太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

#457 長さんが刑事を辞めたくなった

2017年11月26日 | 太陽にほえろ!
矢追信用金庫に爆弾を仕掛けたという脅迫状が送られてきた。犯人は、現金1600万円を要求。
矢追駅のロッカーに預け、鍵を駅の公衆電話の下に置けという。
長さん(下川辰平)とドック(神田正輝)が駅を張り込み、ゴリさん(竜雷太)たちは信用金庫内で爆弾を捜索する。
しかし、女子トイレから煙が出た騒ぎに乗じて、ロッカーの現金がまんまと奪われてしまう。
長さんとドックは現場から立ち去った掃除のおばさんの行方を探す。


犯人からの脅迫状から、印刷関係で使われる特殊な糊が検出され、長さんは同じ団地に住む時田(小坂一也)が印刷関係の仕事をしていると聞き、
糊のことを教えてもらいに行く。



奥さん同士が知り合いで、時田自身も実直な性格で、長さんも好印象を抱く。
しかし、時田の会社が3年前に窃盗で1450万円を失い倒産したこと、信用金庫の向かいの喫茶店の店員が目撃した不審な男と
同じような手の震えがあること、脅迫状に猫の毛が着いていて、時田の家にも猫がいること…。
偶然が重なり、長さんは時田を疑わざるを得ない。

さらに、捕まえた掃除のおばさんが、自分の息子がひき逃げされ、150万円の損害賠償を受けられず落ち込んでいたところを、
見知らぬ男から「取り返してやる」と持ち掛けられ協力したと自白。時田とおばさんの被害の合計が、犯人が要求した額と一致した。


容疑者が同じ団地の住人で、奥さんも子どもも顔見知り。しかも向こうは長さんのことを好意的に見てくれている。
そんなところに真相を尋ねに行くのはつらいですね。
でも、長さんは刑事の務めとして、自分で時田に疑惑をぶつけます。
時田が3年前の被害を今になって取り戻そうとしたきっかけが、自分(長さん)が窃盗被害の担当刑事に似ていたからだと聞かされ、
がっくりくる長さん。

やるせない表情でベンチに座る長さんの横に現れたボス。

刑事を辞めたくなったのがスニーカー(山下真司)なら「またか」と言われそうですが、長さんとなると心配です。

でも、途中で放り出すのは性に合わない。3年前の窃盗事件を洗い直すと言って歩きだす長さんをまぶしそうに見送るボス。
小柄な長さんの後ろ姿が、大きく見えました。


【本日のベストアクト】
矢追駅のロッカーを見張るドックは、そこしかなかったのか女子トイレの前にずっといるもんだから、不審者扱いされて駅員に言いつけられます。
「ほらほら、目つきだって普通じゃないですよ」

(たしかにw)

あわてて通りかかった女性に待ち合わせを装い強引に協力を要請。
すぐに女性に謝るのですが、「なによ!」と平手打ちをくらいます。
ありがちなシーンとはいえ、こんなにビンタが似合う人を私は知りませんw
もしかしたらホントに痛くて神田さんが思わず笑っちゃってる?ようにも見えます。

#432 スリ学入門

2017年11月21日 | 太陽にほえろ!


非番なのか早上がりなのか、またしてもドック(神田正輝)とスニーカー(山下真司)コンビが日の高いうちから
浮かれて歩いています。てか、ドック、気合入れて蝶ネクタイしてるけど、ふだんの恰好の方が断然いいぞ。

交通課の美人婦警を一か月がかりでようやくデートに誘い出し、食事をして次はディスコに…というところで、
ドックは財布がないことに気づく。さきほど目の前でふらふらと倒れた老人を助けた時にすられたのだと思い当たるも後の祭り。

翌日、被害届を出すべきというスニーカーを制し、ドックはひそかに前科者リストを調べ、老人が菅井喜市(浜村純)というベテランの
スリであることを突き止める。

スニーカー、そして彼から事情を聞いたロッキー(木之元亮)とともに喜市を張り込むものの、今度は彼の弟子たちによって
警察手帳をすられてしまう。
さすがにボス(石原裕次郎)からは怒鳴られ、ゴリさん(竜雷太)からは「それでもデカか」と呆れられる。

しかし、まもなくなんと喜市本人が一係に拾い物だと言ってドックの警察手帳を返しにくる。
完全にからかわれているドックは、何を思ったか休暇を取って、喜市に弟子入りするのだった。


ドックの犯罪入門シリーズ。記念すべき第一弾は、神田さんがプロデューサーに
「刑事が犯罪者に入門しちゃったらどうなんでしょうねー」と軽いノリで話したのがきっかけで生まれたそうです。
こういう柔軟で面白がりなところがドックそのものですね。


腕立て伏せやうさぎ跳びなどをさせられヘロヘロのドックがですが、喜市のアパートに戻ってご飯を4杯もおかわり。
しごいてへばらせてやろうという喜市の目論見は外れますが、このへんのドックの図太さが頑固な年長者にウケるのか、
最初は警戒していた喜市も、息子ほどの年齢の変わった刑事に弟子入りを許し、電車や街中でスリの実演をしてやります。





