こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る33

2017年06月24日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(九)

一五、小便の赤・白濁
小便の赤・白濁は、肥った人は湿痰が多く二陳湯に白朮・青朮・升麻・柴胡を加えて
使い、または星半蛤粉丸を使い、痩せた人は主に陰火が多く四物湯に知母・黄柏を加え
たもの、または珍珠粉丸・樗柏丸を使う。
思慮労心に辰砂妙香散・金連丸を使い、房労傷腎には草薢分清飲・小兎絲子元を使い、
脾精をしずめられず漏濁になったものは蒼朮難名丹・四炒固真丹・蠟苓元を使い、胃気
下陥には補中益気湯を使う。便濁には加減珍珠粉丸を兼ねる。
治法は当然湿をかわかし、火を降ろす作用をする、二陳湯に二朮(蒼・白)升麻・柴胡・
白芍薬を加えて使う。
白濁にには四君子湯に五苓散を合わせて煎じて服し、また秘精元・固本元・半苓丸・
導赤湯みな良い。赤濁には加味清心飲・精神連子飲が良い。赤白濁には芡実元に妙応丸・
辰砂妙香散・水火分清飲・桑螵蛸散を使う。赤白濁に小腹が痛むときは東垣煮当帰丸が良い。

星半蛤粉丸  湿熱・白熱を治す。
    処方 蛤粉二両、南星と半夏の薑製・蒼朮・青黛各一両を作末し、薑汁煮神麵
       で糊をつくって梧子大に丸め空腹時に薑湯で五〇~七〇丸呑み下す。

樗柏丸    湿熱痰で小便が濁る症を治す。
    処方 黄柏(降火)三両、樗根白皮(渋腸)一両、青黛・乾樗各三銭、滑石・蛤粉
       ・神麹各五銭、を作末し神麹糊で梧子大に丸め、空腹時に白湯で五〇~
       七〇丸呑み下す。

金連丸    思慮傷心で小便が赤く濁るときに使う。
    処方 石連肉・白茯苓・竜骨・天門冬・麦門冬・柏子仁・当帰・酸棗仁・紫石
       英・遠志・乳香・竜歯各一両を作末し、蜜で梧子大にまるめ朱砂で衣を
       し、空腹時に温酒、または棗湯で七〇丸呑み下す。

草薢分清飲  小便の白濁を治す。
    処方 石菖蒲・鳥薬・益智仁・草薢・白茯苓各一銭、甘草五分、塩ひとにぎり
       を入れ水で煎じて服用する。

蒼朮難名丹  脾精は不禁、小便が濁って漏れ止まらず手足に力がなく、腰背が痛みと
       きに蒼朮等の剤を使って脾精を収める。
    処方 蒼朮製四両、茴香炒・川連子肉各七銭半、川鳥炮・破故紙炒・白茯苓・
       竜骨各一両、を末にし、酒麵糊で梧子大に丸め朱砂で衣をして作丸し、
       空腹時に米飯で五〇~七〇丸を呑みく下す。

四炒固真丹  元臓が長く痛み遺精白濁した症と、五淋七疝婦人の崩帯等の症を治す。
    処方 蒼朮一片を切って四分し、一つを茴香・青塩各一両と同じく炒って、も
       う一つ川椒破故紙各一両と同じく炒り、また一つは酒醋で炒るが、朮が
       黄色になるまでにして朮だけを取って末にして薬酒醋で糊梧子大に丸め、
       空腹時に三〇~五〇丸呑み下す。男子は酒で女子は醋で飲む。

蠟苓元    腎の邪湿で精気が丈夫でなく、小便が白濁し淋瀝止まらない症と、婦人
(一名威喜元) の白淫・白帯を治す。
    処方 雪白茯苓四両を切って、猪苓二銭半と煎じて二十余回煮立てたら、猪苓
       は捨て茯苓だけ取り出して作末し、黄蠟四両を熔化して弾子大に丸め、
       空腹時にかんで、棗湯で徐々に送り込む。

加減珍珠粉丸 赤・白濁と白淫を治す。
    処方 黄柏半生半炒・蛤粉各三両、滑石二両、樗根白皮一両、青黛・乾薑炒褐
       色各五銭、を作末し炒神麵糊で梧子大に丸め、空腹時温湯で七〇丸また
       は一〇〇丸呑み下す。
       黄柏は陰火を降ろし、湿熱を除し、蛤粉は穂腎、滑石は利窮し、樗根白
       皮は湿熱をかわし、青黛は鬱を解かして火を降ろし、乾薑は肺気を収め
       下降させ、陰血を治す塩を少し黒くなるまで炒って使う。

