こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑56(大便16)

2017年12月28日 | 日記

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(16)

大黄飲子   熱があって大便の通じない症を治す。
    処方 生地黄二銭、大黄煨・杏仁・梔子・升麻・枳殻各一銭、人蔘・黄苓・甘草各五分、薑五片、殻二粒、鳥梅

       一個を入れて煎じて服用する。

潤腸丸          老人の血が少なく、胃腸がかわき大便が閉結して七、八日間も便がなく羊糞に似ている症を治す。
   処方 当帰・生地黄・枳殻・桃仁・麻仁を等分に作末、蜜で丸め梧子大にし、空腹時に四〇~五〇丸呑み下す。

潤腸湯          老人・弱体の人の大便閉結を治す。
   処方 蜂蜜一両、香油五銭、朴硝を、水で煎じて温めて服用する。

調導飲          婦人の産前産後の大便不通症を治す。
     処方 当帰・川芎・防風・枳殻各一銭二分半、甘草三分に薑三棗二を入れ煎じて服用する。

宣積丸          大便の閉塞を治す。
   処方 巴豆の殻を取り、乾薑・韭子・良薑・硫黄・甘遂・白檳榔を等分に作末し、飯で卵の黄身大に丸め、早朝に先

      に椒湯で手を洗い、麻油をてのひらにぬり、粟一粒をにぎると、しばらくたつと便が出て止まる。止まったら

      手を洗う。

提盆散          大便の不通を治す。
   処方 草鳥のごく細く切ったもの、葱白一枚の根を煮ると汁が出る。そこへ草鳥末をまぶして団子をつくり、肛門に

      入れておくとすぐ通る。即ち霹靂箭というが大・小便の不通を治す。

推気丸          気が昇降せず、大便の秘渋、小便の赤黄色に使う。
   処方 黒牽頭末・大黄・檳榔・枳実・陳皮・黄苓を等分に作末し、薑汁煮糊で梧子大に丸め、淡薑湯で三〇~五〇丸

      呑み下す。

甘遂散          大・小便の不通を治す。
   処方 赤皮甘遂二両、爛蜜二合をまぜて毎一両を四分して一日一回蜜水で服用する。

鉄脚丸          大・小便の不通を治す。
   処方 大皂角焼存性を作末して酒麵糊で梧子大に丸め、酒で三〇丸呑み下す。

貼臍膏          大・小便の不通を治す。
   処方 甘遂を作末して麵で調合して糊のようにして臍と臍の下の固いところへぬり、別に甘草を煎じて飲むとすぐに

      通じる。

顚倒散          大・小便の不通を治す。
   処方 大黄・滑石・皂角各三銭、小便の不通には滑石を三銭加え、大便の不通には大黄三銭を余計加え、大小便とも

      に不通の場合は、大黄・滑石をそれぞれ三銭づつ加えて作末したものを、毎三銭空腹時に温酒で調服する。

倒掲散          大・小便の不通を治す。
   処方 六、七月頃に牛馬の糞中から蜋を探して大小にかかわらず、ひもで結んで陰干しして貯蔵しておいて、使う

      とき取り出してきれいな瓦の上において四面に火灰をおいて乾かしたあと、刀で切って大便の不通には上半截

      を、小便の不通には下半截を使い、大小便ともに不通のときは全角を細末にして服用する。

廻生神膏        陰症大小便の不通のため、危急なときに使う。
    処方 牡蛎陳粉・乾薑炮各一両を作末し、男は女のつばで調合したものを手のひらで熱が出るまでもんだあと睾丸

       にかぶせ、汗が出ると治り、女には男のつばで調合して男の調合のようにして両乳房にかぶせ、汗が出ると

       治る。

丁番散          大・小便の不通を治す。
   処方 苦丁番五銭、川鳥炮・白朮・猪牙皂・角炮細辛各3銭、胡椒一銭、麝香少しいれて作末し、竹筒で肛門に薬を

      吹き入れる。


東医宝鑑55(大便15)

2017年12月20日 | 日記

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(15)

蔘仁丸    気壅のための便秘症を治す。
    処方 麻子仁・大黄各三両、当帰身一両、人蔘七銭半を作末して梧子大に丸め空腹時に熱い水で三〇丸呑み下す。

捜風潤腸丸    三隻の不和による胸腹の痞痛、便秘などに使う。
    処方 郁李仁一両、木香・檳榔・青皮・沈香・蘿菖子妙・槐角・枳殻・枳実
       ・三稜煨・大黄各五銭を作末して蜜で梧子大に丸め、空腹時に米飲で五〇~七〇丸呑み下す。

