ドック(神田正輝)が住むアパートの大家が不動産詐欺に遭い、2億円もの賠償金を負うことになってしまった。
仕掛けたのは隣の部屋に住んでいた律子という若い女。
大家から泣きつかれたドックは、同じく律子に騙されて金を貸した不動産屋の田上(穂積隆信)に会うが、
二係の草野刑事の調べで、田上は関西で有名なサギ師だったことがわかる。
田上と律子はグルだったのだ。
ドックの犯罪入門シリーズ第二弾。
アパートを売らせないために居座り作戦を決行するも、水道・ガス・電気を次々止められて住人がどんどん引っ越してしまい
孤立無援の闘いを強いられるドック。
「でもこれだけ止められたら気が楽だよな。ほかに止まるものねえもん」と余裕をかましていたものの、
田上に引っ越し資金30万円を渡され、作戦変更して家財道具を実家に送った(すっかり父と元通り)ところ、
その引っ越し業者が田上の手配したニセモノだとわかる。
身ぐるみはがされゴリさん(竜雷太)のアパートに転がり込むドック。
本来泊めてもらいそうなロッキー(木之元亮)、スニーカー(山下真司)はなにげに家族と同居していて、
さすがに遠慮したんでしょう。面倒見のよいゴリさんが引き受けてくれました。
でも、いまは休んでいるスコッチ(沖雅也)も、頼めば案外泊めてくれそうな気が。
スコッチ宅にお世話になるドックもちょっと見てみたかった。
「元気出せよ、ドック。お前らしくないぞ」
ゴリさんの言葉に、しょげていたドックも元気をとりもどし、さらに奇策を思いつくのでした。
猛烈なアピールで田上に強引に弟子入りしたものの、いわれたとおりに実演するたびに現行犯で捕まるドック。
電話を受けて驚きあきれる長さん(下川辰平)とゴリさんのリアクションが最高です。
(今回、刑事ドラマとは思えない効果音が多用されていて、みなさんの名演を盛り上げております)
冒頭の写真は、人を喜ばせる訓練とそそのかされ、高層ビルを見上げているおばあさんの写真を撮ってあげ、
とても喜ばれたと顔をほころばせ師匠に報告する弟子の図。
渡されたカメラにフィルムが入っていなかったことを知り、もう騙されないぞと誓った直後に
またしても田上に騙され無賃乗車未遂で捕まってしまう。
「それでも僕は騙す側より騙される側にまわりたい。騙されても騙されても人を信じ続ける。
そのほうが人間らしい。そう思いませんか」
泣き落としのつもりで田上に投げかけた言葉ですが、ドックの本心でもあるんでしょう。
でなければ、人を疑うのが商売の刑事が、サギ師だとわかっている相手にこう何度も騙されるわけがないw
アパートの土地に買い手がつき、契約成立まであと3時間と迫る。
あきらめかけたドックですが、田上の運転免許取り消し、律子の文書偽造、社員の賭博という
アパートの件に直接関係ないと思われたさまざまなピースが最後にぴたりとはまり、
田上と律子をみごと逮捕。アパートの大家さんも土地をとりもどせたのでした。
【本日のラスボス】
大家さんも帰ってきて元の松沼荘に戻ったと、尽力してくれた仲間に礼を言うドック。
「荷物も無事に戻って良かったな」と笑顔の長さん。
「そうだ、ゴリさんに頼まれていたんだ」と、一泊の宿泊費2000円を預かる。
ニヤリと笑う山さん(露口茂)。ギリギリ出勤のゴリさんは状況がのみこめない。
「鈍いんだ」とナーコ(友直子)に言われ、ようやく騙されたと気づくドック。
まさかの長さんの詐欺に、私もまんまと騙されましたよ。ショックでしたw
スコッチがこの2回前から、ボス(石原裕次郎)が今回から不在で6人体制の一係。
たしかにふたりの不在は大きいものの、だからこそいつものチームワークがより発揮されたエピソードでした。
沖さんの事故についてはよく覚えていませんが、裕次郎さんの入院は当時連日報道され心配していました。
観ている私たちがそうなのですから、キャスト、スタッフのみなさんは本当にいたたまれない気持ちだったと思います。
それでも一丸となってこんなに楽しいエピソードを作ってくれたことに改めて感謝します。
劇中の一係のメンバーはもちろん、「太陽」は最高のチームです。