ベテランのスリもなんだか楽しげ。ロッキーが迎えに来てドックをむりやり連れて帰ってしまったときには、
「あばよ、まぬけ坊や」などと毒づきながらも寂しそうな表情。

三課のスリ担当の刑事から、喜市には実は息子がいて、自分が服役中に有り金残らず持ち去られた過去があると聞いたドックは、
吉野巡査(横谷雄二)を囮にし、喜市との勝負に挑み、みごと勝利。師匠は素直に負けを認め、弟子を称えるのでした。



のちのサギ師、ハコ師の師匠たちも一筋縄ではいかない相手ですが、どういうわけかドックはそういう頑固オヤジの懐に入りこみ、
疑似親子のような情を交わすことになります。偏屈な相手にも物怖じせず、ちょっと生意気なところがいいんでしょうか。
しかし、そんなことより本当の父親と和解しなくては。
心配していたら、その機会は意外にすぐにやってきました…。


【本日の二度見】
おなじみ一係でのシーン。
スニーカーとナーコがやけに密着しているのですが、いつのまに??
この回だけでなく、この時期、ふたりの仲が良い場面が時々出てきます。
交通課はあきらめたか?

スコッチw  ドックのお尻のポケットを物色中。




#442 引金に指はかけない

2017年11月18日 | 太陽にほえろ!


銀行強盗の現場に居合わせたスニーカー(山下真司)は、犯人の一人が明確な意志をもって行員を射殺したと証言。
やがて、犯人一味と思われる男が相次いで殺され、主犯格の香川(片桐竜次)が捜査線上に浮かぶ。
子犬をも射殺し、スニーカーに追われて逃げる途中、躊躇なく無関係の老人を撃つ異常な行動に刑事たちは戦慄する。


片桐竜次さん。今でこそ穏やかで優しい役もありますが、このころはギラギラしていかにも危なそうな気配が立ちこめていましたね。
犯人役がピタリとはまると、俄然ドラマが面白くなります。

さて、この回はいつもと違った演出が多くみられました。
気になったものを挙げてみます。


「それもわかった」
なぜ非情な犯人がそこまで小さな犬を怖がるのか。
長さん(下川辰平)が、みんなの会話の途中で部屋に入ってきてひとこと。
RH(-)AB型という特殊な血液型のため、輸血が難しいせいで怪我を極端に恐れているのではということですが、
いつもなら山さん(露口茂)が言いそうです。

ジーパンのテーマ
アクションシーンでおなじみの曲が、今回は日赤血液センターに輸血用血液の要請があったことがわかり、
ボス(石原裕次郎)が無線でみんなに指示を出す場面でかかりました。

走るドック
七曲署の若手刑事といえば、とにかく走る。その伝統を覆してきたドック(神田正輝)が本編ではけっこう走っています。
ダントツに速いのはスニーカーですが、走るのが苦手というドックも上り坂でバテることなく、
のちのボギー(世良公則)に比べたらはるかにスタミナもありそうです。

本日の現場リーダー?ロッキー
スニーカー、ドックとともに香川を追うロッキー(木之元亮)。
「ドック、こっち!」「ドック、自転車!」「ドック、ジャンプ!」と指示を出し、
ドックも素直に従ってロッキーの背中を踏み台にしてフェンスを越え、
自転車に乗っていた男性に覆いかぶさって香川の銃弾から守るという大技を決めておりました。

劇伴なしの追跡
これら一連の追跡場面に珍しく音楽がかかりません。
ひたすら走る足音、息遣い、周囲の音などがダイレクトに伝わり、追跡シーンがリアリティを増すという効果があったと思います。
途中からゴリさん(竜雷太)が覆面車で追いつき、坂道を駆け上がるドック、ロッキー、スニーカーの脇を追い越していくのを
助手席側から映した画もおもしろかったです。

銃撃シーンのアングル
公園に香川を追いつめたものの、近くになにも知らない子供がふたり。
香川を引きつけるべく飛び出したスニーカーと、子供の救助に向かったゴリさんの援護射撃をするドックを
彼の右後ろから映した珍しいアングル。
ドックになって拳銃を撃っている気分もちょっと味わえます。


見守るゴリさん
本来ならゴリさんが3人に指示を出して現場を仕切るところですが、今回は若手教育の一環か、一歩下がった立ち位置です。
ゴリさんだけ拳銃を持っていないのは謎ですが、ゴリさんが持っていたら一発で香川を仕留めて終わっちゃうので
敢えて出さなかったんでしょうかw
しかし、拳銃を持っていなくても頼れることに変わりなし。子供たちが背中にぴったり張りつく気持ち、わかります。


安定の山さん
こちらはおなじみの締めのシーンでの素敵な山さん。
スニーカーにゲームを一緒にやろうと誘われ、ゴリさんにどーぞ、という仕草。

結局今日も山さんに持っていかれてしまった…。

#438 取調室

2017年11月12日 | 太陽にほえろ!
「太陽にほえろ!」は全718話(PARTⅡは12話)。似たような事件、設定が出てきたとしても致し方ないことですが、
サブタイトルはかぶらないようにするのが大変だったと思います。
そんなたくさんのタイトルの中でも、今回の『取調室』は、印象深いもののひとつです。

