやっていたシャツなどを着て遊んでいたねぇ、もちろんお客の前ではしっかりやっていたのだが。
このころのエピソードもたくさんあるが、とてもじゃないが紹介しきれない。
毎日関東一円はともかく東北や九州、関西まで動き回っていた。首都圏の道路はすべて頭に入っていたと思っていたね。