三和湯       気滞と便秘を治す。即ち気門の三和散である。

四磨湯       気滞と便秘を治す。
   処方 大檳榔・沈香・木香・鳥薬を等分にそれぞれ水で洗って三~五回煎じ、空腹時に温めて飲む。

六麻湯       大便不通に熱のあるときは四磨湯に大黄・枳殻を加えて、それぞれ水で洗って三~五回煎じ、空腹時に温めて

      飲む。

通神散       婦人の大便不通を治す。
   処方 大黄・芒硝・桃仁郁李仁各一両、木香五銭を作末して毎二銭を米飲で調服する。

大麻仁丸     婦人の便秘を治す。
   処方 木香・檳榔・枳殻各一両、麻仁・大黄炒各三銭を作末して蜜で梧子大に丸め、空腹時に白湯で三〇~五〇呑み

      下す。

疎風順気元   腸胃の積熱と大小便の不通、風秘・気秘を治し老人の便秘に良い。
   処方 大黄を酒で蒸したもの五両、車前子炒二両半、郁李仁・檳榔・麻子仁微炒。兎絲子酒製・牛膝酒洗・山薬・

      山茱萸各二両、枳殻・防風・独活各一両を作末にし、蜜で梧子大に丸め、毎五〇~七〇丸空腹時に茶酒か

      米飲で呑み下す。

小皂角元     風秘を治し、老人にはなお良い。
   処方 皂角灸・枳殻を各等分に蜜で梧子大に丸め、米飲で七〇丸呑み下す。

二仁元       老人・虚人の風秘を治す。
   処方 杏仁・麻仁・枳殻・詞子肉を等分にして梧子大に丸め、温水で五〇丸呑み下す。

橘杏丸       老人・虚弱な人に良い。
   処方 橘皮・杏仁を等分に作末し、蜜で梧子大に丸め、米飲で七〇丸呑み下す。

黄芪湯       老人の大便秘渋症を治す。
   処方 黄芪・陳皮各五銭を作末して、別に麻子仁汁一盃を銀石器で煎じたのを、起きたらすぐ白蜜一匙を入れて

      もう一度煎じ、前の薬末三銭を入れて空腹時に服用する。

膠蜜湯      老人・虚弱人の大便秘渋を治す。
   処方 連根大葱白三茎を水一盃で煮たあと、葱は捨て明阿膠珠二銭と蜜二匙を入れ、とかして空腹時に服用する。

蘇麻粥      通便に効く。
   処方 蘇子・麻子を多少にかかわらず等分について、水でまぜて沪過し、汁を取って粳米末を少し入れて粥を

      つくって食べる。

三仁粥      便秘を治す。老人・虚弱の人には最も良い。
   処方 桃仁・松海子各一合、郁李仁一銭を共について、水でこし、汁を取って粳米を少し入れて粥をつくり空腹時

      に食べる。

脾約丸(一名麻仁丸) 小便が少なく、大便の出ない症、即ち脾約症を治す。
   処方 大黄蒸四両、枳実。厚朴・赤芍薬各二両、麻子仁一両半、杏仁一両二銭半、を作末して蜜で梧子大に丸め、

      空腹時に温湯で五〇丸呑み下す。

脾積元      食慾がなく腹が張り、口酸っぱいものが上がり便秘などの症を治す。
   処方 蓮朮一両半、三稜一両、青皮五銭、良薑醋煮切片焙乾・木香・百草霜・巴豆霜各二銭半を作末して麵糊で

      麻子大に丸め、橘皮湯で五〇~七〇丸呑み下す。

霊宝丹      大便の不通を治す。
   処方 木香・沈香・乳香各半銭、巴豆皮の芯、油を捨て二銭を作末し、大棗三枚を蒸して肉を取り、ついて緑豆大

      に丸め、一丸づつ水で呑み下す。

潤腸湯      大便の秘渋症に使う。
   処方 麻子仁一盃半を細く切って水に浸し、皮を取って汁を取り、桃仁一両を作末して丸め、塩を少しいれて煎じ、

      茶のかわりに飲む。


東医宝鑑54(大便14)

2017年12月16日 | 日記

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(14)