東医宝鑑を観る32

2017年06月23日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(八

<冷淋>
冷淋には八味丸・生附湯・木香湯を使う。

生附湯    冷淋で小便をすると痛み、ぶるぶるふるえ寒さが増すときに使う。
    処方 附子生・滑石各七分、木通・半夏製・瞿麦各一銭二分、生薑七片、燈心
       二〇茎、蜜半匙入れて空腹時に水で煎じて服用する。

木香湯    冷淋で小便が渋く、身体が清冷な症を治す。
    処方 木通・木香・当帰・白芍薬・青皮・茴香・檳榔・沢寫・陳皮・甘草各七
       分、内桂三分を剉作して一貼に薑五片を入れ、水で煎じて服用する。

一四、各種淋疾の治療法 
すべて淋病には寫腎湯・鬱金黄連丸・三因琥珀散・石韋散・五淋散・通草湯・琥珀散・
二神散・必効散・海金沙散・澹寮方・五淋散婦人白芽湯・小児薬毒成淋などを通用する。

寫腎湯    諸淋に小腹が腸る症に使う。
    処方 大黄二銭を切って水に浸して一夜、磁石砕一銭六分、石菖蒲・生地黄各
       一銭、玄蔘・細切り各八分、・芒硝・赤茯苓・黄苓各六分、甘草四分
、       水二杯に一杯半なるまで煎じ、大黄を入れてまた七分まで煎じて滓を取
       って芒硝を入れてかきまぜ、空腹時に服用する。

鬱金黄連丸  小腸・膀胱の積熱で癃閉不通になり、遺尿不禁と白濁、膏淋が血膿のよ
       うな症状か、または梔子水に似た症、そして沙石が米粒のような症、ま
       たは粉糊のような症はみな熱症で、これらの症を治す。
    処方 滑石・白茯苓各四両、黒牽牛頭末三両、、黄苓・大黄・琥珀各二両、鬱
       金・黄連各一両を作末して水で梧子大に丸め、沸湯で五〇~七〇丸呑み
       下す。

三因琥珀散  五淋の渋通と小便に膿血が出る症を治す。
    処方 琥珀・海金沙・没薬・蒲黄を各等分に細末にして毎三銭を空腹時に萱草
       根を煎じた湯で調服する。

石韋散    諸淋を治す。
    処方 滑石二銭、白朮・瞿麦・赤芍薬・各葵子・石韋・・木通各一銭、当帰・
       王不留行・甘草各五分を作末し毎二銭を空腹時小麦を煎じた湯で服用す
       る。また一両を切って水で煎じて服用する。

五淋散    五淋を治す。
    処方 赤芍薬・山梔仁各二銭、当帰・赤茯苓各一銭、条黄苓・甘草各五分を水
       で煎じて服する。

通草湯    五淋を治す。

       分、薑五片を入れて水で煎じて空腹時に服用する。

必効散    五淋を治す。
    処方 当帰・生地黄・赤茯苓・滑石・牛膝・山梔仁・麦門冬・枳殻・萹蓄・木
       通・知母と黄柏の酒で炒めたもの各七分、甘草五分、燈心一を入れて水
       で煎じて空腹時に服用する。

海金沙散   五淋を治す。
    処方 当帰酒で洗ったもの、大黄酒で浸したもの、牛膝酒で洗ったもの、木香・
       雄黄・海金沙各五銭を作末し、毎二銭を寝しなに酒で調服する。

澹寮五淋散  五淋を治す。
    処方 梔子仁一銭半、赤茯苓・赤芍薬・各一銭、木通・滑石・甘草各八分、竹
       葉・茵陳各五分を空腹時に服用する。

白芽湯    婦人の産後諸淋えお治す。
    処方 白芽根五銭、瞿麦・白茯苓各二銭半、葵子・人蔘各一銭二分半、蒲黄・
       して薑三片、燈心二〇茎を入れ水で煎じて空腹時に服用する。

東医宝鑑を観る31

2017年06月18日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(七)