なにしろ、『取調室』と聞いただけで、山さんの主演だとわかる。
「太陽」に限らず、古今東西の刑事もののなかで、一番『取調室』が似合うのは、われらが山さん(露口茂)じゃないでしょうか。


今回山さんが対決するのは、30代半ばで独立事務所を構えるエリート弁護士の草野(原田大二郎)。

草野の事務所に勤めていた女性が自宅の浴槽の中で絞殺死体で発見される。
第一発見者は、食事の約束をしていて迎えに来たという草野本人。
物取りの犯行にしては殺し方が念入りすぎるし、帰宅後、暖房もつけずに先に浴槽に湯をためているというのも不自然。

山さんは、早い段階から草野に目をつけ、一見完璧に見える彼のアリバイを洗い直す。

最初に観た時は、山さんと草野の取調室でのやりとりがスリリングで、ふたりの対決ものという印象でしたが、
あらためて観てみると、山さんはもちろん、ボス(石原裕次郎)以下一係のメンバーがアリバイを崩すために文字通り奔走していて、
一係対弁護士という構図でしたね。

エリート弁護士らしく鷹揚に構えている草野。
刑事ドラマあるあるの、取調室でカツ丼を勧めるドック(神田正輝)に対し、
「あなたが食べればいい。一食浮けば助かるでしょう」などと余裕の態度。

しかし、山さんは彼の前でわざと長さん(下川辰平)から捜査の結果を聞き(内容は聞かせない)、ドックにメモを託して
たびたび席を外させ、捜査が進展しているさまを見せつける。




草野が、自身のアリバイを証明するために取り寄せさせたパーティ会場の写真が、皮肉にもコンタクトレンズを落とした
というヒントを与え、そこから一気に山さんの攻めの取り調べが始まります。

さっきまで、悠然とした笑みを浮かべて向かい合っていた山さんが立ち上がり、口を挟む余地のない速さでたたみ込むように
核心に迫っていく。「でっち上げだ!告訴する」と立ち上がる草野。そこにドックが息を切らせて駆けこんでくる。
包みを受け取り、再び草野とふたりきりで最後の対決。

包みの中のコンタクトレンズを見て、狼狽する草野。
「うそだ。そんなバカな」
思わず漏れたひとことが命取りになり、ついに草野は落ちたのでした。

取調室に入ってからのふたりの対決は、そのまま露口さんと原田さんの演技合戦でもあり、
本当に迫力がありました。
表情、声、間…。撮影されたドラマでありながら、舞台を観ているような生々しいリズムとうねりを感じ、
息づまる数分間でした。

一係に戻り、草野が落ちたことを報告する山さんに、みんなの表情もパッと緩みます。
そこに、出前が届く。
お値段据え置きだったはずのざるそばが値上げしたと聞いたボスと山さん。



山さんww 最後まで持ってくわー。


#447 侵入者

2017年11月06日 | 太陽にほえろ!


「奥さん、このリンゴ食べてもいいですか?」

こんなありふれた質問がどうしてここまで怖いんでしょう。
それは志賀勝だから。



3年前にロッキー(木之元亮)が逮捕した矢沢(志賀勝)が出所した足でアパートを訪ねてくる。
他に頼れる人がいないから、職が見つかるまで泊めてほしいと。
令子(長谷直美)も内心「え?」と思いつつも承諾。
ロッキー、人が良いにもほどがある。

さっそく翌朝から矢沢の職探しを手伝うロッキーですが、竜神会と響組のあいだにキナ臭い動きがあり、
矢沢を残して捜査に戻ります。
しかし、何度も矢沢から保証人になってくれと呼び出され、駆けつけるたびに実は仕事は決まっておらず、
矢沢の真意がつかめないロッキー。

帰宅途中に尾行されたり、ロッキーがまだ帰らないアパートでふたりっきりで夕食を食べ、
ねっとりとした視線を感じたり、あげくに電気を切られて真っ暗になった部屋で、逃げようとして
頭を打って倒れたり…
令子さん、散々です。婦警とはいえ妊婦。こんな怖い思いをさせてはいかんでしょ、ロッキー!

それでも、ロッキーは矢沢を責めることなく信じてやる。

結局、矢沢は組から頼まれて、捜査のじゃまをするためにロッキーに近づいたことがわかるのですが、
矢沢自身、ロッキーと奥さんは騙せなかった、と自首してくるのでした。
令子がほしがっていた水天宮のお守りを持って…。

それにしても、志賀勝が出てくるだけでこんなに緊張感が出るのはさすがです。
怖いだけじゃなくて、最後にロッキーのアパートの外階段にちょこんと座って待っている可愛らしさもあり、
圧倒的な存在感です。



【本日の感無量】
翻弄されても文句を言わない優しいロッキーに代わって、一係を訪ねてきた矢沢に物申すドック(神田正輝)。
数年前は、ヘビに睨まれたカエルのようだったのに…。

                              《参考》「大都会PARTⅡ」#23 護送 より