こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
詳細は左欄下段の『ブックマーク』にお進み下さい

仕事に支障を来す痛みを

2022年11月04日 | 診療日記

新規の方から「両手首と右の親指、それに両膝の上に痛みがあり、今日診てもらえないかとの電話。         「力を入れて両手に負担がかかる仕事が多く、またしゃがんだりする事も多いので、痛みがあると仕事に影響が出ているので何とかならないか、特に右親指の痛みが辛い」との事でした。

来院してもらい、腕神経叢の出口検査の為の頸椎検査では頸椎7番の左回旋が強く,続いて胸椎1番が右回旋を表す様に各椎骨の横突起部に凹みが見られる。  各椎骨の棘突起を回旋している方向へ、より回旋が強くなる方向へ持って行くオステオパシー誇張法を行ってから、両手首の関節を形成する橈骨と手根骨の関節である、橈舟関節と橈月関節を動きやすい方向へ僅かに持って行く調整を行って、各関節の可動域の改善を行う。

次に、右母指の手根中手関節(CM関節)の可動制限を正常に戻すと右母指の痛みは消失して「両手に力が入る様になった」という。

次いで、両膝の膝蓋骨の動きで床方向への可動がありません。  これは大腿四頭筋の収縮が強く働く事から膝蓋靱帯の締め付けがあって、膝蓋骨の可動制限が起こっていると考えられます。  

左右の大腿四頭筋のストレッチを患者の協力で行う「自他ストレッチ」を行うと、大腿四頭筋に柔軟性が出てきて膝蓋骨も床方向へ動く様になりました。

そこで、患者にたってもらって、その場でスクワットと両手首の屈伸、それに母指を握る形の、それぞれの痛みが出る動作再現検査してもらい、痛みの消失を確認してもらいました。

本人曰く「あれだけ痛かったのに全然痛くない」と言われ、「また痛くなったりしますか?」との質問に、一週間後に確認するために予約を入れて終了となりました。


足の小指をぶつけてから、全身の不調

2022年10月28日 | 診療日記

月に一度定期的に体のメンテナンスで来院して下さる方が、先日右足の小指をぶつけてから、両足の内側3本の指と背中から首、後頭部にかけて違和感が出ていると訴えがありました。

まず足底部を診ると、両足ともに第2趾中足指節関節部にタコが出来ています。 これは体の重心が前方の第2趾にあり、常に前傾姿勢の為に脊柱起立筋が後方へ引っ張って前方に倒れない様に支える形になり、背中から首と後頭部にコリが出てきています。

仰臥位で後頭部から検査をすると、後頭環椎関節が硬いので関節部の解放を行ってから、頚板状筋が付着する上項線と脊柱起立筋だ付着する乳様突起へカウンターストレインを行うと背中から後頭部までの違和感は取れています。 

次に、両足の第2趾の足根中足関節から指節関節までの可動域を検査して、動きが良い方向へ可動域いっぱいに動かして間質液が流れこんで来るのを待ちます。  患者が母指から3本の指に痛みを感じていたのは、第2趾を中心に左右の中足間関節も制限が連動していたと考えられ、第2趾の痛みが無くなると3本共に痛みは消失しています。

最後に右第5趾の痛みは、ぶつけた時に指節関節の内側方向へ衝撃が加わり可動制限が起こったと考えられるので、衝撃が加わった方向へ動かして間質液が入ってくるのを待つと、痛みは消失しています。  もしもそれでも痛みが残っている場合にはヒビか骨折を考え無ければなりません。


ギックリ腰(急性腰痛)では患部へのマッサージは厳禁

2022年10月26日 | 診療日記

夕方にデンワが入り「まだ今日は診てもらえますか」と切羽詰まった様子にどうしたのか尋ねると「実は二日前に突然に腰が痛くなったので、マッサージを受け少し楽になったので帰宅したが、今朝は起き上がる事も出来ず電話をしています」と言われるので、「もうすぐ閉める処ですがこれますか、と言うと行きますと言って電話を切る。