<石淋>
陰茎の中が痛み、小便が出ず、小腹がつっぱって痛み、膨張して小便から砂石が
流れ出、悶絶する。
沙淋は油がかたまったもので溶けやすく、石淋は結塊になるのでなかなかむずかしい。
治療法は枳殻散の煎じた水に来復丹を呑み下すと良い。

益元散は石淋の主治剤
石淋に石燕丸・滑石・硼砂散を使う。

石燕丸    石淋を治す。
    処方 石燕子焼醋淬三次研、水飛焙乾、滑石・石韋・瞿麦穂各一両を作末し、
       糊で梧子大に丸め、瞿麦・燈心を煎じた湯で空腹時に三〇~五〇丸呑み
       下す。

滑石散    沙石淋を治す。
    処方 滑石・石膏各五銭、石韋・瞿麦・木通・蜀葵子各三銭、を作末し毎二銭
       を葱白茎、燈心ひとにぎり、蜜二匙を煎じた湯で空腹時にふくようする。

硼砂散    沙石淋の急痛を治す。
    処方 硼砂・琥珀・赤茯苓・蜀葵子陳橘皮各三銭を作末し二銭を葱白二茎、麦
       門冬二一粒、蜜二匙で煎じた湯で服用する。

<膏淋>
小便が濁ること膏に似て、ういてかたまるのは油のようである。
鹿角霜丸・秋石元・海金沙散・香児散を使う。

鹿角霜丸   膏淋の黄・白の脂膏に似て、淋瀝で痛みおぼえる症を治す。
    処方 鹿角霜・白茯苓・秋石を焙ったものを各等分にして作末し、麵糊で梧子
       大に丸め空腹時に米飯で五〇丸呑み下す。

秋石元    膏淋の黄・赤・白黯の膏と油蜜のような症を治す。
    処方 白茯苓一両、桑螵蛸・鹿角膠珠・秋石各五銭、を作末して糕糊で梧子大
       に丸め、空腹時に人蔘湯で五〇丸呑み下す。

海金沙散   膏淋を治す。
    処方 海金沙・滑石各一両、甘草二銭、を作末し、毎一銭を麦門冬・燈心を煎
       じた湯で服用する。

香児散    血淋・沙淋・膏淋などを治す。
    処方 真麝香五分に葱白一根をついて汁をとり、孩児茶三銭半、琥珀二分半を
       作末し百沸湯に葱汁を入れ、空腹時に同時に服用する。

<沙淋>小便から細砂が出る症だが、膀胱の陰火が焼けて津液が凝結した症で、軽いと砂になり、
重いと石になる症である。
沙淋に二神散・魚石散・苦杖散・琥珀散を使う。

二神散    砂石淋の急痛を治す。
    処方 海金沙七銭半、滑石五銭を作末し、二銭を取って木通・麦門冬・車前草
       の煎じた湯に蜜を少し入れて服用する。

魚石散    砂石淋で茎中が痛むのを治す。
    処方 石骨首頭中骨五対を焼いて粉末にし、滑石五銭を作末して二回に分けて
       服用するが、木通湯で調服すると砂はみな出て治る。

苦杖散    砂石淋か小便のときに落ちて痛むときに使う。
    処方 虎杖根を切って毎一両を水五杯を入れて煎じるが、一杯ぐらいになった
       ら、滓を捨て麝香・乳香を少しづつ入れて調服する。

琥珀散    砂石淋を治す。
    処方 琥珀・滑石各二銭、木通・当帰・木香・欝金萹蓄各一銭を作末し、毎三
       銭を蘆葦葉煎じた湯で空腹時に調下する。

東医宝鑑を観る30

2017年06月15日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(六)



一二、淋疾の各種
淋疾は小便が粟粒のようで、小腹がつっぱり痛む。
淋疾の発生はみな腎虚に依って膀胱に熱があるところに起因する。
心腎に気が鬱すると蓄積が下にあって、膀胱が急し膏血が砂石と化して小便とともに流れ出
すが、出るか出ないかぐらいもれ出して止まらない症状がおき、ひどいのでその穴をふさぐ
と切るように痛む。
腎虚がひどくて淋疾になったのは、腎精を補い、小便を利するべきである。単用は利水剤だけ
ではいけない。
五淋とは膀胱の蓄熱である。
淋疾は小腹が脹る、寫腎湯を使う。