黄連木香湯    瘧疾後の痢疾を治す。
    処方 白芍薬炒二銭、白朮一銭半、黄連炒・木香・縮砂研・黄苓炒・陳皮・当帰酒洗各一銭、甘草五分を剉作して

       薑三片入れ水で煎じて服用する。

救命延年丸    男女の痢疾の重症を治す。
    処方 黄連・乾薑・当帰・阿膠珠を各等分に作末して梧子大に丸め毎三〇~五〇丸を米飲で呑み下す。

大黄牽牛散     大便の秘結の症を治す。
    処方 大黄一両、黒牽牛子頭末五銭を作末して毎三銭を手足が冷たいと酒で調服し、熱があると蜜湯で服用する。

半流丸        老人の痰結と大便秘渋を治す。
    処方 半夏薑製を作末し、硫黄を細研して柳の木で打って等分にし、薑汁を浸し蒸餅にしたもので梧子大に丸め、

       温酒または薑湯で五〇~七〇丸呑み下す。

七宣丸        熱が胃腸にとまって大便がつまる症を治す。
    処方 大黄一両、木香・檳榔・詞子皮各五銭、桃仁一二を作末して蜜で梧子大に丸め、温水で五〇丸呑み下す。

厚朴湯        大便の虚秘を治す。
    処方 白朮二銭、厚朴一銭三分、陳皮・甘草各一銭、半夏麵九分、枳実八分、薑三、棗二枚入れ、煎じて水で服用

       する。

当帰潤燥湯(一名潤燥湯) 血燥と大便秘渋を治す。
    処方 当帰・大黄・熟地黄・桃仁・麻仁・生甘草各一銭、生地黄・升麻各七分を紅花二分を先に水で煮て、半分ぐ

       らいになったら桃仁と麻仁を入れ、また半分ぐらいになったら空腹時に服用する。

踈風潤腸丸    風熱が鬱滞して大便がつまって、乾燥した症の燥を潤し、血を和らげ、風を踈すると、おのずと通ずる。
    処方 麻子仁二両半、桃仁二両、皂角焼存性一両三銭、大黄・羌活各一両、当帰・防風各三銭を作末して蜜で梧子

       大に丸め、白湯で五〇~七〇丸呑み下す。

皂角元        風邪による大便秘結の症を治す。
    処方 羌活・防風・猪牙皂角・枳殻・桑白皮・檳榔・杏仁・麻仁・白芷・陳皮を各等分にして蜜で梧子大に丸め、

       温湯で三〇~五〇丸呑み下し、熱があると大黄を加える。

活血潤燥丸    風秘・血秘に大便がいつもかわく症を治す。
    処方 潤陽丸に皂角仁を加えたもの。

潤腸丸        大便の秘結を治す。
    処方 杏仁・枳殻・麻仁・陳皮各五銭、阿膠珠・防風各二銭半を作末し、蜜で梧子大に丸め、毎五〇丸を、老人は

       蘇子湯で、若い人は荊芥湯で飲む。

潤麻丸        血燥と大便不通を治す。
    処方 麻仁・桃仁・生地黄・当帰・枳殻各一両を作末し蜜で梧子大に丸め、白湯で五〇丸呑み下す。

蓯沈丸(一名蓯蓉潤腸丸)  津液がなくなり大便がかたい症状を治す。
    処方 肉蓯蓉二両、沈香一両を作末し、麻仁汁糊で梧子大に丸め毎七〇丸を空腹時に呑み下す。

五陣丸(一名滋腸五仁丸) 津液の枯れと、便秘を治す。婦人の産後便秘にも良い。
   処方 橘紅四両を作末し、桃仁・杏仁・各一両、柏子仁五銭、郁李仁炒二銭、松子仁一銭二分半を作末し、蜜で丸

      め、空腹時に五〇~七〇丸呑み下す。

小麻仁丸     血燥と便秘を治す。
    処方 麻仁・桃仁・生地黄・当帰・枳殻各一両を作末し蜜で梧子大に丸め、白湯で五〇丸呑み下す。

通幽湯        幽門が通ぜず大便が出ないときに使う。
    処方 桃仁泥・小麻・当帰各一銭半、生地黄・熟地黄各七分、灸甘草・紅花各二分を水で煎じて滓を取り檳榔細末

       半銭で調服する。

和血潤腸湯    大便の燥結、不通を治す。
   処方 升麻・桃仁・麻仁各七一銭半、大黄・熟地黄・当帰梢各七分、生地黄・生甘草各五分、紅花三分を水で煎じて 

      服用する。


東医宝鑑53  (大便13)

