建設会社の社長が趣味のバードウォッチング中に車にはねられて死亡した。
その社長は、早田代議士の土地売買の汚職事件で検察側の証人になる予定だった。
少し前にも証人になるはずだった人物が謎の死を遂げており、一係では早田が二つの事件の背後にいると
考え、もう一人の証人・木崎の身辺警護を申し出たが、木崎はすでにボディーガードを何名も雇い
入院という形で身を隠していた。
そんなとき、若い時に海外に渡り傭兵として生きてきたというジミー森本(長塚京三)が帰国するという情報が入る。
#539『襲撃』に続く、トシさん(地井武男)のアクション編。
放映当時は、「おじさんなのに頑張ってる~」などと思ってみていたものですが、
よく考えたらこのころ地井さんは40代に入ったところ。
ゴリさんが亡くなる直前までハードなアクションをしていたことを思えば、
トシさんだってまだまだ若いもんには負けないですよね。
さて、帰国した森本を尾行していたドック(神田正輝)とラガー(渡辺徹)は、こともあろうに森本本人に
道を聞かれ、彼の宿泊先が新宿のNEW CITY HOTELであることを掴む。
(今さらですが、このホテル犯罪に絡みすぎでは…)
ホテルで森本の部屋の一つ上の階の窓から、入院中の木崎を狙撃できるか検証するトシさんとドック。
「ドックだったら狙撃の成功率はどのくらいだ?」
「え?」と戸惑いながらもドックはルームキーをライフルに見立て構えてみる。
それなりに決まってる…ルームキーだけど。
私もなんでドックに聞くの?と思いました。射撃が得意とはいえライフル撃ってるところなんて見たことないし。
むしろトシさんの方がイメージあるんですが。
ドックも「50%ってとこでしょうか」と冷静な答え。
トシさんは、五分五分ならホテルからの狙撃はない。プロなら確実な場所を選ぶと推理しますが、
いや、50%って言ってるのはあくまでドックですから。
やけにトシさんの信頼が厚いドック。
その後、銃の売人を締め上げ、森本にスコープ付きの狙撃銃を売ったことを吐かせたトシさん。
戦利品を持って一係へ。
今度は本物を構えてみるドック。銃の扱いが手慣れていて、オートマチックだけじゃないのねとちょっと見直しました。
山さん(露口茂)とライフルというレアなカット。
山さんも試しに構えていたシーンがあったような気がしたのですが、記憶違いだったようです。
でも、トシさんとドックが出て行ったあと絶対ちょっと構えてみていると思う…。
ホテルで江の島のパンフレットを見ていた森本が、試し撃ちに選ぶのは江の島に違いないと車を走らせるトシさんたち。
案の定、揺れる小舟の上から岩場に置いたぬいぐるみを撃った森本を発見したトシさんは、森本に狙撃され肩を負傷してしまう。
恐怖に駆られ一度は証言台に立つことを拒んだ木崎をマミー(長谷直美)が説得し、いよいよ公判の日を迎える。
早田の運転手を尾行していたラガーは、彼が財界の黒幕といわれる森川と密会しているところを目撃する。
木崎の車をガードしながら裁判所に向かう一行。しかし、狙撃がしやすいと思われた場所を通過しても何も起きなかったことを
無線で知ったトシさんは、森本の狙いは木崎ではなく早田ではないかと推理し病院を抜け出す。
一連の事件を仕組んだのは早田ではなく森川だったのだ。
トシさんの推理通り、森本は羽田から裁判所に向かう早田を京浜運河から狙撃しようとしていた。
間一髪、ボートの上から森本の肩を撃ち抜き狙撃を阻止したトシさん。
一瞬の隙をついてオートマチック拳銃を取り出した森本を蹴り倒し、手錠をかける。
「どうして早田が狙いだとわかったんだ」
「なめるな、ジミー森本!お前が殺しのプロなら、俺はデカのプロだ!」
かーっこええ!!
【ちいちい前夜】
いかにもプロフェッショナルな刑事のトシさんですが、演じる地井さんは多分に三枚目の要素のある親しみやすいお人柄だった
ようですね。のちに“ちいちい”と呼ばれ旅番組などでも活躍されますが、この当時はそんな素顔を隠し?二枚目を演じておられました。
地井さんもまたプロの役者ですね。