一三、淋疾の八種
一は労淋、二は血淋、三は熱淋、四は気淋、五は石淋、六は膏淋、七は沙淋、八は冷淋である。
<労林>
労苦、疲倦に依る虚損が甚だしいと、小便は不通になり小腹が痛い。
労傷、虚損すると発し、四物湯に知母・黄柏・琥珀を加えて使う。
酒色がすぎると膀胱の気を傷つき、虚損がつもると淋疾となるが補中承気湯を使って真気を補う。
情慾を強制し、排泄しないと淫精が滲下して洗疾となる場合があり、これには益元固真湯を使う

益元固真湯  情慾を無理に抑制して淫精を出さず、滲下して淋疾になったのを治す。
    処方 甘草梢二銭、山薬・沢寫各一銭半、人蔘・白茯苓・蓮芯・巴戟・升麻・
       益智仁・黄柏酒で炒ったもの各一銭を剉作して水で煎じて服用する。

<血淋>
小便が出ず小便が出ず、ときどき血が出ていたむ。
熱があると発し、はげしいと尿血し、ねつがこもって陰茎が痛む。
四物湯に知母・黄柏・沢寫・赤茯苓を加えて使う。色のきれいな症は心が小腸と同じように
弱った証で導赤散に甘草を抜いて、黒い黄苓を加えて使い、色が黒豆汁のようなものは腎と
膀胱の火で五淋散を使い、血淋には増味導赤散・金黄湯・小薊飲子を使い、死血で淋になった
症には牛膝膏が最も良い。

増味導赤散  血淋の渋痛を治す。
    処方 生乾地黄・木通・黄苓・車前子・梔子仁・川芎・赤芍薬・甘草各一銭、
       薑三片、竹葉一〇片、を入れ空腹時に服用する。

金黄湯    小便に出血があり、尿道が痛むときに使う。
    処方 鬱金・瞿麦・生乾地黄・車前子・滑石・芒硝各五銭を粗末にして毎五銭
       を水で煎じて空腹時に服用する。

小薊飲子   下焦は結熱した尿血と淋痛を治す。
    処方 生地黄二銭、小薊根・滑石・通草・蒲黄炒・藕節・竹葉・当帰・山梔仁
       ・甘草灸各七分を水で煎じて空腹時に服用する。

<熱淋>
小便が熱し色が赤く淋瀝で痛み、不快で臍の下が急に痛む。
暴淋は痛みがはげしく、小便は赤く淋瀝したときは八正散・導赤元・を使い、磁腎丸
一〇〇丸を導赤散に梔子を加えて煎じた水に空腹時に呑み下し、益元散二銭は木香・檳榔・
茴香各一銭を作末した物を加えて空腹時に白湯で点服する。

<気淋>
小便が渋く滞して何時も余瀝があって小腹が脹るのに沈香散・通秘散または益元散に木香・
檳榔・茴香を作末したものを加えて空腹時に白湯で点服する。
気虚によるものには八物湯に黄芪・虎杖根・黄苓・牛膝を加え煎じて服用する。

沈香散    気淋で小腹の脹ったときに使う。
    処方 葵子・赤芍薬各七銭、沈香・石韋・滑石・王不留行・当帰各五銭、陳皮
       ・青皮・木香・甘草各二銭半、を作末し毎二銭を空腹時の大麦煎じた湯
       で調服する。切って一両を煎じて服用する事を沈香散ちいう。

通秘散    気淋の痛みに耐えられない症を治す。
    処方 香附子・陳皮・赤茯苓を各等分に剉作して五銭を水で煎じて空腹時に服
       用する。

東医宝鑑を観る29

2017年06月10日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(五)

一一、小便の不禁症
小便を遺失する症は肺気が弱ってそうなるので、必ず熱があり、黄柏・生地黄を使う。
小便が少なく、淋瀝がこらえられないと陰挺が痿痺した症で六味地黄丸に沢寫を抜いて
益智仁を加えて使う。小便不禁は熱と虚に屈する症で、熱には五苓散に解毒湯を加えて使う。
虚には五苓散に四物湯を合わせ山茱萸・五味子を加えて使う。
下が弱く損傷して小便が出ないときは、膀胱の貧血を補って火邪を出させる方が良い。
加減八味丸・六味地黄元に知母・黄柏・五味子を加えたのと、補陰丸が最も良い。
虚冷のためにひどくなった症状には縮泉元・秘元丹をつかい、老人、虚人には五子元・
家韭子元蔘芪湯をつかい、産後の遺尿には補脬飲・猪脬湯をつかい、小児の遺尿には鶏腸散
・鶏肶胵散をつかい、通用には大兎絲子元・茸香元・既済丸をつかう。
傷寒遺尿と中暑遺尿はみな本門にある。