2017年12月15日 | 日記

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(13)

五、疾痢の治療法
血の運行を良くすると便膿はおのずと治る。
下痢の治法は後遺症を治すのが大事でで、それには木香・檳榔を使い、また木香檳榔丸を使う。腹痛はとめねばならぬが、これには芍薬・陳皮を使い、また芍薬甘草湯を使う。身体が重ければ湿を除かねばならぬが、茯苓・沢瀉・を使い、また五苓散を使う。
脈が緩い症は風邪をなおさねばならぬので、奏艽・防風を使い、また敗毒散を使う。
膿血が枯れたのには重薬を、つまり大黄・芒硝か大黄湯を使う。
身体が冷え汗が出る症には、熱薬で温め、附子乾薑を使い、また漿水散を使う。
風邪がこもった症には、汗を出させねばならぬので、麻黄白芷・乾葛を使い、また麻黄升麻湯を使う。鶩溏が出るときは温め、肉桂・木香を使い、また水煮木香丸を使う。
外にある症は発し、中にある症は下し、上にある症は吐き、下にある症はなくす。
身体の外に熱のある症は内に疏通させ、小便の渋いのは分利させる。
便色の黒いのは大黄、紫は地楡、紅いのは黄苓、淡いのは生薑、白いのは肉桂、黄色いのは山楂、水泄には栗、痛には木香・杷子などである。
痢の初症には立効散を一服すると治り、また木香導気湯でその毒を除去する。
痢疾に阿膠珠・当帰・青皮・赤茯苓・黄連で作剤し、鳥梅を蜜で煎じて飲む。

立効散     赤石膿血痢と腹痛に効く。
処方 黄連四両、呉茱萸二両を水につけて炒り、茱萸は捨て、枳麩炒二両を作末して、毎三銭を空腹時に黄酒で飲む。

木香導気湯    痢疾がはじめて起きたとき、腹痛が繰り返し発熱した噤口の症を治す。                                 処方 大黄一銭半、白芍薬・朴硝・黄連各一銭二分、厚朴・黄連各一銭、当帰尾・赤茯苓各八分水で煎じて服用する。

六、痢疾の治療に使う薬
痢疾の諸症で臍腹が痛み、鮮血が出、または瘀血、紫黒血、白膿がおり、または赤白が相まじり、また黒豆汁または芽屋の漏水、魚のくさったような症などに、水煮木香膏・六神丸、香連丸・加味香連丸・白朮安胃散・和中飲・易簡断下湯・寧胃散・救命延年丸などを使う。

水煮木香膏      一切の痢疾を治す。
処方 罌栗殻蜜炒三両、縮砂・肉豆蔲煨・乳香各七銭版、木香・丁香・詞子・蒮香・当帰・黄連・厚朴・陳皮・青皮・白芍薬・甘草灸各五銭、枳実・乾薑炮各二銭半を作末し、蜜で弾子大に丸め水一盃、棗一枚を煎じて服用する。

六神丸          一切の痢疾を治す。
処方 黄連・木香・枳殻・赤茯苓・神麹炒を各等分に作末し、神麹糊で梧子大に丸め、毎五〇~七〇丸を、赤痢には甘草湯で、白痢には乾薑湯で赤白痢には乾薑甘草湯でそれぞれ呑み下す。

神香連丸        一切の痢疾を治す。
処方 黄連炒二両、呉茱萸炒一両、木香一銭、白豆蔲煨一銭半、乳香・没薬各一銭を作末して鳥梅を水で浸したものの肉を取って、梧子大に丸め毎三〇丸を服用する。

白朮安胃散      一切の痢疾を治す。
処方 罌栗殻蜜炒二銭、赤茯苓・白朮・車前子各一銭、五味子・鳥梅肉各五分を水で煎じて服用する。

百中散          一切の痢疾を治す。
処方 罌栗殻蜜炒・赤色厚朴薑製各二両半を作末して毎二~三銭を空腹時に調下する。

和中散          痢疾の赤白に使うが、ただ発熱には使わない。
処方 罌栗殻酸炒一銭半、陳皮・白朮・赤茯苓・赤芍薬各一銭、陳倉米二銭、草果仁七分、甘草三分、砂糖3銭、鳥梅一、薑三、棗二枚入れて水で煎じて服用する。