一人で何とか車を運転してきた様子で、腰をかばう様に来院しました。

急性腰痛では筋肉の急激な萎縮から起こっているので、筋肉を柔くする様にほぐすと、その刺激に対して筋肉が抵抗する様に一層に収縮していく性質を持っているので、患部からは少し離れた靱帯腱膜にユックリと働きかけなければならないし、腰椎を捻る様な横向きの運動を加えた事で、腰椎に過剰な回旋運動が起こり神経を刺激されているいるので、それらを戻してやると痛みが消えていくと説明をしました。

検査では上体の屈曲と伸展それに回旋でも痛みが出現する様で、腰椎5番の左横突起が過剰に右側へ回旋されている状態で、腰神経が圧迫を受けていると推測されます。  また腰仙関節の隙間も狭くなっているので屈曲・伸展に痛みが出ていると考えられます。

治療法はオステオパシー誇張法で腰椎5番を回旋しやすい方向へ回して反応を待ちます。 次に腰椎5番の横突起を左右から持ち上げてユックリと患者の上体を屈曲と伸展をしてもらいますと、可動範囲が広がって痛みの改善が出来たら終了になります。

患者さんを送り出して看板を片付け様としていると、スマホを忘れたと走って戻ってこられましたので、「痛みは無くなった様ですね!」と言うと、笑って気づかれたようでした。

  


手術をしても原因を特定出来ず

2022年10月20日 | 診療日記

数年以前に来院してきた患者さんの症状と治療例です。

来院時には右手が手首から下垂して背屈が出来ず、母指から中指までの痺れと感覚麻痺があり、明らかに橈骨神経麻痺の症状をしていました。

まずは、腕神経叢の出口である頸椎を見ると頸椎の骨切り術の痕跡があり、どうしたのかと聞くと2年ぐらい前に首が回らなくなり整形外科で手術を受けて首が回るようになったので、今回右手の感覚がなくなり手首から垂れ下がる状態になったので、前回の病院の診察を受けて今度は肩から肘までの手術を受けたが、どこで橈骨神経の圧迫があるのか特定出来ず経過観察となり手術前と変わらないので、当院のホームページを見て来院したとの事でした。

整形外科で頸椎から肘までの手術で橈骨神経走行路の確認しているので、当院では肘から遠位部への検査と治療を行う事にしました。

鍼や手技での治療を週1回のペースで半年ほど過ぎた頃に、手首の背屈が出来る様になったが、母指の動作がぎこちなく、その頃、病院から「神経の回復が遅いので、肘から手首までの手術をしてみないか」と言われたので、どうしたら良いかと相談がありましたが、「上腕の手術をしても原因を特定が無いのに新たな手術で特定出来れば良いが、時間とお金の無駄では無いかと」アドバイスをし、それから3ヶ月程で母指と示指でOリングが出来る様になりました。

その後も超音波治療も取り入れて、初回から1年ほどで手首と各指の動きと知覚もほぼ改善せれてきましたのは患者本人が根気よく治療に専念して下さったので、良い結果が現れたと思います。  その後も最後まで不満が残っていた母指の屈曲角度も、本人が納得するに至り治療終了まで1年9ヶ月程かかりました。

 


92歳のおばあちゃんが首の痛みを訴える

2022年10月15日 | 診療日記

2・3週間に一度程度に健康維持で鍼治療にいらっしゃる方が「今日は首が痛く、左腕も上げられなくなった」と訴えました。

その方は腰が90度くらい曲がり、側湾症と診断されている方で、いつもは側臥位で鍼治療をしていますが、頸椎を検査するには背臥位になって頂かなければならず、クッションを多用してゆっくりと仰向けになることが出来ました。

頸椎の検査を行うと、1番から7番まで総てが左回旋制限があり、また胸椎の1番と2番が癒着したように膨隆していています。 これが原因で左腕の神経障害が起こっていると考えられます。

頸椎の1番から7番までをゆっくりと回旋制限を解除した後に、座位になって頂き胸椎の回旋制限の解除を行うと左右へと首が回る様になり、腕も上がる様になりました。

高齢者で側湾症の方でも症状が出ている場合には脊椎回旋施術を行えば制限解除処置ができ、症状の緩和がされる事の実証ができました。