縮泉元    脬気が不足して小便が少なく一日百余回もするときに使う。
    処方 鳥薬・益智仁を等分に作末し、酒で煮た山薬糊で梧子大に丸め、七〇丸
       呑み下す。

秘元丹    虚損して小便の不禁を治す(処方前述)

五子元    小便不禁、夜になおひどく、めまいがし足の弱い老人、虚人にこの症が、
       多く精液を消耗し、急死することがある。
    処方 兎絲子酒製・韭子略炒・益智仁・茴香炒・蛇床子炒を各等分に作末し、
       酒糊で梧子大に丸め、糯米飯で五〇~七〇丸呑み下す。

家韭子元   腎陽が衰退し脬が冷え、遺尿不禁を治す。
    処方 家韭子略炒六両、鹿茸燎去毛四両、肉蓯蓉酒に浸したもの牛膝の酒で浸
       したもの、熟地黄・当帰を酒で洗ったもの各二両、兎絲子酒製・巴戟各
       一両半、杜仲炒・石斛酒洗・乾薑炮・桂心各一両を作末し、酒糊で梧子
       大に丸め空腹時に温酒または塩湯で一〇〇丸呑み下す。
 
蔘芪湯    気虚、遺尿を治す。
    処方 人蔘・黄芪蜜炒・白茯苓・当帰・熟地黄・陳皮各一銭、益智仁研八分、
       升麻・肉桂各五分、甘草三分、薑三片、棗二枚、入れて水で煎じて空腹時
      に服し、老人は炮附子を加える。

補脬飲   婦人の出産で脬を傷つけて小便不禁、またはしめった症が乾かないときに
      ときに使う。
   処方 生黄絲絹一尺をよって白牡丹の根皮末二銭、白芨末一銭を水一杯で煮て煮
      て、絹が飴のようになったら、空腹時に頓服する。 服するときしゃべっ
      てはならぬ。

猪脬湯   婦人の脬が傷つき、小便が不禁の症を治す。
   処方 人蔘・白朮各二銭、桃仁・陳皮・黄芪・白茯苓・川芎・当帰各一銭を剉作
      して猪脬または羊脬を入れて煎じ、空腹時に服する。

鶏腸散   小児の遺尿不禁を治す。
   処方 鶏腸焼いたもの、牡蛎粉・白茯苓・桑螵蛸蒸したもの各五銭、辣桂・竜骨
      各二銭半を剉作して毎二銭に薑三片、棗二枚入れ、水で煎じて空腹時に服
      用、または作末して一銭を米飲で調服する。

鶏肶胵散  小児遺尿によい。
   処方 鶏肶胵一具、鶏腸一具、猪脬一箇を灸焦を作末して一銭づつ酒で調服する。

大兎絲子元 脬気が虚して小便不禁になった症を治す。
   処方 兎絲子酒製・肉蓯蓉酒に浸したの各二両、牡蛎煆・五味子・附子炮・鹿茸
      酒灸各一両、桑螵蛸酒灸・鶏肶胵灸各五銭を作末し酒糊で梧子大に丸め、
      空腹時に温酒または塩湯で七〇丸呑み下す。

茸香元   虚損・虚冷で小便不禁の症を治す。
   処方 鶏内金灸七銭半、鹿茸酥灸・肉蓯蓉酒で浸したもの、当帰酒で洗ったもの
      各五銭・竜骨煆・牡蠣粉・巴戟・赤石脂・禹余粮煆醋淬研・白薑・益智仁
      ・乳香各二銭半を作末して糯米糊で梧子大に丸め空腹時に塩湯で七〇丸呑
      み下す。

既済丸   脬気不足で陰火があって小便不禁になったときに使う。
   処方 兎絲子酒製・益智仁炒・白茯苓・韭子炒・肉蓯蓉酒で洗ったもの、当帰・
      熟地黄各五銭、黄柏と知母の塩水で炒ったもの、牡蛎粉・山茱萸肉の酒で
      蒸したもの各三銭、五味子一銭を作末し麵糊で梧子大に丸め、空腹時に塩
      湯で一〇〇丸呑み下す。