易簡断下湯      一切の痢疾を治す。特に虚滑痢に効く。
処方 罌栗殻一四枚、筋・腹・帯を捨て醋につけて炒末にし、白朮・赤茯苓各一銭、甘草灸五分、草果一、連皮を作末して水一椀に薑七片、棗と梅それぞれ七分を濃く煎じて二回に分けて服用する。


東医宝鑑52(大便12)

2017年12月07日 | 日記

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(12

<久痢>
痢疾はすでに治ったが、まだ完全に治らない症は炒芍薬・炒白朮・灸甘草・陳皮・茯苓煎湯で固腸丸三〇粒を呑み下す。
久痢で身体が弱ったときに詞子・肉豆蔲・白礬・半夏などを使い、ひどいのは牡蛎を加えて陳皮を助ける。
久痢のとまらないときは理中湯、これは下焦にあって赤石脂禹余粮湯、理中というのは中焦を治す。 赤石脂禹余粮湯は下焦を堅固にする。
久痢に大断下元・万全丸・真人養臓湯・木香散・実腸散・加減益気湯・樗白皮散などを使う。 

木香散    久痢と血痢を治す。
    処方 甘草灸一両、木香・黄連各五銭を炒り、罌粟殻・生薑各五銭を炒って作末し、麝香を少し入れ、空腹時に二銭調下する。

加減益気湯    久痢で衰弱したときに使う。
    処方 白朮・白芍薬・陳皮各一銭、当帰七分、黄芪・人蔘・沢瀉・縮砂・地楡各五分、升麻・木香・白豆蔲・御米穀醋炒・甘草灸各三分を水で煎じて       空腹時に服用する。

樗白皮散      久痢に諸薬効なきとき治す。
    処方 樗根白皮ひとにぎり、糯米一合、葱白ひとにぎり、甘草一寸、鼓二合を水一升で半分になるまで煎じて服用する。

実腸散        久痢に赤白の区分はないが、この薬を使って黄糞を下す。
    処方 山薬炒一両、黄米炒一合を作末し、砂糖調熱湯で薬末をかきまぜて飲む。

<疫痢>
人蔘敗毒散に陳皮・白芍薬を加えて煎じて服し、または薑茶湯で予防する。

薑茶湯        痢疾腹痛を治す。
    処方 老生薑・春茶葉を等分に煎じて飲む。

<蠱疰痢>
蠱疰痢で黒血を鶏の肝のように下し、切るような痛みの症には五石の湯・丸を飲んだせいで、茜根丸を飲む。
虫症痢に羚羊角元・薑塁丸を使う。

茜根丸        蠱疰痢を治す。
    処方 茜根・犀角・升麻・地楡・当帰・黄連・枳殻・白芍薬を各等分に作末して、梧子大に醋で丸め五〇~七〇丸呑み下す。

羚羊角元      蠱疰痢を治す。
    処方 黄連二両、黄柏・羚羊角鎊各一両半、白茯苓一両を作末して、蜜で丸め茶漬で五〇~七〇丸呑み下す。

<五色痢>
痢疾に五色がともに下る症は、脾胃・食糧と四気が互いに合わさった症で、茱連丸で救う。湿毒のため下痢腹痛のときは地楡散・黄連阿膠湯を使う。
五色痢には秘方養臓湯・絲爪散・神効蔘香散を使う。

秘方養臓湯     五色痢を治す。
    処方 罌粟殻炒一銭半に、陳皮・枳殻・黄連・木香・鳥梅・厚朴・杏仁・甘草各七分、黒豆三〇粒、大棗二枚入れて煎じて服用する。

絲爪散        五色痢と酒痢の血便腸痛を治す。
    処方 乾絲爪一枚を、連皮焼いたものと作末し、二銭を酒で空腹時に服用する。

神効蔘香散    五色痢と疳蠱など、すべての痢症を治す。
    処方 陳皮・罌粟殻各一両二銭、肉豆蔲・赤茯苓各四銭、白扁豆人蔘・木香各二銭を作末し、空腹時に米飲で調下する。

香連丸        赤白膿血と下痢腹痛と一切の諸痢を治す。
    処方 黄連一両、呉茱萸五銭を水で浸して一晩置き、炒って茱萸は捨て、木香二銭半を作末して醋糊で梧子大に丸め、空腹時に水飲で二〇~三〇呑み下す。

神効越桃散    下痢で痛み、お腹が張るときに使う。
    処方 大梔子仁・良薑各三銭を作末し、茶飲で二~三銭調服する。