私がまだ20代だった頃、訳あって知り合った60代の女性の
辞めた新興宗教の祭壇を処分して上げたことがあった。
その新興宗教は神慈秀明会で真光教団のように手かざしもやっている。
その人の家に呼ばれ祭壇をぶっ壊して本尊などと一緒に紙袋に入れ
帰りに亀有駅のゴミ箱に捨てた。
その後に神慈秀明会に人たちが来て本尊や祭壇を引き取りに来たそうで
もう処分したと言ったら驚いていたと言われた。
しばらくしてからその60代女性の知り合いである20代の女性が
真光教団をやめたのだが、祭壇などが捨てられず困っていて
私が神慈秀明会の祭壇を私が捨てたという話を聞いて
真光の祭壇を私に処分して欲しいと言ってきた。
崇教真光か世界真光文明教団のどちらかだが、どっちかは憶えていない。
手かざしでは神慈秀明会こっちのほうが有名だ。
60代の女性の家で受けっとったのだが
神慈秀明会の時はそれなりに注意を払いながら祭壇をぶっ壊したが
真光の時は既に分解され紙袋とビニール袋に詰められたものを受け取った。
家を出て駅に向かう道で、持っている袋から何かがモゾモゾと這い上がってくる感じがした。
さらに動機までは行かないが脈拍が上がってくるのを感じた。
「コノヤロー、コノヤロー」と言いながら
何度も電柱や道路標識に袋を叩きつけながら駅に向かう。
駅では本尊らしき神棚の鏡のようなものだけを残し、先に分解された祭壇をゴミ箱に捨た。
鏡を開けてみると中にはお守りの中身のような紙が入っている。
真光では本尊やお守りなどは失礼なので水に濡らしてはいけないとその20代女性から聞いていた。
駅のホームに水道があれば水を掛けてやろうと思ったが
なかったので唾を吐き掛けホームのゴミ箱に捨てた。
今思えば便所に流してやればよかった。
電車に乗るともうモゾモゾ感もなく心拍数も正常に戻っていたがあまり気分は良くなかった。
ただそろもその日だけのことだった。